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恐怖!推しの具現化香水!

2022年2月14日、晴天。
これは、新宿にあるTHE KAORI BAR FINCAで、某推し(著作権的に実在の人物の名前を出してどうのこうのするのがお店的にアウトらしいので、名前は出さずに書いています)を彷彿とさせる香水の錬成に成功してしまった女の備忘録です。
終始恐怖でしかありませんでした。あーもう本当に。

それではどうぞ。



➀作成に至る経緯が怖すぎる

推し香水を作った!!的な内容のブログは数多く投稿されていて、それを読む限り、前々から綿密に準備を重ねて当日挑んだ(であろう)人が散見されます。しかし私は当日予約・事前準備0という手持ち無沙汰にもほどがある状態で戦いに挑むという暴挙に出ました。


何が怖いって、

何の心構えも語彙力の準備もしてないのに。

その場の思い付きの行き当たりばったりもいいところなのに。
それでイケると思ってしまった自分の勢い。

※実際イケてしまったので行きたいと思う人でも当日飛び込み参戦全然いいと思います。
ただ、前々から何となく構想を練っておくと当日楽かもしれないですやっぱり。



➁香水錬成にあたって記入するInterview Sheetが怖すぎる

ここで突然ではありますが、読者の皆様はオタクではない赤の他人に対して、自分の担当・推しのイメージについて語ったことはありますか?

最近は大学の卒論なんかでも、推しとオタクの相互の関係性なんかを題材にしたものが増えてきたり(よく匿名型のアンケートとかお願いされたりするよね)、『推し、燃ゆ』という推しの炎上をテーマにした小説が話題に上ったり、何かと”推し”そのものの概念について考える機会は増えてきているように思います。
でもそれはあくまでフィクションの域を出ないものだったり、抽象的な要素が大部分を占めているものであって、自分が好きで応援している張本人についての諸々を、まったくその人についての知識がない人に一から説明する機会ってそうないんじゃないかと私は感じています。

私が行ったFINCAでは、まず香水錬成にあたって

➀自分の推しに対するイメージをシートに記入する
➁その内容を参考にしながら店員さんと一対一の問答を繰り返す中で香りを合わせていく

という流れが採られており、自分の推しに対する想い、好きなポイント、イメージカラーなどなどを詳細に店員さんに伝えていくことが要求されます。

ただ先述の通り、実在するキャラクター・人物の権利関係的に、それらの名前を告げた上で香水を作成してもらうことが禁止されているので(≒そのキャラクターないし人物のグッズを勝手に作り、それで収益を得るようなことになってしまう)、
あくまで特定の誰かであることは伏せた上で、その人についてのイメージを言葉で伝えなければなりません。綺麗、かっこいい、かわいいなどの語彙に頼ってしまいがちな私的には、明確に伝えるのが難しかったです。


何が怖いって

Twitterで鍛えられた薄汚い語彙力だけで、シートの記入なんぞはかどるわけがない!!!!!!!!!!!!!!!!しかもそれをはじめましての人に読まれる!!!!!!!!!!!!!むず痒い!!!!!!!!!!!むしろもういっそ推しのNamae Iwasete!!!!!!!!!!!!!

もうホント怖かったです、このオタクきついな汗 とか思われてるんじゃないかとか考えだすとホントに。


③店員さんとのサシトークが怖すぎる

シートの記入が終わると、店員さんとマンツーマンでイメージに沿う香り探しがスタートします。卓上には何十もの香水の入った小瓶が並べられていて、店員さんがシートと問答の内容から着想を得て、独断と偏見でこの匂いどうですか~~とチョイスしてくれます。

私がシートに実際に書いていた内容を一部抜粋すると

25歳男性、アイドル。赤色担当。身長高め。
天真爛漫でどことなく包容力があり優しい雰囲気だが、ステージに立つと、がらっと変わって獣。見た目強い。あとお酒好き。

推しちゃんイメージ 私調べ

こんな感じです。
ここから店員さんが色々と質問攻めにしてきます。

「その方って何人グループに所属されてるんですか?」「グループの中ではどんな立ち位置なんですか?年上ですか年下ですか?」「赤以外に似合いそうな色とかありますかね?」「その方のどんなところが好きなんですか?」「その方って色気ありますか?」「ミステリアスですか?」「その方、季節的にはいつの感じですか?」「アイドル以外のお仕事ってされてるんですか?」・・・・



お、お姉さん!!!!!!!!ま、待って!!!!!!!!!!早い!!!!!!!!!!!!!早、早いよ!!!!!!!!!!!!!



手慣れた要領で繰り出された秘技、質問畳み掛けと傾聴力のダブルアタックをくらう私。そしてそこでハッと気付く。


すごいスピードで飛んできた質問に対して、バッターボックスに立って即答で打ち返している自分。そしてそれがだんだん楽しくなってきている自分が今ここにいることに。



マスク装着が当たり前の世の中に対して、これほど感謝したことがあっただろうか。ないです。全然ないです。もう本当に楽しくてニンマリ。自分の発言を否定もせず受け止めてくれる相手に、私の推しここがいいですってただひたすらプレゼンするってこんなに楽しいんだってなります。


私、推しのこと、好きなんだ!!!!!!!!!!!



って気付かされますマジで。

紙に書こうとするとうまく表現できなかったことも、色んな角度からイメージを引っ張り出そうとしてくれるので、答えが出しやすくて。助かる、助かるなぁ〜〜〜〜

サシトーク、楽しすぎて怖かった。


④トークを経ての香り選定が怖すぎる

ここまでの一対一のやり取りを踏まえて店員さんが、イメージに合いそうな香水を10本ほど出してくれます。

店によっては、イメージに合うと思しき液体を複数混ぜ合わせて、一つの香水を作るスタイルもあるみたいだけど、FINCAでは香りの違う2つないし3つの香水をバラバラに購入して、それを手首の上で自分で混ぜて使うスタイルが採られています。それぞれ単独でも使える香水なので、あえてバラバラで買えるのが自分的には結構嬉しかったです。

で、複数選ばれた香水ABCDE・・・を店員さんが私のイメージに沿うようにA×C、B×E・・・とムエットにかけて渡してくれるので、どれがイメージに近いかを自らの嗅覚と推しへの愛を頼りに手探りで探していきます。

店員さん「〇〇と△△の組み合わせです、どうですか???」

私「・・・・・・・・・・・・・・・」

店員さん「□□と♢♢の組み合わせです、どうですか???」

私「・・・・・・・・・・・・・・・」

店員さん「◎◎と◆◆の組み合わせで・・・・・・・・・」


私「もれなく全部推しで草」


もう怖いなんてもんじゃない、全部適確に大好きな人の香りなんだもの。

天真爛漫さ、太陽のような暖かさ、ムードメーカー、ここら辺を柑橘系で表現してみました←わかる

ワイルドさ、身長が大きくて迫力がある、ちょっと危険な感じのする香りなんていいですよね←わかる

いや全部正解じゃん



推しのどの部分を前面に出したいか、どこを強調するかの違いで色んな香りがあるだけで、これも推し、あれも推し、もっと推し、もっともっと推し。


⑤購入に踏み切るが怖すぎる

私のその時の気分的に、かわいい!愛されキャラ!元気! なものよりも、ステージ上のゴージャス感・無敵の帝王感 みたいなものが表現されてるものがいいな~と思ったので、色々試させてもらった結果、
MARITEMO(カシスとムスクがメインの香水)とSANDAL WOOD(線香・白檀の香水)を買うことに決めました。

白檀はお店のコンセプト上では神ノ香とされていて(推しの名前が神話に影響されているみたいなエピソードを見たことがあったので、字面的にもビビッときた)、お香とかが好きな人が気にいるような匂いだと思います。

前、ライブでありえん近くまで来たときも、忘れられない甘美な香りしてたし・・・昼型というよりは夜行性って感じがするし・・・家でキャンドル焚くのが好きって言ってたし・・・ウイスキー飲むってことは燻製っぽいような煙っぽいような味が好きなわけだし・・・

推しちゃん小噺 出典私

自分のこうあってほしいという願望と、実際のエピソードを参考にして、それら2つを掛け合わせてあれやこれや吟味した結果、〇薬みたいなヤバイ液体の組み合わせを見つけてしまいました。
ムスクとちょっと煙っぽい香りってどうしてこう、ね。色っぽ〜〜な香りになってしまうんでしょうね。
ネオンぎらつく不夜城感満載の香りになってしまって・・・あゝ・・・

じゃーん いいでしょ 選んだ香水の解説カードの写真撮らせてもらえるので、考察大好きオタクの心、くすぐられまくり

さっき出してもらったAと、今のCを重ねたやつってどんな感じですか?とか、もっと推しの〇〇なところを強調できるような匂いってありますか?とか、より香りの厳選段階に入るとどんどん店員さんと会話が弾んで弾んで。
最終的には、推しのイメージに沿う、かつ自分が無理なく普段使いできるかどうか という点で選び抜きました。




こうして推しの錬成に成功してルンルン気分でお会計へGO。

お値段なんと¥2,400×2本で¥4,800。


ん?



5,000円以下?


推しが錬成できたのに??????????????



普段年会費+チケット代を支出してやっと拝める推しが、5,000円もせずに自分の手元にいる現実。怖い怖い。金を払った実感のない買い物をした時と家の戸締りにだけは気を付けろっておばあちゃんが言ってたもん。怖いなあ








⑥結びに

たのしかった!すき!
仕事中もずっと一緒!すき!

すきがとまらない!すき!


推しの香水を作るときに備えて、オタクの皆さんは是非日々の鍛錬で語彙力を磨いておくことをお勧めします。
頑張ろう、オタク。強く生きようオタク。


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大好きな推しへ

この世の中には、好きを拗らせたが故に、日々同じ生活をしているわけでもないのに、勝手に想像を膨らませ、そこから派生した本人の香りであろうものを嗜みたい という、オタクの欲求につけ込んだ非常に危険なビジネスが存在します。

本日私はそれに手を出してしまいました。もうそれを知らぬ世界には戻れません。

手首にその香りを纏わせてから3時間ほど経ったでしょうか。

香りの変化に酔いつぶれそうで苦しいです。

いい歳して拗らせている、こんなファンがいることを
どうかお許しください、謹言。





おしまい





追伸

ん?
〜THE END〜










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