杉田敏さんの『やさしいビジネス英語』

きょう(3月18日)の朝日新聞夕刊に、少し切なくも懐かしい話が1面のアタマに載っていた。

ゼッタイにやさしくはなかった、NHKラジオの語学番組『やさしいビジネス英語』(現・「実践ビジネス英語」)の講師、杉田敏さんが番組を降りられるという。

わたしは、1988年ごろから90年代にかけて、この番組にかじりついて聴こうとした。
1987年に始まった番組ということだからほんとうに初期のほうだったんだ。

毎月発行される300円ぐらいのテキストを毎号買い、テキストは読まずにストーリーを聴く。聴こうとして、聞くだけだった。が、そのあとで杉田さんの解説を聴いていくと、面白い話題の宝庫だった。こんなに価値の高い300円は他にない。

レインフォーレストという架空の会社を舞台に1年展開される物語では、「90年代のビジネスの現場では、環境問題に取り組まない企業は・・・」みたいな話や、「残してきていいのはフットプリント(足跡)だけである」のような徹底的に環境に配慮した旅行が商品になっていく話などが登場して勉強になった。

毎号、巻末にはテキストに登場した重要な単語が何百と載っているが、知らない単語がなんと多かったことか。
知らないが、この言葉を自分のものにしておけば役立つであろうことははっきりしていた。

けれど、それを覚える根性はなかった。
いつしか、番組とも遠ざかったしまったが、杉田さんのあの語り口は、今も大好きだ。

3月27日の放送を最後に34年にわたる番組が終了する。

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