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開拓の壁 第2回ミーティング Vol,1


概要

日時:2021年12月17日21:00〜22:00 Webミーティングツールを使用
参加者:全国各地の開拓クライマー7名 (内2名事務局) /MC1名

第2回も事前にミーティングテーマを選出し、ミーティングを行いました。今回も数回に分けて掲載していきますので気長にお付き合いください。

ミーティング発言者の扱いについて

基本的にスレッドの発言順にABC…と割り振っています。固定はMCのみとなりますので、ご承知おきください。

テーマ『開拓の実際』

MC:これは実際に開拓している方しか知らない事だと思いますので、非開拓クライマーの方でも興味ある人はいるのかな?と思ってテーマとして選出しました。おそらく地域性や岩質、リードやボルダーでもまた違ってくるのかなと思いますが、ぜひお聞かせください。

初耳な人も多いワード「芯出し」

A:花崗岩の場合は表面を掃除するとき、浮いてそうな個所は真鍮ブラシを突っ込んで簡単に動く程度なら剝がしちゃいますね。
B:僕の開拓している地方の岩は一般的に花崗斑岩と呼ばれてる岩なのですが、山の中の岩は兎に角表面が脆い、というより基本的に風化していて真砂化する途中という感じなので砂の塊が岩の表面に薄く張り付いている様な状態が多いんですよね。そういう場合があって、ワイヤーブラシ等の道具を使って掃除することで「芯出し」をします。
一同:シンダシ!?
B:こう、、、何というか岩の硬い芯を出すイメージですね。芯出ししないと踏めば踏むだけバリバリ取れるし、芯出しして岩が安定するまでは、登っても登っても脆い部分が取れるので、体重載せるだけで取れるものは先に取ってしまいます。
C:これを見ている人が気になるところは、道具を使うかどうかだと思うんだよね。
D:バールは使う?
E:僕は手で引っ張って、ちぎります!
一同:ちぎる!!?(爆笑)
MC:岩をちぎるって表現、生まれて初めて聞きました(笑)
B:僕はちぎりませんけど、ん-、バールは岩の掃除とかでは使わないですね。下地の邪魔な岩とかどかすときとかですね。
E:ホールドは引く方向によって取れるものもありますよね。
MC:浮いてカタカタしてるのになかなか外れないのもありますよね?
F:スポート(ボルト)ルートのメンテナンスをしていて、明らかな浮石があって、これクライミング中に落ちると死人が出るから(ビレイヤーやロープに当たる可能性が高い)、岩場を利用しているメンバーに確認を取ってから、浮石を落しました。
A:そういう明らかな危険性がある場合は、やっぱり整備的なことはしますよね

グルーイングします?

MC:外れそうなホールドをグルーイング(接着)しますか?
B:そもそもグルーするのってめんどくさくて…。
E:自分たちだけが触る課題の場合、明らかに剥がれるホールドはむやみに取らないよねえ。剝がすのもそれなりに労力いるし。
C:スポート(ボルト)ルートではよくグルーイング見ますね。
F:トラッドのルートでは見ないですね。やっぱりスポート(ボルト)ルートで多いよね。
MC:やっぱりそのクライミングスタイルというかジャンルの来歴が影響してるんだと思うんですよね。
A:すでに課題やルートとして、完成しているものに、剥がれたホールドを拾って付ける人為が入るのは違う気がします。安全面に関しては、その岩質によると思いますが、内容が変わるような人為が入るのは避けたい気持ちがあります。
D:以前にスポート(ボルト)ルートを開拓している人から話を聞いたときは、取れそうなホールドを補強したり、取れたらグルーで付けるのはありとか言ってたけど、やっぱりそういうものなんですかね?
E:その課題がなくなるのってのはさみしいってのはありますね。
D:某岩場の有名な課題が毎年スタートホールドが外れるっていうのがありました。外れる度に再接着されて登られていたんですが、ある若者が外れた状態で登って、「これはもう付けれない」ってなった事例もありますよ。
B;それナチュラルでいいねぇ。
C;スポートルートはボルトを打っている時点で人の手が入っているので、ボルダーの方がナチュラルに近い状態で登る感覚が強いのかもしれないね。
MC:例えばヨセミテのMidnight Lightningはすごく変化している課題ですよね。一歩目のフットホールドが百万人ホールドになっていて、すごく滑る。多分初登の時はもっとフリクションあったはずなんですよね。課題の歴史を感じられる部分ですけど、あれも人為的といえば、人為的ですよね。
D:でもそれも自然だったり経年の変化を受け入れているといえば、受け入れてるよね。
C:少なくともボルダーに関しては欠けることも醍醐味だと定義してしまえばいいのかも。
F:明らかにこれは触ったら欠けるなっていうホールドは触るのを避けるよね。それを避けて登って発表して、そのホールドには触らないようにってトポにも書いたのに、読まない人がそのホールドを使って登ろうとして案の定ホールドが剥がれて、怪我してしまったことがあります。なんか悪いことしちゃったかな、、、とか少し考えてしまいましたけど、トポに書いてある情報は無用なリスクを避けるための物でもあるので、できるだけちゃんと読んでほしいなって思いました。

Vol,2に続く

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