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日本仕様のMacintosh Plusは存在したのか?
「地方開発者の私的Mac40年」の番外編です。
1986年と1987年の月刊アスキーが1冊ずつ出てきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1705649664717-HxDaSAvjfd.jpg?width=1200)
何かネタはないかと見ていたらアップルコンピュータジャパンのMacintosh Plusの広告でROMのサイズが256KBでJIS第1水準漢字を含むと書いてある!
AJの広告では ROM:256KB と書かれている
見開きカラーの広告です。
![](https://assets.st-note.com/img/1705722250041-s9D87nirIO.jpg?width=1200)
Plus本体写真の上にスペックが載っていますが、そこにROMのサイズが256KBでJIS第1水準漢字を含むと書いてあるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1705649703149-BAkLDR6gjF.jpg?width=1200)
外部フロッピーディスクドライブの写真横の『写真構成』に『Macintosh Plus漢字Talk』と書かれていて、そんなモデルがあったのか?とさらに疑問が膨らんだ。
PlusのROMは128KB
Macintosh PlusのROMはオリジナルMacintosh の64K ROMに対して128KBに倍増しました。
Appleの公式資料でも ROM Size は 128Kです。
1987年の広告でも256KB ROMと表記
![](https://assets.st-note.com/img/1705649758230-wvWuAyy2yS.jpg?width=1200)
キヤノン販売の『マックが、来た!』カラー見開き広告です。
全国の販売店リストで1ページ使っているところに時代を感じます。
![](https://assets.st-note.com/img/1705649795775-eI83pIcI4F.jpg?width=1200)
こちらのキヤノン販売の広告でも256KB ROM(システムソフト+JIS第1水準漢字)と書かれている。
余談ですがこのアスキーには記事として II と SEの発表が載っていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1705731663325-Hi1gjZH1Ho.jpg?width=1200)
ハード仕様を確認すると
Guide to the Macintosh Family Hardware を確認すると
![](https://assets.st-note.com/img/1705731953263-lAS8psmJ6p.jpg?width=1200)
ROMは128KBだが256KBに拡張可能となっている。
Macintosh Plus に掲載したブロックダイアグラムでは 64KB or 128KB となっているがこれは正しくない模様。
同じくGuide to the Macintosh Family Hardwareの ROM configurations には
The Macintosh Plus ROM sockets can handle 1 Mbit ROM ICs. A configuration of two 1 Mbit ROM ICs provides 256 KB of ROM.
と載っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1705732316943-Zq9ZqObptQ.jpg?width=1200)
Macintosh Plus は物理的に256KBのROMを搭載可能ではあったようだ。
漢字をROMで搭載の計画もあったのか?
ほとんどがMac仲間のfacebookで指摘があったのですが、PlusのROMを拡張して漢字フォントを搭載する計画があったのかもしれません。
漢字Talk開発の終盤でフロッピーディスクにフォント搭載でも行けるとなったのかも。
当時の漢字フォントの容量がどれくらいだったのかまったく覚えていませんが、ダイナマックとは違い800KBに倍増したフロッピーディスクに収まった、あるいはROMにすると何か不都合があったのかもしれません。
コストのかかるROMを拡張して漢字フォント搭載は不要になったが、広告を訂正するタイミングを逃したのか、情報が伝わらなかったのか。
そんなドラマがあったのかと想像します。
もちろん2年連続で広告に載せるぐらいなので実際に256KB ROMのPlusが出回っていた可能性もあります。
日本仕様の256KB ROMのPlusは実在したのか?
上記ふたつの広告の表記は間違いの可能性が高いと思われます。
アップルコンピュータジャパンがスペックの間違った広告を出すのか?
キヤノン販売も大きな広告キャンペーンで正しくないスペックを載せるか?
の疑問は残りました。
当時表示に使っていた白黒二値16*16ドットの文字は1文字あたり無圧縮で32バイトです。
128KBあればJIS第1水準は十分収まります。
システムの128KBと合計256Kは辻褄が合います。
上記広告にある256KB ROMの日本版モデルがあったのかと、ちょっと検索した範囲では日本仕様のPlusはヒットしませんでした。
「漢字ROM」ではダイナマックの情報ばかり。
Appleの公式情報でも128Kとなっています。
私のアップグレードしたPlusのマニュアルにも128Kと書かれています。
ほとんどがMac仲間のfacebookでもこの話題をだしてみましたが、256KB ROMは間違いの可能性が高いとの見解ばかりです。
当時のマニュアルやカタログなどMacintosh PlusのROMサイズを確認できる資料をお持ちの方情報ください!
写真などを公開してもらえるとありがたいです。
今後も記事を増やすつもりです。 サポートしていただけると大変はげみになります。