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トラウマを作るのはよくないよって話。

ご無沙汰しております。kaialex22です。
コンピュータの前でレポートに追われながらキーボードを打ってると手がかじかんでつらくなる季節がやってきました。

さて、アドベントカレンダーをさやちぃ(@88cyi)さんのやりましょうというツイートを見たのであんたがたにて色々とやりたいことやらせてもらって書きたいこともあるのでこの機会にと登録させてもらいました。

タイトルとして「トラウマを作るのはよくないよって話。」で登録させてもらいましたが、そもそも自分はトラウマを作る予定はなかったため、タイトルとそれた話になってます。あまり細かいことは気にせず読んでいただければ幸いです。

なんだかんだいろいろ書いてたらとても長くなってしまいました。あと内容はかなり真面目で随筆チックです。(タイトルだけふざけててすいません)
内容は基本的に独立してますので、目次から興味のあるところだけ読んでもらえるとありがたいです。
6部構成になってます。ネタを読みたい人はどうぞ5へ。

1.初めての「あんたがた」

あんたがたを初めて知ったのはいつかといわれると、記憶として認知しているのはatgt2018栗煎だった。あの時にでた数独の問題(これで伝わってくれると嬉しい)はいまだによく覚えている。あそこまで難しくしても81マスであることに気づき、きれいに分割することができることに気づいてしまうという人類にあの頃大変感嘆を覚えたのが始まりである。

個人的な過去の話に遡るが昔から僕は算数だったり理科の問題を作るのは好きだった。(というか今でも好きである。) 
ただ、問題を作るのはよいが、だれもそれを解いてくれる人がいないのが一番の問題だったのである。今となってはそりゃ誰も解かないのも当然だと思うが、子供の頃の僕としては誰かに作った問題を解いてほしくてしょうがなかったんだと思ってる。
中学生のどこかで、謎解きを知った。そのころはまだ謎解きなんて言葉は全く流行っていなくて、まだ謎解きのよくある形式もなくSCRAPの問題は暗号解読チックで高難易度なものだった時期である。
そしてやっていくうちに自分でも作りたいという感情はやはりわくもので、それが謎を作成する入り口になったのだと思う。ただ、初期の頃は今の謎解きとは程遠くて、基本的に自作パズルばっかりであった。ただ、学校にパズル好きも謎解き好きもほぼおらず、クロスワード解いたり逆に作ったりを繰り返して友達に乏しい中高生活を送った。(まわりに一人だけ謎解きが好きで気の合う友人に恵まれたことだけが本当に奇跡なのだと振り返って思う。)

あんたがたを知ったのは僕が高校生~大学生付近のことである。
あんたがたはこのような僕にとって革新的だった。
作っても解いてくれる人がいないという1人ではどうしようもない壁をこのイベントは解決していたのである。そこには確かに作る人と解く人がいて、どちらも物好きだからこそ成り立ってる世界だった。それこそ僕が求めていた状況だった。

ただ、初めて知った頃は一般公募は行っていなかったため、あくまで解く側としてツイートをずっと追っていた。
転機は平成令和煎だった。あの煎が終わった後、そのとき初めて公募を行なっていたことを知った。
そして、2019栗煎である。このとき初めてエントリーをしたわけだが、このエントリーも自分で前もって見つけた訳ではなく、誘われたことによるものだった。もっと正しく言うと、誘われた訳ではなく、間違えて誘われたのである。

栗煎の募集の際にkomei(@komei)さんから、
「前、誘ってくださいって言ってませんでしたっけ」
って来たのである。僕はそんなこと言った記憶はなく、正しくは
epoch maker(@epoch__maker)氏だったらしいが、その間違いのおかげで逆にこれまで参加したいけど、どうやってすればいいのか分からなかった僕としては参加する大きな理由になったのである。

これが僕があんたがたに参加するに至った経緯だったりする。そしてやっぱり参加して思う。これがやりたかったのだと。

2.僕の思う「あんたがた」の匁

さて、あんたがたと言ったら大きく分けると2種類面白ポイントがあると僕は思っている。甜菜と勇者だ。ただ、ガムテを貼ったこともとったこともない僕は勇者についてはほぼ無知なので、ここはやはりあんたがたで出る問題、匁について書こうと思う。

あんたがたで出る問題はびっくりするほど多岐に渡る。誰しもが知ってるようなことから、本当にニッチと言えることまで、毎回どんな問題を見ても誰にでも何かしら新しい知識や技術、発見があると思う。もちろん、それは解く側の話だけではなく、GM側でも同じだったりする。
ちなみに、僕はあんたがたのデバッグで音ゲーについてアプリをインストールした結果、そのまま音ゲーにはまってしまったわけだったり。
あんたがたは全く知らない知識や技術を新たに得られる機会を提供してくれていると思うわけです。

だからこそ、この記事を読んでもらってる人には僕は言いたい。
"全く知らないジャンルが来たから誰かに任せてROMに回るのではなく、それを新たに知ってみるのもまた面白いんですよ”
実際、あんたがたの問題って、基本的に作問者が誰かに解いて欲しい、知って欲しいと思って作ったお手紙みたいなものだったりするのだと思う。だからこそ、それを自ら知ろうとして解き明かすあんたがたにGMはすごさを覚えるのだと思う。そしてそれがGM側の楽しみ方であったりもする。自分の問題が解かれたということは、自分の知って欲しいと思う気持ちが伝わったというわけですから。

こんなこと書いておいて言うのもなんだが、これまで何問か実際に僕も作問してきて、もしかすると気付いている人もいるかもしれないが、あんまり僕の作問は誰も知らなさそうなテーマなものを出そうとはしない。(実際、それをしてしまうと作問できる人に仕事が集中して大変だからという理由がある) どちらかというと、普遍的な参入しやすい誰でも知っていそうなテーマをかなり深くまで掘り下げた問題を出すことが好きである。僕の作問には必ずメインテーマと1~2個のサブテーマの2つを置いていて、それに則ってそのテーマから逸脱しないような問題を出すのが自分なりのあんたがたの作問に対する「美」だったりする。
(多種多様なものを使う問題を作らないだけで、そういう問題もまた好きである)
実際に例をあげるとわかりやすいと思うのであげると、
・サイゼリヤ(2019栗煎2匁)では、
"テーマ":"サイゼリヤ"、"サブテーマ":"文字種クイズ"
・スコラン(2020gw40匁)では、
"テーマ":"スコットランドヤード"、"サブテーマ":"実況動画、パズル"

ただ、スコランは少し反省していたりもする。スコランはボードゲームとしてかなり有名なほうの部類に個人的に位置していると思ってたが、蓋を開けてみるとそうでもなかった。
問題としては自分なりの美を詰め込んだきれいな形として出したつもりだが、中身のあまりの極悪さと作業性ゆえに脱落した人が多く出てしまったのは大変申し訳ない限りである。そして、解いてほしいという気持ちの強さ故の高難易度となってしまったのもよくなかったなぁと思う。
(言い訳させてもらうと、答えのきれいな導出方法が思いつかなかったのと、時間がコロナによって有り余っていたせいである)

しかし、確かに反省しているとはいったが、出したことを後悔しているわけではない。逆によく出せたなと振り返って思う。今となってはなんでこんな問題作れたのかがよくわからない。(そこは相方のHyu(@Hyu0369)
さんのいろいろな手助けとkomeiさんの地獄のデバッグの賜物であると思う)

多分このなぜできてしまったのかと不思議になる現象は死ぬまで解決することはないんだろうなぁと思ってたりする。

3.作問の中に出てくる甜菜

あんたがたの全ての問題において甜菜と呼ばれる人がいる。
これは、導線の薄い/または高難易度の閃きをして、問題解読を一挙に勧めた人に渡されるいわば称号みたいなものである。
甜菜の称号を得て最後のエンディングロールに自分の名前が乗ることは多くのあんたがたにおける目標だと思う。

ただ、ここではこの甜菜を意味するのではなくGM視点で見たGMの甜菜について話をしてしみようと思う。

作問をするときにもやはり甜菜がそこにはいて、その甜菜の発想によって問題の構造が成立している。

あんたがたは一般的な謎解き公演にあるような設定以外のものもかなり自由に作成することができるため、こんな設定、こんな発想があるのか!!と思えるようなギミックを考えるのが一つの楽しみである。
そして、実際そのようなギミックを考え付いたとき、プレイヤーの甜菜と同じように問題「作成者」の甜菜になれると思う

だから、僕はGM側に回ると甜菜になれないというのは間違っていると思ってる。甜菜を出すことのできる問題には甜菜が必要だからである。
実際、水平線のウミガメの全体戦を個人戦にするという発想は自分もすごい好きでかなりあのときは痺れた。あれを語るだけで何日か飯が食える気がする。

GM側に回って問題を作るときは、このような面白い発想を心掛けていきたいなといつも思っている。ただただ問題を解く、むずかしいものを解くのではなく、あんたがたらしいエンタメを生み出せるような問題を作りたいなぁと思ってる。実際、そのエンタメに付き合ってくれるあんたがたの反応を見るのがとても面白いのが動機だったりする。(その点でウミガメはエンタメとしてのあんたがたの良い見本だと個人的に思っていたりする。)

4.解く観点から見た僕

「頭のおかしい問題は作成する癖に、自分が関わっていない煎は解きませんよね?」

と言われたことがある。
実際あんまり解いていなかったりする。

僕は、解く側に行くときはよくROM専に回ってしまうことが多いというのが事実である。あんたがをやっていること自体にはさすがに気にはなるので問題をちょくちょく追っては、へぇ~~ってなる人である。

いや、解けるなら解きたい。ただ、謎解くのまじで下手っていう事実がある。やけに変に考えすぎちゃう。なので、完全にミスリードするというのがよくあるタイプだ。
なので、あんたがたでミスリードかも!!っていいながらコメントしていける人を本当に尊敬している。実際、解く側としてはそっちがありがたかったりするとは思う。実際、ミスリードじゃなくて正解の可能性があるはずだし。

ただ、なかなかその一歩が踏み出せない。僕はある意味スロースターターなところがあって、問題の意図を理解するのに他の人の数倍時間がかかる。なので、60分公演とかでストーリーもののやつはストーリーが一切頭に入れられない運命があってたいてい殺される。(成功するとしたら、それは他の人たちが甜菜である)

あんたがたも同じだ。問題の意図を理解し、とりかかろうとした頃にはもう誰かが終わってたりする。こういうことがよくあるので、全く進みがないときとかに考えてみることが多くなる。実際、全く進みがなくて詰まっているのは閃き問題の時の方が多いので、閃けない僕にとってみれば実質詰みであったりする。
なので、甜菜と勇者を観測しては、人類ってすごいなぁって思う人になるのが常である。

5.あんたがたスコランの歴史

さて、タイトルがああなので、この話をしないと「あのタイトルはなんだ!」ってお叱りがきそうに感じたので、ネタを書くことにする。

もしかすると、「あんたがたのスコラン」というテーマだけである程度歴史が語れるのではと思ったのでまとめてみたいと思う。(問題作成者としても義務に感じるのもあったりする)

一番最初の発端となった問題は言うまでもないと思うので、これについては知らない人のために#atgt2020gwの解説URLだけ置いておくことにする。

その後、開催されたのが、#atgm_2020という企画である。
これは、#atgt2020gwのパロの企画であり、実際にスコランもパロにしてもらった。僕が覚えている限りでスコランにかかわっていたのはこの2つだったと思う。(忘れてたら、だれか教えてくれれば追記します。逆に作成者だけどパロった記憶などないという方はすいません。)

問題画像を探すのが大変だったので、下にスプシのURLを貼っておきます。

・1つ目 #atgm_2020 25匁 「楽しいゲーム実況Part1」

これは言うまでもなく、タイトルからしてスコランのパロだった。スコランではなく、ニムトと呼ばれるボードゲームを使ったものだった。
そして、スコランと同じで真っ暗な動画を使ったもので、スコランは30分を超えるボドゲ実況を録画したものに対し、この動画はそれもなくまさかの感想戦だけという、スコランのあの動画よりもなぜ出した??って突っ込みをいれたくなるような動画だった。あの3分でよくあれほどの問題が完成したなと、パロって下さったfffさん(@fff_create)に拍手を送りたい。

・2つ目 #atgm_2020 27匁 「似せて辿って」

これはスコランのパロというより、スコランのパズルという部分をネタにした問題である。パズル比較をして、それを論文の形にまとめてくださった。僕はあの問題とても好きである。タイトルからして読みたくなるし、読んでて多いに笑わせてもらった。ある意味、僕にとっての反省文みたいなものだった。

さて、#atgm_2020のGM陣に聞いたところ、問題としては出てないが内部でこんなものもあったと見せてもらった。何かというと、スコランという単位を使った計算問題である。1スコラン(25時間36分)、どう考えても絶対使いにくい単位なんだよなぁと思いながら問題を読ませてもらった。誰が作ってくださったのかは知らないですが、すごい面白かったですとだけ伝えておきます。

さて、その後かなり最近#atgt2020miniが開催された。

ここでも、僕の知る限り多分スコランをパロにしたであろう問題が出された。

・3つ目 #atgt2020mini 3匁 「たのしいゲーム実況part7」

これは、ラッキーナンバーというボードゲームを使った、またも動画に何か異変が起こってしまってうまく解けなくなってしまったのでどうにかして解いてくださいという形式である。
僕も、そろそろスコランの「ミスで解けなくなってしまった」というネタを使った新たな問題はさすがに難しいだろうと思っていたところを覆されて、問題の形式を見た時は、3部で述べたGM側に見られる甜菜のわかりやすい例の1つだなと思った。
ちなみに、どんな問題だったかを簡潔にまとめると、
「動画がそもそも消えてしまったのですが、コメントが残っているので、なんとかして元の動画が何だったか想像してください」
というものである。

最初からスコラン形式のネタの遷移を見ると
1.「映像が録画できていませんでした」
2.「ゲームしている最中全体が録画できていませんでした」
3.「動画がそもそも消されました」
とどんどんバカになっていくのがとても良い。さすがに動画が消えちゃうと解けないのではと思っていたが、それをニコニコのコメントを使って解かせるという発想は甜菜だと思う。

さて、どんどんとバカ化が進んでいる問題だが、このあとどうなっていくのかが個人的にちょっと期待している部分である。
「動画が消されました」よりももっとバカの状態になったとき、果たして人類は解けるのか、そしてそれでも解けてしまうような問題を作るGM側の甜菜が現れるのかちょっと楽しみだ。

もしかすると、もうスコランのパロはでないかもしれないし、もしかすると、すぐ次に控える#atgt2020でそれを超えてくるようなものが出題されるかもしれない。どうなるかがわからないが、今後どのような発想、そしてネタが出てくるのか個人的には大いに楽しみにしている。(逆にネタがある方は今すぐ、GM側へ行って問題を作ってくれ)

パロはよくないことだという人もいるが、そのパロが新たに面白い世界へといざなってくれるのもまた事実だ。本人が自由にパロっても良いといった問題は実際パロってもよいと思う。(もちろん、それを否定するようなパロでないことを願う)

ちなみに、僕はどうぞ自由にパロって下さいと声を大にして言っておく。

6.まとめ

もう新たなネタがないのではないかといわれる謎解き界において、あんたがたは新たなネタが出やすい環境だと思う。

人間の暗黙的に隠された「当たり前」をぶち破ることができる問題を見ることができると、自分にとっても新しいアイデアがどんどんと構築できる。
そのアイデアが他の人へと送る手紙となり、それにより新しいアイデアが生まれる。どんどんと連鎖していくことで、まだまだネタはいくらでもできると思っている。

これを続けて行ったとき、いきつく先はどうなるのか、とても楽しみである。