行ってみたい場所のこと
このところ、かなり昔に、2、3の知人が同時期に口にしていたある場所か建物のことが、どういうわけか意識の中に浮かび始めました。
けれども、その場所の名前が思い出せない。
音のイントネーションは思い出せるのです、「フンニャーフニャフニャフニャフニャラ」という感じ、でも、具体的な語が浮かばない。
何か、ひっくり返るようなイメージ、「驚天動地」みたいな音の響き、それは思い浮かぶのですが、「驚天動地」とか「ひっくり返る」とかを検索しても、その言葉の意味の解説みたいなものしか出てこなくて…
ところが、その場所か建物を検索している間に、ちくま文庫の『二笑亭綺譚』の古本が比較的安価に売られているのを発見して購入しました。
ようやく手に入れたー(ニコニコ)という感じです。
結構高額な値段なつけられている時もあって、欲しいなぁと思いながらも入手していなかったのですが、ようやく手元に置くことができました。
その「謎の場所か建物」の話を聞いたのと同じ頃に、おそらく、二笑亭のことも知ったのだと思います。
僕の中では、両者はなんとなく繋がっている。
で、二笑亭の方から検索できないかな、なんて思っていたからなのですが。
二笑亭について著作をした最初の人は式場隆三郎。彼は、戦後の山下清のプロデューサーでもあった人です。
そういえば、昨年は山下清さんの展覧会にも行って、初めて「裸の大将」の本物の作品を観ました。
TVドラマの「裸の大将」はいっぱい観ていたのですが、御本人のホンモノの作品は、それまで観たことがありませんでした。
閑話休題。
その式場隆三郎が目をつけた二笑亭の本が届いた今日、突然ひらめいたキーワードをいくつか打ち込んで検索したら、「フンニャーフニャフニャフニャフニャラ」がヒットしました、「養老天命反転地」。
岐阜県にあるようです。
とりあえず、胸のつかえがとれたというか、ホッとしたというか、ともかくも、心安らかにはなりました。
でも。
「岐阜県かー、遠いなあ、とてもそこまで行く余裕はないなー」と。
なので、ここは、「いつか一度は行ってみたい場所リスト」に追加、です。
世界は狭くなったのかもしれません。願えばどこにでも行けるのかもしれません。
でも、実際には、自分がかつて幼稚園に通っていた場所や、小学校に通っていた場所や、中学校に通っていた場所に行くこともできません。
はるか地球の彼方、なんてことではないです。この日本列島の、それも、この本州の中の場所です。
地続きですし、道路も鉄路も繋がっています。でも、その上を走るにはそれなりのコストがかかる。
「この狭い日本」ですら、僕にとっては広い場所です。
「養老」であった場所も、
「天命」であった場所も、
「反転」てある場所も、
あります。
でも、通過してしまった場所には、もう戻ることはできないのですね。
残念で、淋しく感じますが、そうでしかありえないのでしょうね。
…でも、養老天命反転地、には、そのうち一度は行ってみたいと思います。
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