蟹江敬三、牛になる/『ウルトラマンA』覚え書き(16)
夏の怪奇シリーズ第2弾。今回の脚本を担当した石堂淑朗は、1960年代前半、大島渚監督と組んで『日本の夜と霧』(1960年)、『天草四郎時貞』(63年)などの問題作を書いた。大島が監督した、小松川事件をモデルに、在日朝鮮人死刑囚をめぐる日本におけるマイノリティ問題を、死刑執行室という狭い舞台で展開するグロテスクな喜劇として描いた『絞死刑』(68年)では教戒師の役で出演している。
その後、無頼派肌で「酒と女と歌には極めてだらしない」石堂は、「関西風合理主義」者で「絶対外泊しない