2023年10月25日 読書記録(芸術の秋だ!)

 動画編集でインプットが完全に止まっていた反動で、かなりインプット偏重の一か月間でした。
 1動画しかないチャンネルって方向性が見えづらくてチャンネル登録しづらいし、もう1動画作ってから新規チャンネルを作って動画投稿をします。



儒烏風亭らでん

 話題になっていたので切り抜き動画(ほぼ初配信頃のやつ)を見たのが、今回の芸術マイブームのきっかけ。
 自分より可愛くて面白い奴が自分より知的なのは許せん!
 このような奴には絶対負けたくない!!


教養としての建築入門

 それがきっかけだったか、それとは別だったか、当時図書館で借りていた本。

 序盤にモダニズム(美術・建築)に関する記述があり、曰く「あの哲学者のカントが『芸術で大事なのは色ではなく線の方だ』と主張したことがモダニズムのはじまり」という説明だったのがひっかかって、いろいろ検索してみると、どうにも怪しい。
 もしかするとカントはそう言っていたかもしれないけど、一般的なモダニズム(美術・建築)で色と線の優劣は語られていないっぽいぞ?
 本の内容全体に不信感を持ったので、そこで読書を中断、プレインズウォークを開始する。

 ちなみにこの本曰く、線が重要視されたので一見してシルエットのわかりやすい建築が好まれた(筆者曰く、写真的な建築)。その後それに対するアンチテーゼとして、実際に建物の中を歩くことでシルエットが大きく変わるような建築の時代が来た(たしか、曰く映像的な建築)。
 信じるかどうかは、あなた次第。


デザイン解説/知識【やんチャンネル】

 特に感想はないけど、「教養としての建築入門」の次に見た知識源。


現代アートを基礎から学べるチャンネル

 これも特筆すべき感想はないけど、見た。
 会話形式なせいで冗長度が高かった。


ゆっくりインテリア

 前回も紹介したかもしれないけど、インテリア解説動画もこのマイブームの一環だったかも。
 頭の中で他の分野の知識とシナジーが生まれる瞬間が多くて、とても満足度が高かった。


こやぎ先生の美術ちゃんねる

 これも見た。
 このあたりから、「絵画鑑賞って単なる暗記科目なのでは?」という気持ちが強くなる。「それってラーメンの味じゃなくて、ラーメンの情報ばかりに注目してない?」な感じ。

 呪術廻戦でたとえると、「この作品はバトル漫画派の作品で、鳥山明や久保帯人などに影響を受けている」とか「作中で描かれている渋谷ハロウィンというのは当時こういうモチーフで……」みたいな話ばかりしている。
 もっと「ここのセリフ回しが……」「情報の出し方が……」「このキャラとこのキャラは対比になっていて……」みたいな、作品それ自体に対する感想を持たないとダメじゃない?(=自分はそういう鑑賞のしかたをしたい!!


13歳からのアート思考

 良くも悪くも13歳向け。大の大人がじっくり読む本ではなかった。


ビデオゲームの美学

 この本を「ビデオゲーム」目当てに読むと後悔します。
 「美学」の本としては、たぶんけっこう入門向け……?

 ここで言う「美学」というのは哲学の中のいちジャンルのことで、例えば「Vtuberのバーチャル性ってどういうことなの?(彼らはどんなふうに存在するの?)」を雰囲気ワードではなく堅い言葉で語る学問のこと。言うまでもなく、なかなか難解。
 全体を通して1つの結論を出す本ではなく、各章ごとにさまざまな観点から「ビデオゲームってこういう性質があるよね」とか「ビデオゲームの〇〇のシステムは、こういった分類のしかたができるよね」という話をしている本で、たぶん美学の基本的な議論に広く触れている
 さすがに入門書として読むならもっと良い入門書があるだろうけど、入門書として読むこともできる……くらいだと思う。知らんけど!

 収録されている話のキャッチ―な部分を紹介すると、スーパーマリオの画面の中で、背景の雲や草は虚構的な情報(物語や世界観に関するフレーバーテキスト的な情報)だけど、スコアやタイムはゲーム的な情報だ。
 一方でマリオやキノコやクリボーは、虚構的な情報(主人公の人物、不思議な食べもの、敵兵)であると同時にゲーム的な情報でもある(それぞれ操作キャラ、パワーアップアイテム、当たるとダメージを受けるエネミー)。

 たしかこの章の趣旨はこのくらいだった(結論らしいインパクトのある結論がないまま分析が進んでいくので読書がつらい側面がある!)けど、虚構的内容とゲーム的内容という区分は以降の章でもたびたび登場して、ゲームをカッチリした言葉で語る手助けとなってくれる。

 お世辞にも読みやすいとは言えない本で、大枠としてどういう話をこれからするのかを明かさない状態で、「〇〇という言葉には研究者Aによる定義Aと研究者Bによる定義Bと研究者Cによる定義Cがある」みたいな長くて難しい話がカットインしてくる。
 長くて難しい話こそが話の焦点なのは理解できるけど、とはいえ話をわかりやすくするための工夫を怠りすぎだと感じた。
 「今から〇〇について話します」「最終的な結論は〇〇です(今から〇〇に含まれる用語について定義を説明します)」「これから〇個の説を紹介します」「〇章のまとめ:〇〇」みたいな配慮はできたはずだし、それをするべきだよ。(結構ちゃんと考えた上での「べき」論)
 著者本人がツイッターで自著の(ある読者から見ての)つらさ・つまらなさを真摯に受け止めていたので、とても好感が持てた。実際とてもつらかったけど、それでも最後まで読み切ってしまう面白さもあったよ……!

https://x.com/zmzizm/status/1673620308115484672?s=20


東京藝大で教わる西洋美術の見かた

 さっき読み終えた。
 これまで読んできた・見てきた情報と比べると、比較的ラーメンの味に関する本だった(絵画の技術に関する話が多かった)けど、まだ自分の欲求の芯を食った本ではなかったかな……。

 結局のところ、(自分が思い描くようなやり方で)絵画を鑑賞するためには、自分自身もある程度作り手側の目線を持つ必要があるんじゃないか?という仮説が心の中にある。(脳内にあるのは、ジャンプ漫画に建設的な感想を語っているカクヨム作家の界隈のイメージ)

 巨匠には遠く及ばなくても、「自分なら迂闊にもこうしてしまいそう」とか「こうすることでAとBを両立させてるのはすごい!」みたいなことを言えないと、全部受動的な賛美になってしまう……?

 借りてきた本はまだあるので、マイ芸術ブームはもう数週間続くぞい。


暗号解読事典

 それとは別のマイブーム、暗号解読。
 秋のミステリー淫ク☆リレーに「フィラノスの大暗号」という本格暗号が出題されて、若干手も足も出たが全然手も足も出なかった(矛盾)ので悔しかった。

 しかし暗号解読ができるようになりたくてこの本を借りたのに、中身が暗号紹介の事典だったのでほとんど読まずに図書館に返してしまった。
 今そのことを後悔しているから、もう一度借りなおして、今度こそ暗号解読のための情報整理をしようと思う。
 具体的には、暗号文を見たときにどう行動するべきかのフローチャートを自作したい。


フィラノスの大暗号

 フィラノスはすごいぞ。動画内のチュートリアルで「暗号化前と後で文字が1:1対応しているなら、頻度分析すればだいたい解けますよね?」が説明されるくらいの、なんちゃってじゃない暗号問題だ。解答編が出た頃にまたちゃんと感想を書きます……(秋リレー自体にも)。


暗号学園模擬試験

 TLで話題だったので、ネット上で収集できた情報から"裏口入学"して参加した。本編の暗号学園のいろはは、それを目当てに1週も欠かさず少年ジャンプを立ち読みするくらいの熱烈なファンである。

 前に書いたかどうか忘れたけど、暗号学園のいろはは、(好きな漫画だけ立ち読みするという選択肢が全日本人に解放されている)週刊少年ジャンプに、実際に買って、家に持ち帰って読む必要性を追加している点が画期的・挑戦的な所だと思う。

 暗号模試の方は、自分が気づいた時点で既に第3問まで解答(ほぼ解答そのものみたいなヒント)が既出だったので、自分では手も頭も動かさずに「なるほどな~」の態度。自力だとたぶん解けなかったと思うので、こういう"暗号"(脱出ゲーム的な暗号)も後でちゃんと傾向と対策を練りたい。

 模擬試験の第4問目なんですけど、個人的にはあまり美しくなかったなぁと思ってます。第1問から第4問入口までで、「いろは歌」「素数」「QRコード」「点字」「モールス信号」の情報が出ているんだから、それらが伏線になっていた方がミステリー的な説得力は高かったはず。
 西尾維新はミステリー作家だけあって、そういう配慮をしっかりする方と思っていたので、結構肩透かしだった(≒メタ読みが外れて残念だったの意)。

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