見出し画像

VRChatのカメラ小噺(視野角編)

※2021年11月のアップデートにより、VRChatのデフォルトカメラにズーム、被写界深度等の新機能が追加されました。こちらの記事に書かれている内容は既に過去の物ですが、過去の記録として、個人的な備忘録として残しておきます。(2021/11/11追記)



(こちらは前後編の前編です。後編も合わせて読んでくれると嬉しいです。)

VRChatのカメラ機能拡張ツールの決定版になりそうなVirtualLensが発売され、VirtualLensを使って写真を楽しむユーザーが増え、スキンとして使えるカメラモデルも増えてきた。

今後VirtualLens自体のバージョンアップもあるだろうし、他のカメラ機能拡張ツールも出て来るだろうが、現在のVirtualLensの仕様が今後のスタンダードに多分なっていくだろう。僕自身VRChatやUnityに詳しくないし、カメラの知識もあまりないが、それでも何かの節目にはなると思うので、僕自身がこれまで試行錯誤してきた過程を、備忘録も兼ねて残しておきたい。


VRChatのカメラ機能とは?

VRChatのカメラは、VRの空間内で実際にカメラを持ってファインダー像を見ながら、シャッターを切る事で撮影する。(実際はファインダーは無く、スマホに近い。)

画像1

ワールド設置機能や、タイマー、自撮り棒も備えており、なかなかに多機能だ。

しかし、使用しているといくつかの不満点も出て来る。VR独特の操作のしにくさや、使い道のないフィルター機能など多々あるが、一番は視野角の制限だ。

画像2

VRChatのカメラは視野角を変更することが出来ない。完全な単焦点レンズの、レンズ交換の出来ないカメラだ。絞りも調節できないので、写ルンですと言った方がいいかもしれない。いや、視野角で言うなら写ルンですよりもっと広角だ。そう、やはりこれはスマホのカメラなのだ。

(写ルンですは32mm,iPhoneは35mm換算26mmらしい。VRChatのカメラの視野角は分からないが、体感はiPhoneの方に近い気がする。)


VRChatにおける広角レンズの利点

VRChatはVRゲームだが、攻略要素のないコミュニュケーションが主のゲームだ。したがって、ユーザー同士の距離が近い。アバターどうしに当たり判定が無い事もあって、お互いに”ナデナデ”しあうような距離で一緒に過ごすことも珍しくない。

これだけ撮影距離が近いと広角のレンズは便利だ。お互いが触れ合うような距離で撮影しあい、一緒に自撮りに入ったりする。こんなことは広角レンズにしかできない。

画像3

(手前のプレイヤーがカメラを構えているのが分かると思う。凄い密度。)

また広大で美しいワールドでは、特に主題を決めずに適当にシャッターを切るだけで、美しい風景写真が出来上がったりする。

画像4

(こちらはデスクトップモードで撮影した物。VRモードより自由度は下がるが、場所選びが良ければ綺麗な風景を簡単に撮影出来る。)

VRChatにおける広角レンズの弱点


画像5

(頭が大量に出現するアバター”キイロカミオカ”。端の顔が歪んでいるのが分かると思う。)

まずぶち当たるであろう問題は、極端なパースから来る周辺の歪みだ。物が周辺に寄れば寄るほど外側に引っ張られたように歪んでしまう。せっかくの可愛らしいアバターの顔も、引き伸ばされて変な形になってしまったのでは台無しだ。また、顔にカメラを近づけて撮影するとパースの関係で、足がやたらと短く見えてしまう事がある。

画像6

これを回避するためには、カメラを低い位置から構えて、顔が中心に近い位置にくるようにすればいい。

画像7

これで、広角でも見ばえのいいアバターの写真が撮れるようになるが、低い位置からの撮影はトラッキングがシビアだし、小さいアバターを使っても相対速度が速かったり、カメラの反応が悪かったりで操作しづらい。


そもそも望遠レンズが欲しい!

画像8

(ライブを撮影した物だが、そもそもステージに接近できなかった。)

どうしても被写体に接近できない場合があり、その場合には望遠レンズが絶対必要になる。トリミングしようにも解像度が低いので、あまり現実的ではない。

VRChatはプレイヤーどうしの距離の近さが良さだと言ったが、プレイヤーが集まっている所を広角で撮影しても距離感が強調されて、あまり親密感を感じない写真になってしまう事がある。

画像9

(これは後述のコンバージョンレンズを使用して撮影した物。視野角3°で、アバターどうしがかなり密集しているように見える。)


視野角を変更できるツール


こういった状況を苦々しく思ってていたユーザーは、もちろん自分だけではなく、何人かの技術と情熱のあるユーザーが視野角変更ツールを自作、Boothで公開していたりする。

画像10

(自分でカメラを入れて視野角を変えたもの。何故か画質が落ちてしまう。僕はこの問題を解決できなかった。)

視野角どぎつくないカメラ

VRChat用コンバージョンレンズ

これらのツールは、視野角の問題を解決した画期的なツールだ。視野角の変更は表現の幅を大きく広げてくれて、僕はVRChatの写真撮影にさらにハマって行くのだった。(後編に続く。)

画像11

(視野角どぎつくないカメラ+被写界深度フィルターで初めて撮影したNPCちゃん。これが撮れた時は死ぬほど嬉しかった。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?