clubhouseの感想 by大学生

大学生つっても大学生ではあるけど大学生じゃないのは置いといて、まぁ20歳の現在の私から見たclubhouseの感想でも書こうかなと思う。

まず、やはり此処まで話題になった原因としては招待制に寄る焦らし(FOMO)を使ったのが効果的面だろう。
私も運良く現在関わっている大学生用SNSアプリのユニビーの代表植松君及びそのエンジニアメンバーに招待をしてもらった。現在スタートアップ界隈を勉強していて片足をつっこんでいる事もあり、主にスタートアップ界隈で盛り上がっていた比較的早い段階で私もアカウントを作成した。いうなれば、Twitterで連日トレンド入りをしているが丁度その2日前から現在に至るまで一連の流れを幸運にもこの目で見る事ができた。

さて、私がclubhouseについて書こうと思ったのは間違いなく”ここが良い”という記事が多いからだ。何処へ行っても何故か評価している記事が多く偏っていて、評価するだけでは問題が見えてこないので批判的な視点からclubhouseを見てみようと思う。

時間単位における情報密度

結論を言えば、時間単位における情報密度は格段に低いと感じる。clubhouseの良いところ(売り文句)としては、”文字起こしも保存も不可能な為、リアルタイムのみのぶっちゃけた話が聞ける”という点だ。

実際どうだったのか、と聞かれると個人の感想としては微妙である。

・内輪の話が多くオーディエンスはつまらない時がある(勿論モデレーターの技術にも寄るところはあるがコントロールが難しい)

・外部に漏らしてはいけない情報もある為結局薄い話になりがち

・自己紹介というか、皆んな自分の売り込みばかりする(簡単なプレゼンみたいな)

・明確に内容を決めすぎず台本もないのでその場その場で変化していくのは面白いかもしれないが、くだりがち。要はオーディエンスからしたら、結局何の話が聞けるんだろう?とメリットが分からない

・時間がめちゃくちゃ溶ける
一度始まると簡単に2、3時間溶けるので終わりの時間を決めないと恐ろしい事になる。話し手も聞き手も、これいつ終わるの?という不安に駆られる

・リアルタイムという響きはいいものの、入ってみてつまらなかったので部屋を変えた際、それも話の途中から入るので、何の話が全く分からない為そこもつまらなく感じる。


勿論モデレーターの進行能力によって改善される点も多いので、これから既に良いコンテンツを作りフォロワーを抱えている人達がどの様に工夫するのかが楽しみである。

纏めとして簡単に言えば現時点で情報収集としてclubhouseを使うには向いてないどころか辞めた方が良い。時間の無駄だ。

では次にもし起業家達がclubhouseを効果的に使うには、を考えてみる。

・既に何人も言っているが引き算のUIデザインが素晴らしく、体感だが他のアプリよりその人が連携しているTwitterやinstaまでダイレクトにバンバン飛ぶ。clubhouseでは自己紹介の欄こそあるもののその場で何者か、いうなればホンモノかニセモノかが分からないので他のSNSを確認しに行く。要するに少しでも目を引けばすぐ自分のコンテンツに引き込める点だ。
その為にはモデレーターになってこそなんぼだ。

・clubhouseはフォローしている人がどの部屋にいるかの通知や予定の通知がめちゃくちゃ多い。その点縦の繋がりを広げやすく人脈広げにはもってこいだろう。(今後活かせそうな人脈かはさて置いて)お互い共通に知っている人がいればオーディエンスであってもモデレーターとして採用されやすいのがポイントだ。憧れの人、尊敬する人がいるなら事前のTwitter告知等で話す内容を確認し質問を考えておく。そして積極的に挙手をし話し手に回れば、憧れている本人にかなり近づけるしその人の抱えるフォロワーにまで何者か知られる事になる。
此処で注意しておきたいのは、ただ人のフォロワーを利用する目的や目立ちたがりでそれをしても、オーディエンスにはダダ漏れで下手すればマイナスなイメージがこびりつく。

これまであくまで積極的にclubhouseを使う視点として書いてきたが消極的に使う視点、要するにただ楽しめれば良く普通のSNSコンテンツとして消費する視点からは全く別世界に映っているだろう。その点は私も気になるところではある;

肉声によるブランディング崩壊の可能性

何様だよ、と思うかもしれないが話し方や内容を聞いていると

“肩書は凄いのにこんなもんか”

と印象を受ける事がぶっちゃけ多い。

声はさて置き、主に話し方だがこんなにも人柄が出るんだなぁと改めて実感した。

さて此処で危惧すべき点だが、これまでネット上のみで完結するSNSのブランディングはとても簡単だった。内容が無くても、作った肩書やそれっぽい事をupしておけば”それっぽく”見えたのだ。だがclubhouseにおいては肉声が肝になる。従来のSNSと現実の間、くらいの距離感だ。

つまり、現実におけるその人が結構出る点だ。

これを見るにホンモノだけが残っていき、胡散臭いのはそこそこ淘汰される時が来るのでオーディエンスからすれば良い事かもしれない。
ただ、これまでのSNSによる人格及び一定の距離感の元で形成されていた”消費者による想像上の人格”が肉声や話し方によって良くも悪くもぶち壊される点はくれぐれも注意した方がいいと思う。YouTubeや短い動画などは設計された上で綺麗な部分だけを見せることが出来るが、リアルタイムというのは話の進め方や視野、知識量やその人在り方がモロに露呈するので怖いなぁと。

芸能人及び政治家の参入について

ここ数日で芸能人や政治家が参入しはじめているが、正直かなりリスキーだと思う。

まず政治家についてだがどうも現時点でメンバー偏っている点が少々気になるがさて置き、”政治家のclubhouseを聞いてるオレカッコいい”とか”一緒にclubhouseでモデレーターをしている俺カッコよくね?”みたいな危うさがある。

要するに充分に政治に詳しく多方面から全体像を見れる状況でないのに、”知名度のある政治家”に釣られ、学生代表やらで主に意識高い系の層が利用される点である。その意識高い系層が政治政策の中身を吟味せずに、取り入れようとしたり繋がっている自分に酔いしれてると知らないうちに計算された政治活動に加担している状況に陥る。


そして芸能人の参入についてだが、個人的にあまり興味がないせいかは知らないが距離感が近すぎて”芸能人”じゃない。[完]

あまり話す事もないが、まぁ個人的には印象が下がる一方だったかな。

最後に

書いていて思いの外文章が長くなったが、そろそろ最後にしようと思う。

さて、clubhouseによる新規ファン獲得はどうなのか___,という点だが正直難しいと思われる。なんせ既存のSNSで形成されたコミュニティとたいして変わらないからだ。
そこをclubhouse及び配信者がどう打破するかが気になる点ではある。

しかし憧れの人や好きな分野(私は宇宙関係など)で既に活躍している人の講演会に気軽に参加できる点は非常に魅力的だ。
中学生の頃から、いや現在でも講演会の場所が遠く参加を断念した講演会が沢山ある。収益化するにしてもオンラインで聞けるのはとても良い。

あの頃は憧れの世界に近づくのに必死だったが、clubhouseの登場でより近くなり情熱を絶やさないまま夢を追う事が出来る。そこが最大の魅力だと個人的に思う。

追記; 意外とニャンちゅう声のみの部屋とか、そういう”しょーもない”部屋が何気に結構面白かったりする。

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