改姓にかかるコスト

年間60万組が結婚して、必ずどちらかが改姓し、銀行口座から健康保険、運転免許などの書き換えが発生し、それは業者側にもコストになり、その後も使い分けのコストが発生し続けてる。

改姓しなければ、個人の負担や関係する会社、銀行、資格関係の団体の負担はかかりません。 今後も同姓100%で旧姓使用の範囲を広げるためにかかるコストと、一人に二つの姓の混乱を考えると、 別姓の必要度と長い目でみたコスト減を思えば法改正は妥当と考えます

改姓した当人も大変ですが、一個一個の名義を別々に修正したり、確認書類をチェックしたりする窓口の人たちも負担が大きいしミスも起こります。名前を変えないですめば事務コストは大幅に減ります

銀行の口座改姓手続きは本人が窓口があいているときに出向き、山ほど書類を書き、時間もかかります。私の経験からはひとつの口座につき30分。 その人の後ろに並んでいる人もそれだけの時間を無駄にしなければならない。 平日昼間しか出来ないので有給を使えばその穴埋めも必要。

そして銀行側は提出書類の7年間の保管義務があるためそのスペースの家賃、新たに出来た通帳、郵送するカード、それに携わる行員の人件費全て引っくるめて一口座一万円との事です。そのお金は勿論その銀行を利用している全ての方のお金ですね。

保険も同じです。今は一人複数の保険に入っている時代ですので新たな証書郵送、データ変更、提出書類の保管、人件費でやはり一人一万円。 そのお金は? その保険会社で保険に加入している方から出ていますね。

その他車の名義、不動産、証券、クレカ、携帯、光熱費の契約者ならその名義、全て同じことです。

国家資格なら各省庁に改姓する方も請け負う方もコストがかかります。 改姓する本人の金銭負担だけでは新たな資格証返送代だけでやりくりできる様に計算しているそうですが、それでも各省庁の担当者に手間というコストと、大抵は書留便で新たな資格証が届きますが一度で返送されてきた資格証を受け取れるとは限らず、再配達などがあれば郵便局員や宅配業者にコストがかかります。

改姓手続きは様々あり、コストも様々あり、「国民一人これだけのコストです!」と計算して表せる質の物ではございません。

内閣府の世論調査では自身が別姓にすると回答された方は8%。 明確なのは法制化されたらそれらが8%減ります

今は改姓したくない人まで全員そのコストを本人も税金も各機関も金銭、時間、手間と言うコストが発生していましたが一度法制化されればそれらのコストは不要になるのです。 後職場で改姓されたら担当者は保険年金社員名簿等々何日も残業してこなしています。その担当者の残業代は? その職場の資本金からですね。 旧姓使用されても二つの姓を管理する手間やコストが大きく、旧姓使用不可の職場が増えつつあります。 あげだしたらきりがないので「国民一人いくらのコスト」 計算出来る性質のものではございません

改姓を請け負う方は。
まず銀行の振込み口座を改姓したら振り込む企業も企業実印と山ほどの書類を持って金融機関にて手続きします。これは金融機関によりますが殆ど一日がかりの作業になります

年金保険も同じです。担当者が年金事務所に出向きやはり一日がかりで手続きします。 雇用保険はハローワークで手続き。 これらの作業は本来の業務をこなしながら行うわけです

社員名簿も変更。 名刺、ロッカーの名札、タイムカードシステム、本人の名札。 又社外との付き合いがある人なら新たな姓を社外に通知し、相手もシステム変更です。 新たな姓の説明と周知に一人平均122時間かかっていると言うデータがあります。

研究者の改姓は大変です。
夫婦同姓で無駄にかかるコスト。 だいたい論文検索は一部を除いて登録から検索から有料なんですよ。 結婚改姓で追えなくなった研究者について再度検索しなおす、にも金がかかるんです。 「望まず改姓した女性研究者」に関して、どれだけ無駄金がかかってるか

研究者自体が少ない分野だと、別の似たような論文を検索するのに多額の金がかかります。 その研究者さんと自分くらいしか研究していないテーマだった場合、もう終わりです。

「研究成果が失われる」というのは、科学にとって大変な痛手なんです。 例えば「その研究者が女性だから、男より成果を出していては『かわいくない』し、女だから改姓しなければ」などという、「失われる」と比べたら塵にも等しい、と言ったら塵に失礼というレベルで下らん理由で起こってはならない。

非現実的ながら例えを出しましょう。例えそんなに注目されていない、ある菌があったとします。それに関し研究している人は1人、女性研究者で、本人が望んでいないのに結婚改姓をし、あおりで論文データが消えてしまいました。 さて時は近未来。その菌による不治の病が猛威を振るっていました…

極端な例ですが、科学にとって研究データが追跡できないとはすなわちそういう事なのです。

通称使用をもっと…それで対応すべき…とかいうなら、 それこそ研究者的には別姓法制化してもらって、 名乗りたかったら通称で同姓名乗った方が万倍確実。戸籍名を同姓にして研究成果ふっとばすリスク抱えるより全然いい。

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