大手町〜明治神宮前(原宿)の電車日記

千代田線はとにかくダメな路線である。すぐ遅延するし、湿度も温度も常に不愉快と最悪の間を行き来している。間に合う時間の電車に乗ったのに肝心の千代田線が遅れているから間に合わなかったなんてことは日常茶飯事だ。緑色が好きな僕をして、どうしても愛せないもの、それが千代田線なのである。
そんな千代田線のいいところをいくつか挙げるとするなら、比較的治安の良いところと、わりかし空いていることが多いところだろうか。朝はもちろん通勤ラッシュのせいですし詰め状態だが、それ以外の時間帯で座れなかったことはほとんどない。止まる駅が会社の多い箇所であることと、そもそも僕が終電だったり中途半端な時間に乗っているからだろうか。梅ヶ丘駅は遠くて最悪だが、そこだけは大学生の特権を享受できているようである。くわえて、前述のことからサラリーマンや、ランチに洒落込むマダムの方々が多いことから、他と比べて闘争心に煮えたぎっている人間が少なく、常識的な感性を持っている人が多い。表面的な不愉快さゆえに、本質的な快適さを有しているのだろうか。千代田線が最悪でよかったと思うばかりである。
日比谷、赤坂、乃木坂など有名な名前の駅名を通過するものの、それらに降りる用事がほとんどない。それこそ大人にならないと千代田線を有効活用できないのだろう。子供がおせちを好きになれないように、大学生がモンスターを常飲するように、千代田線を千代田線として愛するには、まだまだオトナとしての経験値が足りないようだ。
あとこれは偏見というか体感だが、千代田線はなんとなくスキンヘッド外国人をよく見かけるような気がする。なぜ外人は禿げてもそれが様になるのだろうか。最近自分が禿げる夢をよく見るのだが、その姿は見るに堪えない。どうか若ハゲは勘弁してもらいたいものである。

目的の駅に着いた、原宿である。ちょうど席を立つと、向かいに座っていたスキンヘッド外国人も立ち上がった。毛量は僕の方が間違いなくあるのに、カッコよさはどう考えてもスキンヘッド外国人の方が多い。とはいえ今さらそんなことに落ち込むほどの矜持は持ち合わせていなかった。

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