SLEEP WALKと休む
本作品は、エイドリアン・トミネという米国の漫画家の短編集だ。本作品は、エイドリアン・トミネの”オプティック・ナーヴ”というコミックシリーズの1巻から4巻を1つにまとめたものらしい。この短編集は16個のストーリーが全100ページで描かれている。1つのストーリー約6ページ前後の計算だ。
以下、全16話のタイトルと私が付けた一言概要を見ていきたい。
第1話:Sleep Walk 元彼女に未練がある男のある誕生日の話
第2話:Echo AVE 向いのアパートを覗き見る話
第3話 Long Distance 遠距離恋愛の対処方法の話
第4話 Drop 落ちる話
第5話 Lunch Break 甘美なランチタイムを思い出す話
第6話 Summer Job 悪ガキ大学生の夏休みのバイトの話
第7話 THE CONNECTING THRED 見えない視線の話
第8話 Pink Frosting お祝いしたかっただけなのにな話
第9話 LAYOVER 飛行機に乗り遅れた話
第10話 SUPERMARKET 目が不自由な方への優しさな話
第11話 Hostage Situation 注意できない葛藤の話
第12話 DYRAN&DONOVAN 親子でコミック展示会に行く話
第13話 Unfaded 色褪せる物と色褪せない記憶の話
第14話 SIX DAY COLD ひどい風邪引いた時の話
第15話 Fourth Of July 夫婦喧嘩の合間の出来事の話
第16話 HAZEL EYES タラのある晩の話
全編、会話が少なく、独白のようなものが続く場面もある。そういう意味では、漫画であるし、ある意味、絵付きの小説でもあるように感じた。いずれの話もなんとなく意味がありそうで、意味がなさそうな話。映画でいうとジャームッシュの初期の映画のようなゆったりとした雰囲気のストリーばかりですごく良い。
最後に以下に何枚か絵の雰囲気が分かるものを引用しよう。
見ていただくと分かるように、作品によって微妙に絵柄が違う。話の雰囲気に合わせて変えているのか、作品ごとに発表時期が違うために違うのか。一番上の絵柄は、RAWっぽい線の太さのような気もする。真ん中はすごいこなれたイラストだ。一番下の絵柄も独特で興味深い。
エイドリアン・トミネは、間違いなく現代米国の漫画で要チェックな漫画家の1人だと思う。他の作品も今後取り上げていきたい。
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