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白トラ弐9 過去世での繋がり 続き

「白へびさんの生年月日教えてよ」
 みな、お互いのことがどう書いてあるのか興味津々になっていた。おせっかいなことに、この白へびにも調べの矢が立てられた。

「え~っと、白へびさんは~‥」

 様々に長所と短所が読み上げられるなか、ずっと忘れられずにいる記述がある。
「え~っと、白へびさんは~‥。
特異点として‥‥‥、えっ!!!

『生まれながらの王子』だってぇ!!」

 一同大笑いだった「さすが白へびさん!」。ただでさえ普段から不思議がられていた存在が、更に生まれながらの王子と分かってよりこの白へびの存在が面白く感じられてしまったらしい。

 しかし、当の本人としては実は違和感が無かった。内心『あぁ~、そうかもしれないな』と、何故かその記述にすんなり納得していたのだ。

 その十年ぐらい後に、同じく同僚にしてCGムービーを中心に制作担当しているチームのディレクターをやっているグラフィッカーに
「僕、占いによると生まれながらの王子なんですって」と伝えると、妙に納得の表情を浮かべつつ
「あ~、そうですよ!」
「え?」
「王子って感じしてますよ?最初っから」
「僕と知り合った最初っからですか?(笑」
「はい、してます(笑」

 部署も立場もまるで違う、いつ仲良くなったのかもよく分からない何故か気の合うこの人に「王子って感じしてますよ?最初っから」と言われたことが、ずっと印象深くハートに焼ついていた。

 つづく

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