【4月号】勉楽のすゝめ 

ことばで考える数楽

みなさんこんにちは。今回計算をほとんど使わない数学、確率や場合の数、整数について記そうかと思います。

早速ですが例題です。

例 モンティホール問題

しまったドアのうち、あたりは一つです。一つのドアをあなたは選び、ゲームマスターはそれ以外のはずれのドアを開いたとき、あなたはドアを変えるべきですか。

この問題は直感でやると「どちらも変わらない」というかもしれませんが、実は変えるほうが確立としては、2倍の当たる確率があります。さぁ考えましょう。

ドアに印ABCをつけます。最初にAを選ぶとしたら、あたりの確率は3分の1です。ここがポイントなのですが、BCのどちらかをゲームマスターは開くわけです。この時、開いてないドア(ここではBとしましょう。)は、どのぐらいの確率で当たるか想像できますか。
Aは最初から3分の1なわけです。そして今回Cを開いたわけですから、Cが当たる確率は0なわけですね。じゃあ、残りの確率3分の2がBにかかっている当たる確率です。ということで、最初に開いたドアよりは、変えてBにしたほうがいいわけです。こんな感じに、感覚を一切挟まず、論理立てて考えることは最近の重要な話です。実際今年の東大入試の一問は論理の問題でした。じゃあ、どうやって訓練すればいいのかという話が出てくるわけです。簡単に言うと、常に考えることです。数学でもここは暗記しろだとかありますが、そういうことをせず毎回考えることです。効率は悪いかもしれませんが、慣れた時の論理力は非常に高いものであるはずです。具体的な話は今度しましょう。もう一題やってみましょう。

例 素数は無限にありますか?

ちゃんと論理立てて考えられますか?一見どうすればいいのかわからないとおもいます。ここでの答えは「ある」ですが、実際にはこのようなことから導けます。まず、隣り合う整数同士はお互いに共通因数、言わば同じ数で割れない。という性質があります。(このことは差は考える整数の共通因数で割れるため、1である以上考える整数同士は互いに素ということから導けます。)そして、今まで出てきた素数を全てかけた数を考えましょう。この数に1を足したものは、全ての素数を素因数に持たない言わば新たな素数ができますね。これを無限にやれば素数がいっぱいできるわけです。これで十分論理立てた説明になっています。
 
みなさん今回は問題を2題紹介しましたが、いかがでしたか。論理立てて考えるのが習慣になると数学や普段の考えることも楽しく理解できると思います。

是非、論理的に考えてくださいね。