男と男の約束/『ウルトラマンA』覚え書き(19)
芥川龍之介の短編「河童」(1927年)は冒頭のエピグラフ(題名に添える短い語句)に「どうかKAPPAと発音してください」とある。初めて読んだとき、「河童をKAPPAと発音するのは当然だろ?」と思った記憶がある。近世では河太郎(があたろ)とか、河童(かわわろ、かわっぱ)と様々に呼ばれたらしいが、近代になると、例えば1910年に刊行された『遠野物語』では、「河童」に「カッパ」とルビを振ってあるように「河童(かっぱ)」という呼称でほぼ統一されているようだ。なぜ、わざわざ芥川が、この