心をゴミ屋敷にしないための一つの方法~ビーイング・ダルマ アチャン・チャー~
ビーイング・ダルマは、アチャン・チヤーという、タイのとても有名な初期仏教の僧侶の教えをまとめた本。
覚えるほど、何度も読み返す価値のある本だと思う。
仏陀の教えをとても直接的な、感情的な言葉で語ってくれる、直球勝負の語り口。
スリランカの、同じく初期仏教の僧侶であるスマナサーラ長老は、たくさんのたとえ話で、論理的な説明をしてくれる。
スマナサーラ長老の説明を聞いたうえでこの本を読むと、いっそう心に響くのではないかと思う。
心もゴミ屋敷になる
私たちは、外界から刺激を受けて反応する。
そして、心の中にたくさんの欲望や怒りを作る。妄想する。
ゴミとは、この妄想のこと。
あれが欲しい、それも欲しい。あの人に好かれたい、上司に褒められたい、同僚に認められたい。
私に挨拶しない、あいつは許せない。私より上司に気に入られているあいつが許せない。私より先に昇進したあいつが許せない。
あれやこれやと、すべてがゴミ。
なぜ妄想がゴミなのか
妄想は、実はただの現象。心で一時的に生じている現象。
ずっと存在するものではなくて、とても不確かなもの。
大事にしても仕方がないもの。大事にする価値がないもの。
私たちの心は、何もないのが初期モード。
そこに、外からの刺激が与えられると、あれやこれやと妄想が生じる。ただそれだけ。
心をゴミ屋敷にしないために
外で起きていることは変えられない。
外で起きていることと自分の心で起こる現象を切り離す。
心で起こっている現象に気づいて、手放す。
これで心のゴミがなくなる。
しかし実は、欲があると妄想を手放せない。
手放せないものは重荷になる。どんどん重荷になる。ゴミがたまる。
そのことに気づいて、さっさと手放す。
とにもかくにも、自分の心を観察し、ゴミに気づいて、欲に気づいて手放す。
これが心をゴミ屋敷にしないためのたった一つの方法。
年末に向けて、心も大掃除しよう。
アチャン・チャー師匠、ありがとうございました!