妊娠は病気じゃないらしい

年が明けてからもう2週間以上、入院してる。
すっかりスーパーハイリスク妊婦だ。

医者には1%くらいの割合でいるレベルと言われたけど、それが多いか少ないかはわからない。

少なくとも私の周りに、ここまで大変な思いをしてる妊婦はいなかったと思う。

ICUで過ごしてるうちに、心がどんどん枯れてきて、やや鬱っぽくなってきてしまった。
今日が何曜日なのかも思い出せない。

「妊娠は病気じゃないからね」と、妊娠してから数人に言われた。
体内の臓器の位置や形が変形し、体調が永遠に悪いのに、「病気じゃないから(がんばって)」みたいに言われても…。

…まあ私の場合、合併症を3つくらい起こしてるから、病人なんだけど。

相変わらず、国は妊婦に冷たい。
いや、病人に冷たいのか?
うーん、そんなこともないかも。

意外と補償があることを知った。負担額は月、最大でも9万弱くらいで抑えられそうだ。

でも、9万取られるんだよなあ…。

いま給与、産休で出ないのに。

まあ、そんなのは先人たちの頃からそうで、お年寄りたちからしたら
「私たちの若い頃より全然いいじゃない!」ってなるのかもしれない。

一人だけ、私の妊娠を聞いた時に「病人じゃないですか」と言ってくれた男性の後輩がいた。
そのくらい心配です、と言われたのが安心した。

クソオブクソオブザイヤー(今のところ)は、「俺の奥さんもさ、」を枕詞に自分の妻の妊娠体験を語り始めた男数人。数人いることがもうキモいけど、マジでお前らは妊娠に関しては一切の口を出さないでくれ。

この辛さと不安は本当に妊娠経験のある人しか絶対わからない、と思える。

見てる方には見てる方の苦しさや辛さがあるのは分かるけど、それを妊婦に語るのは本当やめた方がいい。

でも、救いなのは、産婦人科で働いてる多くの人もまた、そう思ってくれてることだ。

私が救急搬送されたとき、助産師さんや看護師さんは「これでもか」というくらい、私の夫をパシリにしていた。

「奥さん大変なんだからそのくらいできるよね?」

という、無言の圧力。

男性は出産の時、一番「自分は無力だ」と思うんだそうですね。

そういえば、奥さんも子どももいる男の人と食事すると、大抵「子どもは可愛いけど、」と話していたな。

その子どもを生んだのが妻だということを、もう忘れてしまったのかな…。

病院での生活は暇すぎて、精神衛生的にも良くないため、そんなことばかり頭をよぎる。

まあでも、こんな体験も人生で早々味わえることもできないだろうし、
看護師さんや助産師さんの素晴らしさを間近で毎日確認できたし。

ポジティブに、入院生活を楽しもう。

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