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一旦ここまでのウェストハムを見直してみる


皆様お疲れ様です。
エヴァートン戦を終えて代表ウィークに入り、少し時間が空くという事でタイミングを見てここしかないなと思い、今シーズン初noteを書かせて頂きます。

このnoteは僕の主観が多く含むものなので、今から書くものが決して的を得ている!と言った物になる保証はありません。お先にお詫びしておきます。では久々ですがよろしくお願いします。

1.オフシーズン→シーズン中の市場での動き

今季のウェストハムは史上最強と言って良いほどの補強シーズンになりました。今まででは考えられないレベルの選手たちの補強に成功。

まずはDFラインから
リーグ1からはニースから快速左利きCBアゲール、ディオプの対談騒ぎがあり、シーズン途中で追加となったパリSGからドイツ代表両利きCBケーラー。足の速さに恵まれ、ビルドアップに貢献してきた選手であり、ウェストハムにとって今までいなかったタイプ。

さらに昨シーズンからレンタルで獲得していたGKアレオラに買取OPを行使。以前から足りていなかったLSBにリヨンからビッグクラブを渡り歩いてきた実力者エメルソンを獲得。

中盤にはチャンピオンシップ、スウォンジーからダウンズを獲得。3列目の位置でパス精度の高さとボールを扱う技術に長けたこれまたコヴェントリー以外で3列目を務める選手の中でウェストハムにはいなかったタイプ。

さらに前線には降格はしてしまったものの、左サイド全般にストライカーまでこなすバーンリーで大暴れしていた前シーズンPL9得点のコルネ。

さらにサッスオーロから前シーズン17得点を記録し、現アズーリ代表ストライカースカマッカを獲得。ストライカー不在であったウェストハムにとっては念願である非常に強力かつ、将来が約束されているレベルの選手をチームに加えることに成功。

そしてさらにリヨンからルーカス・パケタの獲得。シーズン途中での加入になりましたが、今でもなぜ彼を獲得できたのか、現セレソンでバリバリ主力の選手がウェストハム!?聞いたことがありません。若手スーパースターの獲得でいきなり中堅から頭一つ抜けた豪華なスカッドを揃える事に。恐るべし。チームとしても今季は本気モード。CL圏を狙う意思を存分に感じるオフシーズンでの動きでした。ですが。


2.開幕3連敗から低調が続くウェストハム。原因はなに?

とそんな所でここからが本題。
とっても豪華な顔ぶれになったウェストハムですが、現在プレミアリーグでの順位は7戦を終えて1勝1分5敗で18位。なんと降格圏にいます…なんで?何が起きているの?主力は抜けてなければ監督も変わっていないし、やる事も特に変わっていないし。



まずは言わずもがなオフェンスの不調
ウェストハムはここ7試合を終えての得点数はたった3ゴール。オープンプレーでの得点は2ゴールとなっており、どちらもプレミアリーグで最下位の数字です。

元々オフェンスの構築に長けていた訳でもないですが、それでもこれまでウェストハムがモイーズ政権で成功出来ていた大きな要因は前線のクオリティの高さ。

自陣深くで相手のプレッシングをかわさずとも、とにかく前線(アントニオ)に預ける形でチャンスが作れていた。ところが去年のチームトップスコアラーであるボーウェンが不調。さらにストライカーのアントニオがサイドに流れてしまうこともあり、元々相手ゴール前で脅威を与える存在が薄いという問題が以前よりも際立っています。

新戦力として期待されているスカマッカの出場機会も少なくはありませんが、現状ウェストハムの1トップは孤立してしまうケースが多く、アントニオほどスペースにガンガン走り込むタイプではないため、ウェストハムのシステム上そもそも彼自身にボールが入る回数が少ない。彼のポストプレーの上手さ、サイズに見合わないスキルを活かしたキープ力で極力少ないタッチ数で味方に叩き、また前に出ていって点に絡んでいくのが得意な選手ですが、味方との距離感が離れているとなかなか効果が発揮できません。

活躍が期待されているパケタはシーズン途中で加入となり、プレミア初出場となったトッテナム戦でいきなり格の違いを見せつけたパケタ。チームの救世主と言えるほどのインパクトを欲していますが、チームでの役割がまだ見えてこない。

パケタ、スカマッカ。彼らのスキルは非常に高く、ワールドクラスレベルだと思っていますが、肝心な彼らにボールが入らないと意味がない。出来れば足元にボール入れてあげたいと思いますが、なかなか叶わず。

その原因を作っているのはこれもまた言わずもがなのビルドアップの工夫不足でしょう

オフェンスの不調の原因の根本である部分ですが、ここにモイーズが懸命に取り掛かる様子は今のところありません。

ウェストハムは深い位置からゲームを作ろうとする雰囲気は見せるものの、その場その場の選手個人の判断に委ねている部分が多く、配置のバランスも悪いためにパスコースを潰されてはかなり早い段階で前にボールを預けるため、本来ボールを落ち着かせられるパケタやフォルナルス、ボーウェンといった所をすっ飛ばしてるために彼らにオフェンスのリズムを作ってもらうというのもなかなかの難題でしょう。

そしてこのウェストハムのビルドアップは最終的に相手SB裏へとロングボールを送る事が多いのですが、前線のプレッシングをかわせないのが対戦チームにバレてきているため、相手も必要以上に前線に人数を割かずに、アントニオを警戒しつつ簡単にはDF裏を取らせないようにしてきます。

この議題で多く取り上げられる人物はおそらくソウチェクでしょう。192cmでウェストハムの飛び道具としてボランチに搭載されている選手ですが、いわゆるプレス耐性というものが低く、ビルドアップを仕切る能力は乏しい。ここ最近のプレーではこの部分が悪目立ちしていて、ファンの批判を買っています。足首が固く、ボールを扱う技術に長けているキャラクターではないので、視野の確保が上手くいかずにパスを出してしまっているシーンを多く見受けられます。そのため同ポジションでソウチェクよりも技術に長けた新加入のダウンズと入れ替わる案も考えられます。

ですがソウチェクのパス能力は決して悪くなく、視野の確保さえ出来るポジションであればビルドアップでも活躍可能だと思っています。

なので僕はソウチェクの本来のポジションはCBなのでは?と思っていますが、そしたら飛び道具としてオーバーラップする際にボランチの位置よりもさらに低いDFラインの位置からオーバーラップする羽目になるというジレンマもあります。それを考えると、ソウチェクの足元の覚束無さを隠しつつ、エアバトルの強さを活かした今のモイーズの起用法というのはかなり彼の長所を活かしているとも言えます。ですがそれには代償もあるということです。

なのでビルドアップを促進する役割として近年活躍してきたランシーニの存在がウェストハムにとって鍵になると思います。

トップ下のランシーニが降りてくるわけですから、例年通り後ろに重たくなるのは致し方なしですが、前線には頼りになるパケタや、何故か出れないベンラーマ、ボーウェンあたりが居ますので、まず彼らにボールを入れるという作業からするべきではと思います。そこから数的優位だの位置的優位だの質的優位だのを考えていくのが楽かと。知らんけど。

ボールを前に運ばないと点を取るどうのこうのの話にならないとは思いますが、現状得点もチャンスも少ない訳ですから、パケタやスカマッカなどといったタレントを獲得出来たのであれば、彼らを活かしたオフェンスというのを展開するのが筋かと。そこへ今後どうアプローチしていくのか見ていきたいと思います。



もうあとひとつ。気になっているのはプレッシングの脆弱さです。例年に比べ前線の選手がサイドに限定し切れず、前線のラインを突破されるケースが増えました。相手にサイドに振られ、中盤でスライドが多用されることで中央の強度が落ちているように見えます。

ウェストハムにとってはこの連動したプレッシングというのがそれなりの得点機会を産むものだったので、そこからのショートカウンターだったりが出てこないのは得点不足の原因の1つと言えるのではないでしょうか

・得点不足
・ビルドの工夫不足
・プレッシングの脆弱と守備強度の低下
ここらへんが不調の原因かなと思います。

あまりにタレントを揃えてしまった手前、昨年よりも良い順位で終わるというのは至上命題だったように思いますが、現状維持ではなかなか厳しい目標になりました。新戦力を加えたウェストハムが今後どのように建て直していくのか。僕は今季はゆっくり見ることにします。まずは降格圏を抜けないと…終



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