フランス国鉄SNCF
アヴィニヨンからアルルへの切符は、この日の朝、アヴィニョン駅で往復を買った。往復で16ユーロ(2,000円)。片道20分の距離だからけっこう割高感がある。
フランス国鉄の駅の窓口は朝遅くに開け、夕方早く閉める(アルル駅では午前9時15分~午後4時30分)。閉まっている間は、行き先、出発時間、片道か往復か等々、たっぷりとタッチパネルに触れて入力しなければならないモニター画面の券売機が数台並んでいるのでそれを利用するほかない。
最初は画面にフランス語しか出ないとあきらめてしまっていたが、旅を続けているうちに英国のユニオン・ジャックの国旗をタッチすれば英語の画面に切り替わることに気づいた。いつも空いているのでわたしがまごついていてもだれにも迷惑をかけないことに気づいてからはチャレンジするようになった。
初チャレンジがこの日の朝だった。
さてと、画面を英語に切り替え、操作を始めようとしたところで、紙幣はダメ、硬貨のみと気づいた。
幸いホテルが近いのでさっと引き返し、フロントで両替してもらって駅にダッシュ。行き先を入力する段になってなにかでつまずいてリセット。時間が無くなってきたの近くにいた駅員さんの手助けを求めることに。しかし、わたしの「アルル」の発音が悪くて通じない。スペルを「A」「L」と言っていくと、全然違うエリアの駅名による行き先候補が表示。「アルル」の「A」の次は「L」ではなく「R」だったのだ。スペルはArles。
旅のガイドブック(「地球の歩き方」)をすぐに取り出したのだが、該当のページにはカタカナ表記しか出てこなかったがとっさには困ってしまった。カタカナと現地語の併記でないと困ることがある。ドタバタとしたが、列車には間に合った。
ただ、どの駅員さんも親切だ。ふだん、駅にだれもいなくても、列車が来る時間の1時間ぐらい前になるとどこからか何人かの駅員さんが出てきて駅構内を回っていて客の問い合わせやアシストに対応している。これはふだんからそうなのか、スト中だからかはわからない。
フランス国鉄にはいろいろ困らせながらも駅員さんや車掌さんの親切な対応にしのいできた間に、頭に焼き付いて離れなくなった音楽がある。それは、駅でアナウンスがある前に鳴る女性の歌声のようなチャイムである。
効果音というかほんの数秒という短い歌らしい。おしゃれというか、切ない音というか。さすがにフランス。その歌に続いて、女性の声でフランス語のアナウンスが続くが、フランス語で行き先という言葉は英語と同じdestinationであったので耳がピクッと反応し、それに続く地名を待った。
言葉で説明するより、お聞きください。
https://au-jardin-francais.com/jingle-sncf/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?