見出し画像

好きな漫画を紹介するスレ #1 「スメラギドレッサーズ」

四大少年漫画雑誌ってありますね。ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオン。この4つは10年以上購読し続けているのですが(他にも読んでるよ)、人気ないし、理由も理解できるんだけど、なんかたまーに妙に面白く感じるなって作品があるんですよね(週刊誌って通しで読んでる人少ないよね・・・)。

という作品の一つ「スメラギドレッサーズ」

既に完結している作品で、全4巻です。短く紹介すると

着替えて変身して戦う風紀委員長の話

っていうお色気+バトルで要素としては王道なんですが、なんか妙にヒネてるんですよね、でも王道なとこは王道やってて、シーンによっては感情のバランス崩壊してるんだけど、それも含めてバランスが取れてるようにも見える、不思議な魅力がありました。正直この作品が終わったあと、惹かれた自分がよくわからなかったのと、それでも面白かったと思える作品が終わったことに対して、なぜ?という思いが強く、しばらくチャンピオン読むの辞めました。

前置きが長くなりましたが、3つほど紹介ポイントを書きます。



1.群衆がやたらと醜悪

画像1

これ主人公の変身シーンです。ほんとに最低。

主人公が戦う前に、変身する必要があるんですが、この方法が生着替えです。目隠しの空間で制限時間内に着替え切ると、全力で戦えて、間に合わないと下着姿で放り出される+変身スーツの出力ダウンというデバフ。この生着替えを目当てに群衆がめちゃめちゃ盛り上がります。仮にも主人公の立場は変身ヒーローなので、みんなのために戦ってるんですが、そんなの関係なく、ただただ主人公のエッチな姿が見たいがために、群衆は歓声を上げるし、なんなら邪魔してきます。もう成年雑誌やんってな展開なんですが、一応、少年誌なんで本当にアレなシーンはないんですが、もうね、この群衆に殺意すら覚えるんですよ。当事者感、モラルの圧倒的欠如。清廉な主人公との対比が物凄いです。当時読んでて、これは・・・なにを見せられてるんだ・・・?と困惑しました。



2.下着が凝ってる

画像2

下着だけやたら生生しい。

作中のどんな小さなコマでも下着が書き込まれてます。作品の内容が内容なので外せない要素の一つではあると思うんですが、わりと良い意味でシンプルな線を引く漫画なので、下着が良い意味で浮いて見えます。途中までは、俺も、あーこういう方向性のギャグ漫画なんだなと思ってました。バトル要素はエッセンスなんだ、と。笑えなくはないが、正直あまり好みではないな、not for meだなと思ってました。



3.着替えるシーンがやたらかっこよくなってく

画像3

こんなに格好良い"着替え"の宣言、ある?

仮面ライダーみすら感じる。1巻終盤、敵の幹部と闘う中でのシーンです。もちろん吐き気を催す邪悪である群衆も周囲にいます。このシーンを見た時、あれ?ってなりました。ちょっと格好良すぎて笑っちゃいましたもん。クソ群衆に煽られながらもみんなを守るために涙目で着替えていた健気な委員長はどこへ?もちろんここにいます。彼女は強くなった。社会のドブを煮詰めた群衆との差がすごい。この後の話しもやたら熱さがあり、この着替え宣言と同等以上の格好良さがあるシーンが多々あります。着替えるし、群衆はゴミだし、下着は書き込まれてるんだけど、王道バトル漫画展開をしっかりやるし、普通に感動させられました。

自分の印象では、この作品はあまり人気があるようには見えませんでした。群衆がヤバすぎたんだと思います。その下衆さは、事故や事件の現場を撮影してネット上に上げてしまう人、どう見ても正しさがない行動を咎められない自分を突き付けられているようで、自己嫌悪に近い何かを駆り立てられ、なにか言いようのない気持ちが沸きます(これは持ち上げているわけではなく、他の描き方なかったのかなっていうのと、なんならここまで描かなくても後の展開がしっかり面白いことを考えると群衆ではなくもう少し好感の持てる一キャラで良かったと思ってる)。話は続けられそうだったけど4巻で終わってしまいました。ただ、もっと人目についていたら、読み続けて、正しくキャラクター達とこの漫画自体が成長していったとき、どんな評価を受けていたんだろう。5年近くたった今でもたまに思い出します。かなり癖のある作品ですが、刺さる人には刺さったんじゃないだろうか、もっと続けられたんじゃないかと、そう思います。

ここまで使った画像は全て1巻のものになります。無断使用は宣伝ということで許してつかぁさい。ダメだったら消します。

四大誌の中でもチャンピオンって、宝石か判別がつかない原石みたいな作品がよく載る印象があって、本当によくわかんないけど誰かにぶっ刺さるみたいな、どこで見つけてきたんだこれっていうか、あまりにもその時の作者のありのままの作品をぶつけてき過ぎて戸惑うことがあるんですが(余談、好きメガでバズってる作者の前作「ペーパーブレイバー」も面白かったです)、その中でも作者の今後に期待した作品のひとつでした。気が向いたら買って読んで、感想を聞かせてください。

観たいものも読みたいものも尽きないのでサポートいただければとても助かります。