鹿児島県警霧島署員による巡回連絡簿悪用事案隠ぺい疑惑
2023年4月、鹿児島県警霧島警察署管内の駐在所に勤務していた巡査部長は、巡回連絡簿に載っている携帯電話番号を悪用して、2022年に知りあった一般市民に連絡をとり、ひわいなメッセージを送るなどした。
巡査部長は県警本部の取り調べに対し、「男女関係になれればいいと思った」などと供述。
この事件は、現職警察官の犯罪であることから、本部長指揮として捜査が開始されたが、捜査の終結後も、巡回連絡簿の悪用が発生したこともふくめて公表されなかった。
県警は、事件の発生を当初公表しなかった理由を「被害者が事件化と公表を望まなかったため」としているが、告発文書に同封された捜査資料(県警も内部資料だと認めている)によると、被害者は当初「再発防止のためにも刑事手続きなどをとってほしい」と強い処罰感情を見せていた(西日本新聞2024年7月2日より)。
2024年7月19日、県警は、行為者の巡査部長を本部長訓戒処分としたことを公表した。訓戒は監督上の措置と呼ばれ、懲戒に至らない軽い処分。
警察庁の懲戒処分指針によると、警察が保有する情報の悪用は、指針が提示する基本的な規律違反行為の態様にはふくまれておらず、どのような処分に該当するかは、「行為の動機、態様及び結果」「行為の他の職員及び社会に与える影響」などを考慮して判断がなされる。
また、地方公務員法では、「全体の奉仕者としてふさわしくない非行」が、懲戒処分事由にあたる。
ニュースサイトHUNTER2024年6月7日「鹿児島県警「情報漏洩」の真相(2)|ストーカー事件「巡回連絡簿悪用」も隠蔽か」
西日本新聞2024年7月2日「鹿児島県警不祥事もみ消し疑惑、「隠ぺい指示ない」疑問だらけ 本部長の意向? 「穏便な方向」誘導か」
西日本新聞2024年7月2日「「被害者は当初事件化を望んだ」鹿児島県警もみ消し疑惑、発表と告発内容に矛盾」
ニュースサイトHUNTER2024年7月19日「頻発したもみ消し・隠ぺいの背景|鹿児島県警不当捜査・もう一つの“霧島署員ストーカー事件”(3)」
週プレNEWS「なぜ警察の「不祥事ラッシュ」は止まらないのか? 現地取材で見えた鹿児島県警“わいせつ事件”の隠蔽工作」
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