スクリーンショット_2019-05-05_15

【Bリーグ】企業から学ぶマーケティング戦略No.1

皆さん、突然ですが、Bリーグをご存知ですか?
Bリーグとは、日本のバスケリーグが統合された統一リーグです。

もともとバスケットボールは、NBLとbjリーグの2つに分かれていました。
しかし、Jリーグを立ち上げた川淵三郎氏主導でつくられた単なる2つのリーグの統合ではない、新しいプロリーグを創設するという「新リーグ構想」です。

Bリーグは、2年間で年間入場者数50%増の250万人、売上10倍の50億円という快挙を成し遂げました。

スポーツビジネスにおいて新たな風を巻き起こしたBリーグは様々なマーケティング戦略による実績といえるでしょう。

そんな、戦略の中で3つに絞ってお話したいと思います。

①デジタルマーケティングについてです。
日本のスポーツビジネスにおいて、顧客データの取得、活用については改善の余地があり、世界的にも後れをとっているのです。

そこに目をつけた葦原さんは、デジタルマーケティングを徹底的に推進させると決めました。

野球やサッカーでは、感染者やファンクラブの情報すべて個別のチームに集約されています。
一方でBリーグは、顧客データを各クラブではなくリーグが管理する方式です。1つのログインIDがあれば、B1もB2も含む全36クラブのあらゆるサービスが利用できるのです。
デジタルマーケティングによって見えること。

これをすることにより可視化されることが4つあります。
①チケットを買った人
②ファンクラブに入会している人
③クラブの ウェブサイトでグッズを買った人
④アリーナに来場した人

これにより、1人のお客さんがどのような行動をとっているのかリーグ単位で見ることができるのです。

これは、日本のスポーツビジネス業界初であり、前進でもあります。

さらに、こういったデータを使えば、

今まで来なかったお客さんを1回でも試合に来てもらうより、年間で5回来てもらっている人に、次年度は6回きてもらうようにするほうが効率的で、獲得コストが1/6になるということも分かるのです。

さらに、協会にデータベースを繋げることで、高校バスケ、日本代表など競技者、バスケファンを紐づける仕組みが実現可能となります。

②ターゲットの設定です。
ターゲットは、700万人の観戦意向者のペルソナ設定と、「若者」と「女性」です。
バスケットバールの特徴として女性人口が多いことです。
サッカーや野球は男性が8〜9割に対し、バスケは男性5割、女性5割と特殊なスポーツなのです。

そのポテンシャルを活かし女性に対してのマーケティングを行いました。
また、ペルソナ設定では、

1人よりも集団観戦を好み、オシャレで、アクティブ。
情報収集の媒体はスマホや雑誌中心、流行りに敏感で、自らもSNSでシャアをする積極的な人

と明確に設定をしました。

そうすることで、スマホファースト「興味喚起から体験共有まで一連をスマホでできる世界」というものを定義しました。

例えば、ECサイトによるグッズ販売、ネット放送、電子チケット、雑誌×ARなどスマホに通じる施策を多数うつことで結果を出したのです。

③リアルとの融合です。
これまでネットについて散々書いてきましたが、葦原さんは、「スポーツを通してリアルの世界で人とつながり、ワクワクするような世界をつくることが大切」と言います。

B.LEAGUはネットだけでなくリアルにも力を入れたのです。
コンセプトとして「SNS連動」をおき、選手をより身近に感じやすい環境に。例えば、選手のトークを生配信、当日のダンクコンテストのファイナリストやMVPをSNSのハッシュタグで決めるとか。
SNSとリアルを見事に融合しました。

また、開幕戦当日では、全面LEDによるパフォーマンスや豪華ゲストなどリアルの話題性にも力を入れました。

こうすることで、視聴しているユーザーがネットで拡散、チケットを購入→週末は試合観戦。という

「リアル」→「ネット」→「リアル」

の循環を生み出すことに成功したのです。
マーケティングの本質は、ネット×リアルだということを深く感じる物語でした。

今回この本を読んでの気づきが3つあります。

①従来の発想に疑問を持つこと。
正とされていることに問題定義することで新たなものが生まれるという気づきです。

②ユーザーによってマーケティング戦略が変わること。
女性と男性、若者と高齢者、購入ユーザーと興味あるユーザーの違いがあるという気づきです。

③どうやったら流れが滑らかになるか考えるのが重要。
球団、リーグ、協会の繋がり。ネットとリアルの繋がり。
何かと何かが繋がることで良い循環が生まれる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?