2023年5月17日 感想

水星の魔女

 「主体性のない花嫁を決闘者が奪い合う」(ウテナ)から、「主体性のない」を花嫁から主人公に変えただけのシンプルな換骨奪胎なのに、これまで少年兵の話を扱ってきたガンダムシリーズだからこその味が出ているのがクレバーだ。
 「さて、ガンダムシリーズで何をやろう?」側からも接続してるの、偉いよ。

ニューダンガンロンパV3

 V3になって、「嘘」「真実が人を傷つける」「仲間を疑うと反感を買う」などが一気にテーマに追加されたものの、ややまとめきれてなかったような……気がする。(「嘘」はキッチリ回収できてたよ!)
 「真実が人を傷つけることもあるけど……それでも、僕は真実を見つける!」の話は、何度か繰り返されていた割には、特に落としどころのないまま6章の衝撃展開に突入してしまってないかな?

 「○○は俺たちの仲間だろ!? どうしてあいつを疑うんだよ!」「犯人は○○で決まりだ! なのに、どうしてあんな奴を庇おうとするんだ!?」に関しては、結局、逆転裁判が答えになってしまっているのがよくないなぁ……と思った。
 弁護士は容疑者を弁護する役割で、検察は容疑に説得力を持たせる役割。そういう役割だから、容疑者への好き嫌いとかの話ではないんだよ。……という話は、逆転裁判のプロローグじゃん。
 逆転裁判より後の時代に生まれた(影響を受けて生まれた)ゲームの、しかも完結作なのに、そのゴールラインが逆転裁判のスタートラインなのはちょっと不格好じゃない……?

以下は具体的なエピソードの話。

 プロローグ。相変わらず、16人+5匹+1匹の新キャラを紹介する手際があまりよくない。スタッフが慣れてしまったせいで難易度が高いアクションゲームみたいに、プレイヤーの把握力を高く見積もりすぎてないか……?
 アリバイ証拠も前作から向上している(その場にいた人の名前だけでなく、顔も表示される)けど、もう一声「その場にいなかったのは○○くんと○○さんだが……」まで表示してほしかった。

 3章、生徒会はV3のアレなところ(善良だけど意志がない奴ら)の集まり・非生徒会はV3のソレなところ(善良じゃないけど意志のあつ奴ら)の集まりで、キャラゲーとして見たときのV3らしさだったなぁ。
 章テーマの「死者は蘇らない。生者が会いに行くしかない」は、それ一本でゲームが一作できるくらい骨太なテーマだったので、これも印象深かった。

 4章、あの状況で単独行動するの頭悪すぎでは……?
 事件発生後だと「犯人が証拠を隠滅しないように、複数人で固まって動こう」って意識は発生するのに、4章の場面で単独行動するのはサムくないか……? 「コロシアイを終わらせる!」の決意が軽くなるというか。

「~しずらい」
「味あわせる」

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