中学時代の部活の夢を未だに見る
中学生の頃、運動が好きなわけでもないのに私はバレーボール部に入った。
何故だ。
上戸彩さん主演のアタックNo. 1という漫画原作ドラマが小学6年生の頃にやっていて、そのスポ根ぶりに感化されたのだ。
情熱って最高だ...バレーボール部に入ったら熱い友情が芽生えるかもしれない!!もしかして才能があっちゃったりして、ドラマみたいにシュンシュン揺れるサーブが打てちゃうかもしれないぞ!!
...
そんなわけなかった。
他のバレーボール部はどうなのかわからないけど、私たちのところはチームプレー故の?陰口やぶつかりあいが頻繁にあり、へらへらして意見を言えない私ももちろん標的になった。
一年生は練習中先輩のプレーを大きな声で応援する。「ナイスキーでーす!」「ナイサーです!」大きな声で先輩によって差が出ないようにできる限り大声で叫ぶ。
叫びながらぼーっと考えた。
前に手を重ねているのと、後ろに手を組んでいるのどちらの方がえらそうじゃないんだろう。
そこを考えることがまずおかしな話なんだけど、前に手を重ねていることが丁寧すぎるというか、なんとなくやる気ゼロに感じられて、後ろに手を組むことにした。
何日か経って同学年のメンバーに呼び出された。
公園で円陣を組んで座る。怖!
「後ろ手に組んで応援するのはえらそうだ」と指摘された。
えっそうなのか。やっぱり前に手を組むのが正解だったのか?ああそれなら
「どうしたらいいですか...?」とは聞けず、すみませんと謝った。自分が悪いなと思った。
他にも「ボール拾いに行く時走ってない」とか「先輩にばかり良い顔して」とか、何人か指摘を受け、私と同じように謝っていた。
指摘をした側と謝った側でなんとなく分かれて帰ることになったので、話をしたら結構盛り上がった。
すぐに何人か部活を辞め、仲良くなった同志のような子たちもスルスル抜けていった。
3年生になるまでには当初の半分くらいに。
誰か辞めるたびに陰口でよく盛り上がっていた。
私は弱い人間なので、その場では何も言わずヘラヘラしていた。ごめんなさい。
入部して実感したのはバレーボールってかたくて痛い。あの高さからバシッと打ち込まれるボールを(スパイクのことです)腕で受けるなんて正気じゃない、でもここの世界ではそれが正気!
ひよって逃げる行為こそが正気じゃない世界なのだ。最初はアンダーのパスだけでも腕があざだらけになった。単純なのでオッ!勲章じゃん!と興奮した。
3年間、全然上手くならなかったプレーよりも対人関係の悩みがつきなかった。
ここでミスったら?
あの人に嫌われていたら?
あれ、無視された気がする、なんでだろう私何したっけ...
などバレーボールをやる以前のところで常に緊張。
入部してわりとすぐ「間違えたわ」と気づいた。
けど、「やめまーす」と発言することにより起こり得る様々な事象が恐ろしすぎたので、辞めずに我慢して3年の引退まで図々しく居座った。
あの3年間が私にどう作用しているのか いまだによく分からないけど、とにかくものすごい経験であることは確かだ。思い出すたびに当時の苦い気持ちは変わらずにあって、今でもまれに部活のメンバーとバレーボールをしている夢を見る。起きると変な汗をかいている。
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