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『僕の同居人』(ノンフィクション)

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コロナの影響でバングラデシュから日本に一時帰国した友人との同居生活の日常。
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#3に詳細

不機嫌なキリン〜僕の同居人#6〜

奴との同居生活が始まってから数週間が経った。  同居したては、 奴の異常行動に僕の細胞が過剰に反応し、 何度も発作を起こしていた。 そんなアレルギー反応に苛まれる毎日を過ごしてきたわけだが、 不思議なことに体が奴の生命活動に適応して きた。 ようやく仕事が終わり、 途中コンビニに寄ってお気に入りの炭酸水を数本とタバコを購入。 「奴の分も」 と、いつもより多めに買う。  自宅マンションに辿り着けば、 鍵のかかっていない玄関を開け、 雑に脱ぎ捨てられた靴を一瞥した後

余命3年〜僕の同居人#7〜

奴との同居生活中、 僕は睡眠時に口テープが義務付けられた。   僕のいびきがうるさいという苦情は、 次第に正式な嘆願へと変わり、 いよいよ、 ルールという形で突きつけられた。 当然のように、  「会社から持ってきたから」  と、ただの紙テープを押し付けられた。 僕はそれを口に貼って寝る生活が始まったのだ。 たいてい朝には丸まってどこかに消滅するか、 口の中だ。  確かに僕のいびきはうるさい。   らしい。 たまに無呼吸にもなる。    らしい。 それで