アイドルの経費の範囲

相談者は、女性アイドル(10代後半)。年収は年俸契約で約400万円。
確定申告は所属事務所にも頼めるが、お金がかかるので去年は自分で税務署に赴いて、確定申告を行った。
しかし、経費の範囲については税務署からは明確な指導がなかったため、弊社に相談に来た。
<質問8つ>
Q.衣装代はどのあたりまで経費になるのか?
Q.仕事のために買った衣装をその後プライベートでも着ている場合は?
Q.筋肉マッサージは経費になるのか?
Q.交通費はたいてい事務所から支払われるが、事務所が払ってくれない交通費(深夜以外のタクシー等)はどうなる?
Q.国民健康保険料が高くなって困る
Q.コンタクトレンズ代は経費になるか?
Q.家賃は経費に入れられる?
Q.そのほか、認められそうな経費は?

(相談者が特定できないように書いております。実験的な段階ですので、今後値上げ、または消去するかもしれません)

※Q.は相談者の質問。A.税理士の回答。

Q.衣装代はどのあたりまで経費になるのか?

A.ステージ衣装は事務所から出るだろうが、握手会やラジオの公開イベントなど自前の衣装を準備しなければならない場合は経費に入れていい。

Q.仕事のために買った衣装をその後プライベートでも着ている場合は?

A.このあたりがグレーな話になるのだが、衣装費の総額が高額な場合(100万円以上)は、一部を「自己否認」しておくのも安全策として有効。25%または50%を経費不算入にしておくとか。  仮に年収が400万円で衣装費が200万円もある場合は、「それは事業としておかしくないか?」という話にはなる。

Q.筋肉マッサージは経費になるのか?

A.昨今のアイドルは激しいダンスが多いので、そのためのマッサージは直接的に必要な経費として認められる。癒しのためのマッサージなら認められない。

Q.交通費はたいてい事務所から支払われるが、事務所が払ってくれない交通費(深夜以外のタクシー等)はどうなる?

A.仕事のための移動、仕事からの帰りなら経費に入れて構わない。一般の人から顔を指される可能性もあるので、タクシーであっても合理性があり問題ない。

Q.国民健康保険料が高くなって困る

A.芸能人健保(東京芸能人国民健康保険組合)も検討してみては。安くなるかどうかはケースバイケースだが、シミュレーションはするべき。芸能人健保には紹介者も必要だが、それは弊社で用意してもいい。

Q.コンタクトレンズ代は経費になるか?

A.視力のためのコンタクトレンズならダメだが、ファッションとしてのカラーレンズなら衣装費として計上してもいい。

Q.家賃は経費に入れられる?

A.自宅の一室が衣装の保管部屋になっていたり、振り付けの練習をするための場所になっていたら経費に入れられる。もちろん全額ではなく、面積比や時間比になるのだが、一般的には2部屋あって、1部屋をアイドル活動のために使っているのなら、50%を経費に入れていてもそれほど問題にはならないことが多い(ただし一人暮らしの場合に限るが)。

Q.そのほか、認められそうな経費は?

A.携帯電話代は通信費として経費に入れていい。
 映画代、ビデオやCDのレンタル代も資料費(または研究費)として経費に入れて構わない。アイドルには欠かせない素養ではないかと思う。

<収支内訳書>
年収 400万円

地代家賃 50万円
旅費交通費 40万円
通信費 10万円
接待交際費 20万円
消耗品費 10万円
美容費 30万円
衣装費 100万円
研究費 5万円

※ご質問がある場合、コメントやトーク・メールではキリがありませんので一切受け付けておりません。大変申し訳ありません。


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