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こどもと文化 #4

授業にはヨーロッパ勢がたくさんいるのだけれど、フランス人の日本文化への関心の高さには驚くことがとても多い。

他の国であっても人によっては「漫画が好き」「柔道をやっている」という人はいるのだけれど、なぜかフランス人はほぼ100%に近い人が「日本の映画が好き!」「浴衣を着た!」「bento (弁当)持ってるよ!」「親が旅行に行ったの!」と話してくれるのだ。

なんでだろう?と思って本人たちに聞いてみたり日本のお友達にインスタで聞いてみると、2つ理由が見えた。

1)アニメの影響

どうやらフランスでは日本のアニメが放映されているらしく、彼らは小さいころに日本のアニメを見て育っているらしい。それゆえ、ジャパンカルチャーの基盤があるのだ。私たちがディズニーやトーマスを見ている感覚といえようか。アニメへの関心の高さと、そこから広がる日本への興味関心の高さもこの理由には納得ができる。親が日本文化に関心が高いというのも育児スタートと思えば無理のないつながり。

2)映画の影響

フランスといえばカンヌ映画祭。そこで日本の映画がノミネートされる⇒自国の映画館でも放映という流れで日本映画を知る人が多いらしい。というか、そもそも国際映画祭がある時点で自然といろんな映画に触れる機会が多そうだ。そういう意味でフランス人の文化意識の高さが垣間見えるともいえそう。特に「君の名は。」は映画祭きっかけで大人気になったらしい。そういえば君の名は。の公開した年に海外でも大ヒットというニュースをたくさん見たような。授業にも物語のキーになった組紐を腕につけている子や「新海誠が大好きなの!」とプレゼンした子がいてびっくりした。
それから「万引き家族」もカンヌにノミネートされて、終始暗い雰囲気がフランス映画に似ているという理由で大ヒットしたそう。そこから日本映画ブームがフランスで起こっているらしい、と留学しているお友達が教えてくれました。
私のルームメイトも「Geisya(芸者)」のドキュメンタリー映画を見たと教えてくれて、その映画もヒットしているらしい。何なのか気になる。

映像と子どもと

この二つから、やっぱり映像コンテンツって強いんだなあと思う。
字幕がつけられるから内容理解しやすい+音と映像で子供から大人まで対応できる、あまり知識量に関係なく楽しめる+媒体が身近、という点で広まりやすいのかな。

それから、まっさらで偏見や違和感、劣等感などを感じる前の子供時代に違う文化に触れるというのも大事なのかもしれないな。というかやっぱり子どものころに触れたものの影響力は強いんだな。圧倒的にその人をその人たらしめる構成要素になっている。

私の場合を振り返れば圧倒的に本だった。あまり多国籍だったかはわからない(私自身の関心によるところもある)けれど、私は絵本と本と、音楽とおいしい食べ物に囲まれていたなと思う。毎週本屋さんに行って、ケーキを買って、お家ではCDが流れていた。
そうか~そう思えばすべて今の私に繋がっている要素ばかりで、避けられないよなあ。

学校以外の場所で触れるものの大切さ。
その時に何を見るか、聞くか、感じるか、も立派な教育で、そういう文化面でのサポートにこそ、親や地域の大人たちの大事な役割を任されている。

ダブリンにきて、博物館や公園などの公共施設の多さと広さと利用度の高さに驚かされることばかり。もちろん日本にもたくさんあるんだけれど、どれくらいの人が使っているんだろう。
利用者がお金をかけなくても楽しいところ、発見のある場所はたくさんある。(維持や運営にはお金が必要で、こういう所に税金は使われるべきだと思う)

文化をつくるって、こどもを育てることに直結しているのかもしれないな。

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