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特に意味のない文章020

 記念すべき20回目となる、特に意味のない文章だ。特に意味のない文章なのに20回も続いている、特に意味もないのに……
さて、今回選んだ写真は、これは、あれか、オオイヌノフグリだな。オオイヌノフグリはシソ目オオバコ科の植物だったはず。イヌノフグリという同じ仲間の植物があり、これよりも大きい為「オオイヌノフグリ」という名前になったそうだ。
 なお名前の由来は「犬の陰嚢」であり、これはイヌノフグリの果実が、その、下品なんですけどね、形状が犬のタマタマに偶々そっくりという、たまったもんではない理由で賜った名前の様だ。アパァム!!タマァ!!タマもってこい!!
 今回はそうだな、何の話にしようか……うーん、そうだ、20回目記念という事で、仕事がウンチだったうえに、近々離職することになった話にするか!20回記念とは一体……何も記念的な話ではない。ていうか珍しくも愚痴の回である。なるべく楽しく読めるようにはしようと思う。

 恐らく20回目まで読んでいるであろう、物好きな読者達は既に知っているだろうが筆者はデザイン業の人である。でざいなーというやつだ。つよそう!で、デザイン業っていうのは、会社によって多少のルールが異なるものだとは思うが、概ね大体同じ流れで進むことが多い……数社渡ってきたので多分そうだと言える、多分……メイビー……きっと、うん……手順は以下の通りだと思う。

1.打ち合わせで方向性を決め、指示書を作る
2.指示書からラフ案の制作
3.本格的なデザイン制作開始(場合により2に戻る)
4.校正、修正(完了するまで3と4を繰り返す)
5.入稿、またはテストサーバーにアップロード
6.カンプチェック、または先方確認(問題があれば5に戻る)
7.納品、または本サーバーにアップロード

 うむ、大体、本当に大体だがこんな感じだと思う。もちろん打ち合わせの前に「見積」だとか、そういったものは発生している。内容としてはだいぶ割愛しているが、概ねこんなものだろう。
 さて、今所属している会社なのだが、指示書・ラフが基本存在していない。おっといきなりロケットスタートで読んでいる人を置いて行ってしまったかな。突然のアッパーカットでノックダウンされないよう、話についてくるんだ!
 更に驚くべきことに、校正も存在していない。早くも膝にクるレベルだ、もうガクガクしてくるだろう、筆者は本当に何を言っているんだろうな、デザイン業務の重要項目である指示書・ラフ案」と「校正」が存在しないのだ。

わけがわからんな。

 ここまで読んでいる人ならば何となく想像がつくだろう。校正が無いのだから、一般的にミスを未然に防ぐための「チェックシート」なんてものもない。勿論、指示書が存在しないので「ヒアリングシート」という、プログラマーで言うところの「仕様書」にあたる骨組みすら欠片も存在していない。はっはっは、なんだ、何が起こっている、どういう仕組みなのだ……?

 全く持って意味が分からなくなるだろう。筆者は一体何を元にデザインを作り、成果物を確認するのか……その真相を確かめるべく、我々はアマゾン奥地にある会社に向かった。
 まず、指示書なんてものはない、営業兼ディレクターにあたる人がなんかどっかで話を付けて、メモ帳に手書きでサラッと書いた、なんだこれは……どれが重要な情報だ、精査されていないぞ、なんだ、この横にある文字は……丸で囲っているが必要なのか?え?要らない?じゃあ消そうよ……みたいな感じの情報の樹海からスタートしている。
 当たり前だがこれは指示書ではない、必要な情報と不必要な情報が精査されず、煩雑に入り乱れ、水場の近くで立ち上がるユスリカの蚊柱の如く混沌を極めた何かである。ここからいきなりラフではなく本デザイン作成する事を大体強いられる。

できなかぁ~無いが、もうちょい地に足つけて進めようよ?

 もちろん作業効率は極端に下がる。この情報必要?要らない?不要?そう?え?こっちのちっさい、なにこれ、鳥の糞みたいな読めないの、これ要るの?あっそう……要るの……みたいなことを毎度繰り返すことになる。そして、いざものが出来上がると……

「指示と違う!」

そりゃぁ……そうなるわ……

 うーん、地獄。地獄の沙汰は地上に存在していた。そして仕上がりが見えてくると、今度は校正が存在しない弊害が発生する。当たり前である、校正というものが概念的に存在しない、または重要性が分からない職場なので……予期せぬ単純なミスが大量に発生することになる。
 通常こういうデザイン業務では「チェックシート」と呼ばれるようなものが校正の際に使われると思う。この「チェックシート」はその会社におけるノウハウであり、新人が来た際「うちの会社、過去にこういうミスがあって、トラブルになったりしたので、特に気を付けましょう」という指南書の一種にもなる、重要な情報源のひとつだ。
 もちろん、チェックシートを残すことで「なるほど、このミスは避けよう」という意識が発生する。なので、類似したミスは大幅に減る傾向がある。また、チェックシートには「この項目は確認した」という事実確認も兼ねており、校正途中で別の急ぎの作業が発生し、中断されても「ああ、そうそう、文字情報の校正は済んだので、次は色とか配置の確認か」と、次の項目を忘れる事が無い。チェック漏れが減るのだ。
 基本的に人間の脳はこれらすべてのチェック項目を補完する事が出来ない。短期記憶は精々5-9個と言われているので、当たり前である。
 で、この、チェックシートが存在しないという事は、どこをチェックしたのか、していないのかが分からなくなる。どうなるかというと、そりゃあもちろん。

意味不明なミスが多発する

 はっはっは、当たり前である、自明の理である。脳内に1ヘクタールのホワイトボードを持っているノイマンならまだしも、我々凡人は精々IQ110-120行けばいい方。会社にもよるが、大体10~20項目あるチェックを全て常に問題なく把握できるはずが無いのである。
 筆者はもちろん「いやぁ~無理っすよ、チェックシート作りましょうよ」と提案しているし、なんなら一度チェックシートのひな型を作り、提出までしているが。

ディレクター
「こんなものは要らない」
チェックシートをチェックする作業が発生する

と一蹴され、無かったことにされる。ほぉぅ……うん?なるほど??まあ、いいよ、うん、要らないっていうなら、まあいいよ、土日使って作ってきたんだけどなあ……要らないかぁ、そうかぁ……ほんとにぃ??いや、要ると思うよ?私もミスっちゃうし、君らも見えないところでいっぱいミスってるしさぁ……

すると約1年後、先輩からの一言
「なんでチェックシートとか作らないんですか?!」

怪「作ってたやろがい!!」

 最早とんでもない謂れのない罵倒である。作っていたが?というか、ディレクターと先輩方で、チェックシート作る作らない、此処の意見が個々に真っ二つ。いやいやいやいや、会社の方針ぐらい決めておこうよ、今までどうやって来たんだ本当に。先輩方はチェックシートは必要、ディレクターは不要と、最高に混沌を極めている。カオスだ。此処が煉獄なのか?
 しかし、中身を探ってみると先輩方の言うチェックシートは書類、PDF、ブラウザで見れる媒体、そのどれも存在しておらず「私の脳内にあるさ」という代物であった。

それじゃあ意味が……
意味がないんだよぉ~??

 ああ、正気か……正気なのか?全部、問題なく脳内に入っていると??えっとじゃあ、例えばここ、この「プログラマー」の表記あるじゃないですか、伸ばし棒(ーのこと)ついてる場合「プログラマー」と、付かない場合「プログラマ」、指示に表記ゆれがあるんですけど、どっちが優先されるんですか?

先輩方
「えっと、そこはプログラマーだよ」

「あ、ごめん、嘘ついたプログラマだったわ」

「ちがった、やっぱプログラマーで」


脳内に入って無ぇじゃねぇかぁ?!


 ど、動悸、動悸がする、息切れもだ、この怪文書マンが、気分が悪いだと?!はぁ、はぁ……や、やるじゃあねぇか……言ってくれるじゃぁない。ふ、ふふ、良い根性しているぜ……ところで、ヒアリングシートも使ってくれって言って渡したよね、あれどうなった……?

ディレクター
「それはこっちの仕事だから、そんな余計な事すんな、要らん」

怪「そっちは要らなくてもこっちは必要なんだよ?!」

 気が狂いそうだ、ほ、ほほ、ほほうほ、ウホウホ、ウッキーーッ!いかん、このままではアウストラロピテクスまで戻ってしまう、進化系統樹を遡ってしまう……!進化の遡上だ!!ははは、いや!!まだ戦える、俺は怪文書マン、ガキ大将!!

偉い人
「最近仕事少ないし、売り上げ厳しいから怪文書君!辞めてくれ!」

怪「はぁぁ~~~^^?????^^??ーーーッ??^^??」

 ほーーほおーーーあーーーー!ウキィ!!ウッキウッキー!!!ウキキキキー!ウッホウッホウッキーコロウッキー!!!ス!!ッキイーーーッ!!!コロコロ!!!スゥッキーーーー!!ウホウホ!!ジャングル!!ツヨイモノ!!イキノコル!!

はっ?!

余りの衝撃から我を失っていた……

 何を言っているのか分からないが、何が起こったのも分からない、とりあえず会社が割とピンチらしいので辞めてくれ、という事らしい。だが、あくまで話し合いの上での自己都合退社に持っていきたいようだ。うーん、そっち都合なんだから、会社都合にしないか、流石に……その、なんていうかさぁ……みたいな気持ちになっている。

 いやあ、なんというか中々、中々すごい会社だ……時々、適応障害みたいなものを起こして、発狂しかけていた日々があったのだが、それでも何とか食い下がり、やってきたものの、トドメの一撃が「辞めてくれないか」なのは中々えげつない。人の心とか無いんか?みたいな画像が脳裏をよぎっていく。

ということで、怪文書マンは転職活動に入った。

暫く、更新頻度は下がるかもしれない。

いや、むしろ上がるかもしれない。

どうなるかは分からないが……

何か動きがあれば書き記すだろう……


みんな、はたらいているかいしゃ
いごこちがいいなら、だいじにしような!!


おしまい。

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