リリース直前なので学マスを復習してみる

凄い作品になりそうで今から楽しみです。


0.学園アイドルマスターとは

学園アイドルマスターは、2024年3月5日に発表されたアイドルマスターシリーズ最新作です。2018年に始動したシャイニーカラーズに次ぐ6ブランド目のアイマスシリーズのブランドとなります。

現在アプリゲームの事前登録中、2024年5月16日のリリースが予定されています。

学園アイドルマスターには、今までのアイマスが踏み込んでこなかった挑戦や施策が非常に多く見られます。今回はそんな話をしてみようと思います。

1.とりあえず動画を見てみよう

とりあえず最初に紹介動画を見てみましょう。

時間のある人は発表会のアーカイブも見ておくと良いと思います。

どうでしょうか。色々と感想が出てきたのではないでしょうか。
私も色々と気になった部分や驚いた部分が出てきたので、書いていこうと思います。

2.映像が綺麗&よく動く

まず真っ先に感じたのは映像がとても綺麗だなという点。
ゲームの制作を担当するのはQualiArts。
同社が開発を行うIDOLY PRIDEはライブシーンの表現力が高いことで知られてます。
なおQualiArtsはサイバーエージェント子会社であり、アイマスではデレステ以来のCAとの繋がりが出来たことになります。(ゲーム以外だとシンデレラガールズ U149アニメがCygames Pictures制作。)

さてアイマスといえばやはり重要なのはライブのシーン。現在公開されている映像だけでもかなりのこだわりを感じられることができます。

例えば…

こんなシーンとか…

顔や髪の質感はとても綺麗

このシーンとか…

サイリウムが一定の動きや同じ方向を向いていないって地味に大事

このシーンとか

銀テープが飛び出る演出もある

こんなシーンとか…

ジャンプのモーションもしっかりと

ここのシーンとか…
※アイマスのリアルライブではジャンプは禁止です

楽曲に合わせて観客がジャンプする演出、ハート型のサイリウムも良い

このシーンとか…

長い髪も激しく荒ぶったり、酷く貫通を起こしていない

こんなシーンも

手持ちマイクもあり
光の演出が綺麗

こんなシーンとか…

ステージ上のカメラへアピール

ここも…

水や水滴の演出もこだわってるいる

何気ないシーンも

レンズフレアもしっかり再現

こんなシーンも

クレーンカメラやうちわも表現

公開されている9人のアイドルからそれぞれのライブシーンを出してみました。
ライブシーンはカメラワークや光の演出、非常によく動くアイドルのモーションなど…本当に細部まで作りこまれており、限りなく現実のアイマスライブに近づけようと頑張っているのがよくわかります。

このライブシーンがリアルタイムでレンダリングされているという点もなかなか驚きです。(衣装変更や髪型変更ができるという発言があり)

学マスではソロに重点が置かれているため、ライブシーンも現状ではソロ歌唱のみと明言されています。それもそのはず、アイドル1人に用いられている3Dモデルのポリゴン数は60,000。1人の演出にリソースを割いているということでしょう。

比較対象としてミリシタのポリゴン数を挙げると、あちらは1人につき10,000程度と過去の講演から明らかになっています。
※ミリシタでは39人分のモデルを動かすライブシーンも存在しますが、あちらは演出がある程度抑えめなため、単純なポリゴン数の合計では比較はできない(多分?)と思われます。

ポリゴン数を増やすことでより自然な体形や髪型、動きなどを再現し、演出もリッチに表現する。そう考えるとソロのライブもまあ納得できる気がします。

3.名前をシンプルにした狙い

今までのアイマスは「THE IDOLM@STER ○○○○」といった名前で統一されていたのですが、学マスはそこを思い切って一新し「学園アイドルマスター」というシンプルな名前で打ち出してきました。

これには、今までにアイマスに触れたことのない人にも触れやすいように分かりやすい名前にしたとの事です。
確かに横文字が並ぶよりも、舞台である「学園」+「アイドルマスター」とすれば一発で世界観が分かりますね。

4.舞台を芸能プロダクションから学園にした

これも既存ブランドとの大きな違いですね。今までのアイマスといえば、765プロや283プロなど芸能プロダクションが舞台でしたが、学マスは名前の通り「学園」を舞台としています。

学マスのテーマは「成長」らしく、そのテーマを生かせる舞台が学園であったとのこと。
さらに、誰しもが通ったであろう学生時代をテーマにすることで話を分かりやすくするという狙いもありそうです。

――『アイドルマスター』シリーズの新ブランドの舞台として、「学園」を選んだ理由を教えてください。

小美野:今回、プロデューサーさんたちに「アイドル一人ひとりに本気で向き合いたい」「彼女たちを育てていきたい」と感じてもらうために必要なのは、彼女たちの成長過程をしっかり描くことだと思ったんです。

そこで、多くの方が共感しやすく、かつ成長を描きやすい、「学園」を舞台にすると決めました。

『アイドルマスター』シリーズ完全新作『学園アイドルマスター』とは?小美野P×伏見つかさ先生が描く、個性豊かな“問題児”たちの成長物語 | ファンファーレ

5.アイドルの人数を少な目の9人にした

昨今のアイマスといえば、200名近くの人数を誇るシンデレラガールズや、52名のアイドルが所属する765プロなど比較的多めの人数が登場していましたが、学マスはここをあえて9名という少ない人数で打ち出してきました。これは初代765ASの10人よりも少ない人数です。

個人的には間違いなく人数は少ない方が良いと感じています。人数が少ないことによって、頻繁にアイドルにスポットが当たるようになりアイドルの人物像がより鮮明になるからです。これは多くの作品において実証されてきている事実です。

5.既存の赤という概念を取り払う

各ブランドを代表するアイドル3人は赤・青・黄がベースのアイドルカラーが振り分けられることが多いため、アイドルマスターでは信号機と呼ばれています。
その中でも「赤」は各ブランドの主人公格に当たるアイドルとされています。詳しくはニコニコ大百科のページにて。

赤は基本的にブランドの看板的な役割を持つため、キャラクターの性格も明るく前向きで素直な子として描かれることが多く、ビジュアルも派手さは抑えめに描かれることが多いというのが特徴でした。

さて学マスはというと、その概念を取っ払ってしまったわけですね。

本作の「赤」である「花海 咲季」も前情報の段階では明るく前向きな子のように見えるのですが、勝ち気で負けず嫌いという性格は今までの赤には無かった個性だと思います。

妹がいるというのも赤の系譜では初の設定でしょうか。

「花海 佑芽」は咲季のライバルとして登場するアイドルなのですが、実は初期の段階ではこちらがセンターの予定であったことがインタビューで語られています。

――『学マス』の制作において、お二人の間で特に印象的だった出来事があれば教えてください。

伏見:当初センター(主人公的な位置付け)として考えていたアイドルと、そのライバル的な立ち位置に据えていたアイドルを入れ換えたことですね。

小美野:そうですね。

伏見:この二人は姉妹なんです。センターとして準備していたのは、元気で明るい王道アイドル。対してライバルは、物語の最後に立ちはだかる敵に相応しい、とてもかっこいいアイドルでした。

そんな二人のアイドルを見た小美野さんから、「この二人の立ち位置を入れ換えましょう」と提案をいただいたんです。打ち合わせをした結果、とても面白くなりそうでしたので、キャラクターの設定を調整し、ライバルをセンターに、元のセンターをライバルにすることが決まりました。

『アイドルマスター』シリーズ完全新作『学園アイドルマスター』とは?小美野P×伏見つかさ先生が描く、個性豊かな“問題児”たちの成長物語 | ファンファーレ

何も知らない状態でどちらがセンターか尋ねられたら、私なら確かに佑芽の方がセンターらしいって答えてしまうかもしれないなと。

これは紹介PVや説明文からの予想なのですが、咲季のテーマになっているのは「伸び悩み・スランプ」の類ではないでしょうか。

入学試験首席の新入生。勝ち気で負けず嫌いな元アスリート。幼少時から物覚えが良く、なにをやらせても上手にこなす神童だった。妹の花海佑芽とは大の仲良しで、様々なスポーツで競い合ってきたライバル同士でもある。佑芽の才能を誰よりも高く評価し、恐れている。

花海 咲季 | 学園アイドルマスター(学マス)|君と出会い、夢に翔ける

これに対する佑芽の紹介文はというと、

補欠入学の新入生。元気いっぱい、身体能力抜群の元アスリート。 姉である咲季のことが大大大大大好きで、心から尊敬し、ライバル視し、最大の目標としている。 咲季の献身的なサポートによって、アイドルの才能を開花させていく。

花海 佑芽 | 学園アイドルマスター(学マス)|君と出会い、夢に翔ける

アイドルの才能が開花しそうな佑芽と、追い抜かれそうになることに対する危機感を覚える咲季…と考えると中々に面白そうな物語が見られそうな気がします。

「既にある程度の才能を持ち合わせている」という点は、「才能を開花させていく部分を描いている」既存の赤とは真逆の方向性ですよね。

これらの点を総合した結果、咲季は全く新しい赤の系譜を見せてくれるアイドルとして成っていると感じます。

6.クリエイターへのこだわり

制作発表会の配信を見ていて「おっ」と感じたのは、制作に関わるクリエイターを全面に押し出しているという点でした。

既存のアイマスでシナリオライターやキャラクターデザインの担当者が名前として出ることは珍しく、これはなかなか斬新だと感じました。
最近は裏方と呼ばれるライターやコンポーサー目的でコンテンツに触れる人も増えてきているため、これは良い傾向だと思います。

シナリオチームにはライトノベル作家から「伏見 つかさ」先生、「志瑞 祐」先生、「雨宮 和希」先生の3名が参画。伏見つかさ先生はキャラクター設定も担当とのこと。

キャラクターデザインにはイラストレーターの「南野 あき」さんと、「へちま」さんが担当されています。

7.楽曲への熱の入れ方が尋常じゃない

本作に楽曲提供を行うコンポーサーの第1弾として以下の方々がラインナップされています。

いや端的に言ってよくこれだけのメンバーを集められたなと思いました。
アイマスではおなじみの佐藤 貴文さんを始め、兼松 衆さんや渡辺 翔さんといった第一線級で活躍されているコンポーサーの方々から、長谷川白紙さんや美波さんといった新進気鋭の方々まで幅広く集結しています。
佐藤さんとHoney Worksさん以外は全員アイマスへの楽曲初提供というのも、目新しさを感じられて良いですね。

楽曲レーベルをバンダイナムコエンターテインメント内製の音楽レーベルである「ASOBINOTES」にしたのも新たな挑戦と言えるかもしれません。

ミリオンライブ!以降のアイマスではLantisが楽曲の制作を行っていました。LantisはバンナムHDの子会社であるバンダイナムコミュージックライブのレコードレーベル。
今までもグループ企業間での楽曲制作であり、近い距離間での制作が行われていましたが、BNEIの内製になったことにより更に緊密な連携が取れるようになったと思われます。

楽曲のサブスク配信も決定しています。学マスリリース日の5/16に楽曲もサブスク解禁が予定されています。

更に楽曲と共にMusic Videoも作っちゃってます。このMVが本当に素晴らしい出来なので、見てない方がいればぜひご覧いただきたい。

楽曲のMVは学マス専用のYouTubeチャンネルで公開されています。専用チャンネルが開設されたのも地味にアイマスでは学マスが初めて。

特にFighting My Wayと Luna say maybeは既に50万回以上再生されており、反響の高さを窺えます。

こういったMVの制作はアイマスでは非常に珍しいことなので、今後もぜひ続けてほしい施策ですね。

8.その他多数の仕掛けと施策

その他色々な仕掛けや施策が学園アイドルマスターでは行われています。

アイマスとして初のDiscordサーバーが開設されていたり…

2023年から紫雲清夏のInstagramが仕込まれていたり…

ゲームリリース前なのに既にライブ開催が決定していたり…

週刊少年チャンピオンでコミカライズ連載が決定していたり…

他にも色々とキャンペーンを実施

その他コラボなども多数…


とにかく今までのアイマスでは考えられないほど多くのプロモーション展開が行われています。
過去にヒットしたゲームやアニメを見てみると、やはり初動のプロモーションが成功して話題になっているケースが多く感じます。ここにリソースを割くのは正しい判断だと個人的には思います。

9.まとめ?

リリース直前までの動きを見ていて感じたのは、やはりプロモーションに全力を挙げているという点でしょうか。

過去のアイマスを見ていると、いい作品を作っているのに認知度が不足しているために話題にならない…という例を多く見てきましたし、経験もしてきました。
それだけにこの力の入れ様を見るとこちらも期待せざるを得ません。

それから多くの「初」を達成しているというのも気になるところですね。
アイマスとして初の「学園が舞台」
アイマスとして初の「○○アイドルマスターというブランド名」
アイマスとして初の「Discordサーバー開設」
などなど…目新しい要素が多いのも学マスの特徴と言えるかもしれません。

リリースまであと数日。今後の展開も非常に楽しみです。


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