SDVX OZ浜松大会を終えて

2022/08/20(土)、浜松のTHE 3RD PLANET OZ浜松店様(以下サープラ)にて、SOUND VOLTEXの大会を開催しました。

内容は全国初(!)のEX-SCOREを使用した大会となり、
かなりの盛り上がりを見せたと思います。

この記事では、そんな大会の裏側から、当日の様子まで、主催の視点から書いていきたいと思います。

大会の概要

開催日時:2022/08/20(土) 12:00~20:00
参加者:20名
予選:運営指定の課題曲2曲をプレー、合計EX-SCORE上位16名が勝ち抜け
ドラフト:予選通過者のうちVF上位4名(被った場合は予選スコア上位者)がリーダーとなって4チームを設立。
残りの12名から1名ずつ指名し、
本戦:4チームによる総当たりのリーグ戦。
1試合あたり3戦とし、LV16のみ、LV17のみ、LV18のみ使用可能の対戦を行った。

3位決定戦:リーグ戦結果下位2チームによる4戦(LV16,17,17,18)
決勝戦:リーグ戦結果上位2チームによる5戦(LV16,17,17,18,18)

より詳細な内容は以下のTwiplaをご覧ください。
https://twipla.jp/events/517987

大会開催までの経緯

6月初頭、いつも通りサープラにお邪魔した時、ふと店内に貼ってあるポスターが目に入りました。
「交流会、大会、やりませんか?」
(※原文覚えてないので後日更新します)

このような情勢の中でオフライン大会はほぼ行われなくなり、日頃の練習の成果を披露する場所はどんどん減っていきました。
また、BEMANI PRO LEAGUE(以下BPL)の開催も控えています。
そこで、私は思いました。
「EX-SCOREでの勝負、実際に一発勝負でやるとどうなるんだろう?」

大会に出たことがある人はわかると思いますが、普段との環境の違い、緊張などが影響し、基本的に一発勝負の場では自己ベストと同じ水準のスコアを出すことはできません。
判定幅の広い通常スコアでは比較的スコアを安定させることができましたが、判定の狭いEX-SCOREでは試合展開がどうなるか、想像がつきませんでした。
これはもう、やってみるしかありません!

思い立ったが吉日、大会の企画書を作成し、大会の開催についてサープラの店長に相談を持ち掛けました。
大変ありがたいことに、店長は二つ返事で大会の開催を了承してくださり、OZ浜松大会の企画がスタートしたのです。

大会開催までのハードル

しかし、大会を開くにあたっては、場所以外にもいくつかハードルがありました。

具体的なルールは?

ルールは、既に行われているBPLのBeatmania IIDX部門を参考にし、チーム戦で行うこととしました。
当時、SOUND VOLTEX部門のルールは公開されていなかったため、EX-SCOREで戦うならばLV19、LV20ではなくもう少し低い難易度にもフォーカスが当たるであろうと考え、LV16~LV18と若干控えめな難易度での対戦とすることにしました。
尚、後日発表されたBPLのルールではLV16ではなくMEGAMIX BATTLEを使用することとなっておりました(これは本当に想定外で、度肝を抜かれました)が、LV16でのCRITICAL1つで左右される戦いも見てみたいと思い、そのままとしました。

当日の具体的な流れは?

ルールが決まると、次に問題となってくるのは大会当日の内容です。

大会の時間は何時間とするのか?

参加者の皆様は遠方からの参戦が想定されました。そうなると、大会が終わった後帰るための電車がない、では参加のハードルがかなり上がってしまいます。
そのため、20時終了をマストとし、その状態からできるだけ長い開催時間を確保することを目指した結果、12時~20時の開催となりました。
(※サープラの開店時間は11時です)

参加者は何人までOKとするのか?


参加可能数に制限を設けないと、人数が増えれば増えるほど全体の時間に対して予選が占める割合は増え、会場は密になってしまいます。
こちらに関しては店長と相談し、限界は20名だろう、ということで20名としました。

何試合できるのか?


BPLのルールでは1 VS 1の曲の投げ合いで、1戦あたり2曲プレーされることになります。
すると、どんなに頑張っても1戦あたり7分(エントリー + 2曲プレー + プレー終了)ほどかかります。
集計の時間、選手入れ替えの時間、選曲発表の時間を確保するため、1戦あたり最低12分を想定しました。
また、予選も同様の考え方をすると、2人あたり12分、2時間で20人が回せる想定となります。
残りは長く見積もっても6時間となり、余裕を持つと全体としては8試合程度が限界だろうと考えました。
結果として、リーグ戦で6試合、決勝戦で1〜2試合が行える計算になりました。

スコア集計は?

大会の流れが決まったところで、次に問題となってくるのはスコア集計の方法です。
スコア集計に時間がかかると、大会の進行に支障が生じ、時間内に大会を終わらせることができません。
こちらについてはExcelで事前に集計用のシートを用意し、当日入力するだけの状態にしておくことで対応しました。
また、各リザルトについては筐体1台につきスタッフが1名常駐し、リザルト撮影後すぐにLINEグループにアップロードすることで迅速な情報伝達を可能としました。
(これは他の大会でも使われている手法を使わせていただきました。先駆者の皆様、ありがとうございます。)

優勝賞品は?

折角なので優勝したチームには何かしら賞品を贈呈したいところです。
どうするか悩んでいたところ、なんとサープラには可愛いVtuberがいるではないですか!

Vtuberのサプラスちゃんに一目惚れした我々は、イラストレーターの未早さんにご相談し、ファングッズとしてアクリルキーホルダーを作成することにしました。
こうして生まれたグッズは、そのまま優勝賞品となりました。
(※優勝賞品用にはマントと冠をつけた優勝Verを用意いたしました!)

    イラストは名札にも使用させていただきました。
    サプラスちゃん、デフォルメVerも可愛い!

課題曲は?

最後は課題曲の選定です。
・予選課題曲について
LV16~18の大会ですので、中間に位置するLV17から2曲選ぶことにしました。
この時意識したのは、以下の3点です。

  1. BPM帯を分ける

  2. CHIPの数が多いものにする

  3. 事故が起きにくいものにする

1.については、選手によってBPM200などの速い譜面が得意な選手もいれば、BPM150程度のいわゆる中速と呼ばれるBPM帯が得意な選手もいます。
公平を期すため、BPM帯は分けることとしました。

2.については、予選は選手のS-CRITICALを出す力を見ることに重点を置くため、このようにさせていただきました。

3.については、事故が起きやすい楽曲にしてしまうと、選手の地力を見るという目的から離れてしまいます。そのため、できるだけ事故が起きにくいような楽曲とする必要がありました。

上記3点を満たすには、つまみがややこしくない、出張がないorあっても誘導がしっかりしている、BPMの変化がない、といった要素を満たす必要がありました。
これらを考慮した結果、私の頭にはTIEFSEE(EXH)とEGG(GRV)が降りてきました。
決して私が得意だからではありません。…たぶん。

・自選に使える課題曲について
EX-SCOREを出すための練習は通常スコアを出すための練習よりも多くの時間を必要とするため、大会で使用する楽曲を「そのレベル帯全て」にすると、ただの対策できていない曲の刺し合いになるのは目に見えています。
そこで楽曲を運営側でピックアップし、各レベル帯50曲程度に抑えることにしました。
選曲については、以下のような基準としました。
・そのレベル帯において、極端に難しすぎない(例:LV18では、有志によるPUC難易度表の18.8、18.9は避ける)
・楽曲に表示されているレーダーによってジャンル分けを行い、各ジャンルの曲数ができるだけ均等になるように選曲する
こちらについては、TRICKYなどもともと曲数が少ないものもあったため、
努力目標となりました。
・できるだけ新しめの曲を使用するようにする
今まで行われた大会で使われていないような楽曲による対戦シーンを実現するため、新しめの曲から選定しました。

こうして生まれた課題曲表が以下になります。

※一部の参加予定ユーザに課題曲の選定を手伝っていただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。

当日の運営の状況

11時開店、12時大会開始ということで、参加者のエントリーに使える時間は1時間しかありませんでした。
幸い、皆様遅れることもなく時間通りに来て下さり、時間通りに開始することができました。
予選は14時半まで、ドラフトを含めて15時終了を想定していましたが、14時前には終了し、14時にはドラフトが終了するなど、極めてスムーズに進行することができました。

予選スコア結果一覧。地方の店舗大会とは思えない、恐ろしいレベルの高さです

リーグ戦は14時半に開始し、17時半ごろに終了。1試合あたり30分(想定より10分弱早い)で進行し、こちらもかなりスムーズでした。
おかげでかなり時間に余裕ができ、3位決定戦を実施することができました。
比較的スムーズに進行した要因としては、以下が挙げられると思います。

  • 店舗大会を何度も開催した経験のある熟練スタッフが2名いた

  • 参加者も店舗大会の参加に慣れている人が多く、曲終了後のリザルト撮影時にすぐに筐体から遠ざかる、3曲目は即座にハード落ちするなど、進行しやすいように動いてくれた

  • 各対戦の選曲を手前の対戦が終わる前に決定し、対戦と対戦の間のインターバルを短くした

特にアツかった試合のピックアップ

すべての試合がアツかったといっても過言ではないのですが、その中でも特に個人的にアツかったと思う試合をピックアップして紹介します。
※見出しの選手名は敬称略とさせていただきます。

第一試合 中堅戦 楽曲:おどりましょうよ!ドラゴンさん(選曲者:PICOLTEX)

PICOLTEX選手がMAX-4を叩き出しました。
これは、当時全国5位程度にあたるスコアになります。
おどりましょうよ!ドラゴンさん~転生したらゲーム曲でした~(MXM)のCHIP数はなんと696というLV17としてはかなり多いものとなっています。
PICOLTEX選手にとって本大会での初戦であり、対戦相手は同じドラフト2位というとんでもない緊張が想定される中、出たCRITICALの数は4個です。4個って何個?
そもそもこの楽曲でMAX-5以内を出している人間はおそらく全国に10人もいないと思います。

このとんでもないスコアの被害者は私です。どうやって勝つんだよ。

第三試合 大将戦 楽曲:Defining Future (選曲者:LEON)

Defining Future(MXM)は楽曲のラストに難所があり、安定したスコアを出すことが難しい楽曲です。
LEON選手はこの楽曲をなんとMAX-6まで仕上げてきており、本番ではいくつかERRORは出してしまったものの、当日のCRITICALの数も16個とかなりの高水準でした。

一方、対戦相手のCH選手が出したスコアは自己ベスト-2のMAX-9個でした。
非常にレベルの高い一戦だったと言えるでしょう。

第四試合 先鋒戦 楽曲:スピーカーガール!(選曲者:PAPER.)

こちらはLV16ではありますが、BPM187でBT-Dを押さえながらのCBトリル、青つまみを回しながらのDCD、CBCといった16分の配置、FXを押さえながらの16分階段など、CRITICALを誘発しやすい譜面になっています。

そんな中で、WANIROU選手はMAX-9、PAPER.選手はMAX-10の高水準なスコアを叩き出し、1点差の大接戦となりました。

第四試合 大将戦 楽曲:JUNKIE FLAVOR(選曲者:BOMBGIRL)

この楽曲に苦戦させられた方も多いのではないでしょうか。
BPM240というとても速い状態で片手16分を延々と叩くことになるだけではなく、途中でBPMが半減し見た目上の難しさもある、精度の維持が極めて難しい譜面です。
癖だらけのこの譜面ですが、選曲者のBOMBGIRL選手は、自己ベストを12点更新してのMAX-27という非常に高いスコアを出しました。

CH選手は自己ベスト-11のMAX-20でした。なんで?

第五試合 大将戦 楽曲:αρχη(選曲者:MAGATORO)

αρχηはLONGが非常に複雑に配置されミスを誘発しやすいだけでなくリズムも複雑で、スコアを非常に出しにくい譜面になっています。
譜面の特性上ある程度の差がつくことが想定されましたが、
BOLL選手がMAX-32、MAGATORO選手がMAX-331点差の接戦となりました。
ぜひ、点差が表示された状態で見たい対戦でした。

3位決定戦 副将戦 planetarium(選曲者:PAPER.)

planetariumは要所要所にBPM180の16分縦連打が配置され、しっかりと対策をしていないとCRITICALを非常に誘発しやすい配置となっています。
PAPER.選手がMAX-32、KOMEI選手がMAX-331点差の接戦となりました。
お互いに自己ベストより若干落ちた点数となっており、本番一発勝負の恐ろしさを物語っています。

決勝戦 大将戦 楽曲:トマヨイ(選曲者:BOLL)

これについては言葉は何も要らないと思います。以下の動画をご覧ください。

予選、ドラフトの結果、リーグ戦以降の全試合のリザルトは以下のURLで公開中です。
ぜひご覧ください。


最後に

EX-SCOREでの対戦ではかなりの大差がつくことも想定していましたが、蓋を開けてみれば接戦に次ぐ接戦で、EX-SCOREという舞台においても白熱した競技シーンが展開されることがわかりました。
今後、EX-SCOREを利用した大会は増えていくと思います。それにつれて参加者のレベルも上がっていき、よりハイレベルな試合展開が見られるようになっていくでしょう。
もしそのきっかけの一端となったのであれば、これ以上に嬉しいことはありません。

大会の開催は大変なこともありましたが、参加者からの「参加して良かった」「良い経験になった」「楽しかった」等の感想を聞くとやってよかったな、と改めて感じました。
それでは、また第二回 OZ浜松大会でお会いしましょう。

謝辞

快く大会の開催を了承してくださった店長、開催日より前から会場を用意してくださった店員の皆様、大会について懇切丁寧に相談に乗って下さったACさん、イラストにご協力いただいた未早さん、名札のデザイン・印刷にご協力いただいた駄々子さん、当日のスコア集計を手伝ってくださったスタッフの皆様、参加してくださった・見学してくださった皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
今回の大会は一人の力では開催できず、皆様のご協力があってこそのものでした。本当にありがとうございました。

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