JMW TOKYO ムーンフェイズウォッチ
この時計はムーンフェイズ表示が特徴のクオーツ腕時計です。
困ったことにこの時計の名称というものがどうもすっきりしない印象になっているので、ここでは「この時計」という呼称にすることにします。
どういうことかというと、公式には、
”上級「ムーンフェイズ 」本革ベルトローマ数字インデックス100m防水タキメーター腕時計” となっており、通常の型番や固有名称のようなものがありません。開示されている情報を読み解くに”上級ムーンフェイズ”と呼ぶのが適切でしょう。しかし同ブランドでは「上級」は他のモデルでも使われており、一般的な機能呼称であるムーンフェイズしか固有の名称になっていません。”上級ムーンフェイズ”と呼称するしかなさそうです。
JMW TOKYOは株式会社アートが企画、販売している時計のブランド名です。国内ムーブメントにこだわったJapanMovemntWatchと会社所在地の東京をあわせたブランド名だそうです。
(裏蓋、ベルトにJMW TOKYOのロゴが入る)
さて、名称の件はこのあたりにして、この時計本体の話に入りましょう。
この時計はJMW TOKYOブランドのとおり、”ムーブメント:「シチズン製」クオーツ”と明言されています。後述しますがこれがこの時計の魅力にもなっています。
『ひと月を丸ごと捉えるアナログ表示』
3針の時刻表示に加え、日付、曜日、月、が独立したアナログ針表示になっています。日付は円形の目盛り全体でひと月なので経過日数と残り日数を円グラフのように直感的に把握することができます。
『ムーンフェイズ』
この時計の特徴となっているムーンフェイズ表示は一般的な29.5日周期で、立体的な目盛り、JMW TOKYOのロゴと細かい細工が施されています。時刻はそもそも地球の自転、月表示は公転、曜日表示と月の日数、つまり1か月は月の満ち欠け周期が元になっています。ムーンフェイズと共にこの時計の表示は全て地球をめぐる宇宙の運行であることを連想してみたり、月齢(新月→三日月→上弦→満月→下弦)による過ごし方などのスピリチュアルな面に目を向けてみるのも一興ではないでしょうか。
『価格は?』
まあまあの見た目、造り、機能を持つこの時計、どのくらいで販売しているのでしょうか。また、実際この時計の価値はいかほどのものなのか?価値については以下に続きますが、販路のひとつはamazonで、「JMW TOKYO ムーンフェイズ」と検索窓に入力すると多彩なカラーバリエーションで一覧に出てきます。
記述現在の価格ですが25000円ほどで販売していますね。確かに25000円でもおかしくない造りとも思えますが、恐らくあまり聞いたことのないブランドで本当にその価値はあるのでしょうか?さらに掘り下げてみましょう。
『正確なムーブメント』
時計として肝心なムーブメントですが、かなり正確なムーブメントです。
所持しているCASIOの1万円ほどの腕時計では月に10秒ほど狂い、正確なモデルでも5秒ほど狂います。これでも十分にクオーツ時計の標準的な仕様の範囲(月差±15秒)を満たしています。
ところが、この時計のムーブメントは月差がわずか2秒ほどしか確認できていません。(但し仕様上は月差±20秒となっています)もともと評価の高いシチズン製ムーブメントですが、いったいどんなムーブメントが使われているのか気になり、可能な範囲で調べてみました。
『この時計のムーブメントは』
シチズン、つまりミヨタ製であろうと、ミヨタのホームページに行くと意外なほどにあっさりと見つかりました。
https://miyotamovement.com/jp/product/6P00/
Movements > マルチファンクション > Cal.6P00 恐らくこれでしょう。表示の配置、月、日、曜日の0位置、月調整プッシュボタン位置、と全て合致します。
それでも偶然なだけでは?と、さらにスペックシート、図面、説明書のPDFを見ると、図面には中央から6.9mmの幅を置いて12時、3時、9時位置表示があること、ムーンフェイズの位置も合っているようです。
スペックシートの注意書きや説明書の操作方法もこの時計と同じです。これはほぼ、Cal.6P00で間違いない、と推測した次第です(個人の見解です)
『辿り着いた先は』
さて、シチズンにはカンパノラという高級時計ラインアップが存在します。
https://campanola.jp/
そのムーンフェイズモデルの中にEC4000-03Aというモデルがあり、こちらのモデルは24万円+税となっております。
このレイアウト、針の位置、なんだかよく似ていますね。そして説明書のPDFを読むと操作方法や注意事項は前述のミヨタCal.6P00と同じなのです。
JMW TOKYOムーンフェイズは、シチズンのムーブメントを使用したカンパノラリスペクトモデルのようです。実際、「シチズンの高級モデル「CAMPANOLA(カンパノラ)」を彷彿させる」といった文言をコピーに使用しております。
以上のことからこの時計は24万の高級時計と同等のキャリパーが使われている非常にお得なムーンフェイズ腕時計なのかもしれませんね。(あくまで個人の見解です)
多少ですが気づいた点も書いておきましょう。まずベルトの長さが短めです。ほとんどの方には問題ない長さが確保されてはいますが一部の方には短いと感じるかもしれません。一般的なGENUINE LEATHERですが柔らかく感触は良いです。立体的なローマ字インデックスに幅があるため5分単位位置または1分単位を確認するためには内周の秒目盛りに頼るわけですが、これが少し見ずらい印象を持ちました。コンセプト自体が違うので他の視認性が良い時計と比較するのも野暮なことですが。あとは冒頭に述べた商品名の件ですね、なにか素敵な名前やせめて型番表示をしてはいかがでしょうか。わかりやすい名称が無いと印象も劣るし話題にしにくいため損をしていると思います。
最後に、もしこの時計が気になった方はyahooオークションにアート株式会社自ら出品しておりますのでその様子を観察すると益々お買い得感が増すかもしれません。
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