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開拓の壁 第1回ミーティング Vol,3

概要

日時:2021年10月1日21:00〜22:00 Webミーティングツールを使用
参加者:全国各地の開拓クライマー7名 (内2名事務局) /MC1名

今回は第1回ということで、事前にミーティングテーマを選出。以下はその内容を文字起ししたものになります。数回に分けて掲載していきますので気長にお付き合いください。

ミーティング発言者の扱いについて

基本的にスレッドの発言順にABC…と割り振っています。固定はMCのみとなりますので、ご承知おきください。

テーマ『初登』Vol,1

MC:今回のミーティングテーマのもう一つが初登です。開拓されている皆さんはその立場上、初登するケースが多いと思います。初登とはどういったものなのか?再登との違いは?など、様々な視点からのご意見を伺えればと思います。

初登のライン

MC:初登するラインについてですが、岩に明瞭な弱点…例えば顕著なクラックシステムだとかがあり、それを誰が見ても分かる場合はラインの指定すら必要ないわけですが、そのように顕著ではない場合もありますよね?そういった場合、どうされてますか?
A:初登のライン取りについては、責任を持ってトポにラインを記載しようと考えています。実際登れるであろう全てのラインを登ってから、トポにはその中でも内容や合理性などの複合的な観点で厳選した数本のラインを掲載しています。
B:あみだみたいにラインをつないで、「初登だ」と言われても、その主張の意図がよくわからないんですよね。
C:「初登」という言葉に自己顕示欲みたいなものが満たされる効果があるのかもしれませんね。
B:私個人の考えからすると、極端に言えば一つの岩に一本のラインがあればそれでいいじゃないか、と。
C:一番いいライン一本だけ課題名があれば、って感じですかね。
D:実際にそういうあみだ状のラインを登ったとして、実際の開拓者や初登者に直接確認を取ってくるケースって結構少ないですよね。自分のSNSとかで「初登だと思うのですが、情報ください」っていうのはたまに見かけますが。
B:そのSNSの発信で確認できたと思い込んで、初登として発表するという流れなんですかね?

初登と再登

B:初登というより、再登についての話になりますが、初登者と同等もしくはそれ以上のスタイル(例:クラッシュパッド不使用やグラウンドアップなどの条件を初登者と合わせる)で登るっていう概念がありますよね。それをしっかり実践している方もいるんだなとSNSなんかを見てて感心することもあります。
MC:僕は自分の着地の技術にそこまで自信が持てないので、初登者がクラッシュパッドを使っていないのを知っていても、自分で判断してクラッシュパッドが必要であれば使います。特に高さがあるボルダーや、下地が悪いときには他の人より怖がりなので慎重です。そういう意味でも初登者が使っていないなら再登する側も使わない、っていうことにこだわっている方は素直にすごいですよね。
B:クライミングって、「マナー」は多いけど「ルール」は少ないですよね。そのルールの一つが初登者と同等以上の条件で登ることだと思っていて、そのルールを意識して実践している方は尊敬できると思っています。
E:クライミングのそういった原理的な部分って、実践するしない、できるできないはともかく、大切にしたいし、伝えていくことは大切ですよね。

初登者は再登者に何を求めるか

MC:先ほどのトポの話ともリンクしますが、初登する側として、再登者にどこまで初登の条件の追体験を求めていますか?
A:例えばスタート核心の課題のスタートは勝手に変えてほしくないですし、正確に課題を再登したいのであれば、やはりそのラインを外して登ると再登とは言えないですよね。特にグレードを追っている方の場合はやはり重要なポイントになるかと思います。
ただし、それが全てではなくて。自由に登る楽しさもありますから、それは後から登る方がそれぞれ考えて選んでもらえればいいと思っています。
C:最終的には、私たちの思いや感想をトポに記載しているのかもしれませんね(笑)
D:初登課題でダウングレードしたことってありますか?ルートや課題のホールドの変化とか、そもそもオーバーグレードだったとかではなく。
MC:開拓クライマーでもない僕が話すもあれですが、自分の初登課題でダウングレードありました(笑)
ルーフのボルダー課題なのですが、核心ムーブを解析する際に最初に解決したシークエンスで、そのまま完登できて、一応三段でグレードをつけました。すぐに友人が再登してくれたのですが、初二段くらいっていう感想でした。友人はかなり強力なクライマーだったのでそれくらいのグレード感覚の差はあったりするのかな?と思ってよくよく聞いてみると、シークエンスが全く違ってて、僕の核心をまるまるすっ飛ばせたみたいで、なるほど(恥)という。
一同:あるよねー(笑)
MC:個人的には、初登時よりも効率の良いムーブやシークエンスが発見された結果のダウングレードは全く問題ないかな?と。
D:その課題の最適解で登った時のグレードで良いと思いますね、私も。
E:グレードの改定についてもトポの更新のタイミングと合わなかったりすることもありますよね。だからあくまで「初登者の感じたグレード」と思ってもらえればありがたいし、ライン取りにしても、「初登者が登りたいと感じたライン」と思ってもらえるとありがたいですね。

Vol,4に続く

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