美川隊員の恋/『ウルトラマンA』覚え書き(22)


第三話第四話に続く、三回目の美川のり子隊員回。中学生の頃から優等生のエリートで、頼もしいTACの母であり、同時に、なぜか常にお手製の小型爆弾やガス弾をアクセサリーにしている兵器マニアである美川隊員が、別の顔を見せる。

『ウルトラマンA』第22話/復讐鬼ヤプール

脚本=上原正三/監督=山際永三

冒頭、スカイパトロール中の北斗星司(高峰圭二)と南夕子(星光子)。「もう秋だなあ。星がきれいだ」と星空を眺めてつぶやく北斗に、「星司さんがそんな事を言うなんて、思ってもみなかったわ」「どうして?」「だって、デートに誘ってくれた事なんて、一度だってないじゃない?」。いつの間にか恋人同士になっていた2人。いわゆる恋愛フラグが、南夕子の感情表現として立ったのは第十一話だったが、それから十話ぶん、特に発展していたようにも見えなかった2人だったのだが……。

その北斗と南、隕石が地上に落下するのを目撃する。墜落した場所に向かうと、負傷者が倒れていて「人間が宇宙人になった」と証言。TAC基地でも警備員がロボットのような外見の宇宙人に次々と襲われた。隊員たちは総出で宇宙人を追跡するが、美川のり子隊員(西恵子)が同乗した乗用車タック・パンサーが宇宙人に襲われて崖下に転落。投げ出された美川隊員は一時、仮死状態となるが、これを救ったのが彫刻家志望の坂井次郎(富川澈夫)という青年だった。

北斗と南がタックパンサーでパトロール中、とある保育園で、園児たちに囲まれながら、坂井が大きなオブジェを制作しているのに出くわす。病院で療養中のはずの美川隊員も、病院着の浴衣姿で手伝っていた。園児たちのために超獣の模型を作っているのだという。恋する乙女のキラキラ眼で坂井を見詰める美川隊員。一方、北斗は、TAC基地付近で遭遇した宇宙人と同じ、ヒスイを嵌めたブレスレットをしている事に気づく。

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