アニメ-ニセコイの感想- 「見える」物語

http://www.nicovideo.jp/watch/1389346996

 今回の記事は「ニセコイ」。

 3話まで見ました。あれ? おかしいな。見る前は切ろうと思っていたのに……。

 ま、まずは簡単なあらすじを。

 とつぜん、「業種ヤクザーであるお互いの親」の都合で“桐崎千棘”と3年間という期間限定の恋人になってしまった主人公“一条楽”。そして、昔結婚すると誓った「約束の女の子かもしれない」もう1人のヒロイン“小野寺小咲”。そんな3人が織りなす青春ラブコメディだ。

 実際見てみると、なるほど。これは非常に見やすい作品だ。ストレートな見やすさが、この作品の持ち味なんだと僕は感じました。

 では僕が感じた、この「見やすさ」とは何なのか。

 それは「安心」だ。

 この「安心」というパーツが、物語にうまく組み込まれている。だから見ている僕たちは、しぜんと安心して視聴出来てしまうのだ。

 そうなると「この安心」って、いったいどこなのか。

 それは大きく分けて3つある。

 ① 見える「こころの声」

 ② 「善意」で動くヒロインたち

 ③ 見えている「2つのゴール」

 これらのパーツが「ニセコイ」の“安心”をかたち作っている。順を追って説明しよう。

 では、①だ。

 「ニセコイ」のヒロインたち。冒頭のあらすじで出てきた2人のことだ。この作品の中では、彼らの「こころの声」。それを明確に描いている。そして、僕たちにしっかりと見せてくれているんだ。

 彼女らとアクションがあるときに、この「こころの声」が、かならず入っている。これによって、僕たちは「この人物の内面が分からなくて不安」というのが、ない。

 人は、相手の気持ちが分からないと不安になる。この作品は、その部分を排除しているので、僕たちは「安心」して見れるのだ。

 次に、②の“「善意」で動くヒロインたち”。

 まず、桐崎千棘の話をしよう。

 彼女の善意がでている個所。その1つが、3話ラストのシーンだ。「クラスメイトの名前をノートに書いている」。この動作をしっかりと「こころの声」とともに描いている。

 このシーンから見てとれる様に、彼女は自分の感情の出し方がちょっと下手なだけなのだ。だからこそ、彼女は一生懸命努力でおぎなおうとしている。この行動は彼女の「善意」によるものだ。

 もう1人のヒロイン、小野寺小咲も「善意」で動いている。

 彼女の内面が見えるセリフを1つ上げたい。こんなセリフだ。

「私は桐崎さんが、どうして一条君を好きになったのか分かる気がするな」

 彼女のセリフを見ると、桐崎千棘に共感していることが分かる。彼女は、主人公のことが好きなんだけれど、けして桐崎千棘のことを悪く言わない。

 彼女が「善意」で動いているからこそ言わないし、そのあとに出てくる「鍵」のこともあわてて隠してしまうくらいだ。

 この“善意”いがいで恋愛を動かさないのが「ニセコイ」の面白さであり、安心して見れる部分なんだ。

 最後に③、“見えている「2つのゴール」”の説明に入る。

 1つめの「ゴール」は、桐崎千棘との”ニセの恋”。もう1つは、約束の女の子との“可能性の恋”。

 この作品が、桐崎千棘との”ニセの恋”をするお話だけだったら、物語は成立しない。詳しくいうと、強度が足りないのだ。

 しかし、この作品は桐崎千棘との“ニセの恋”。そして、約束の女の子かもしれない小野寺小咲との“可能性の恋”。この2つが合わさって、物語の強度を作っている。

 もし、これが1つだけだったら、僕たちは「この恋の先」に何かあるんじゃないかと不安になってしまう。不安の海に溺れてしまうのだ。

 けれど、この作品は2重構造だ。この「2つのゴール」という2重構造のどちらかに支えられることで、溺れずにすむ。

 そして「ゴール」という足場が2つあるからこそ、1つでは見えないところも見えるようになる。これが「見える」ことでの安心感につながるんだ。

 ③の構造も、②で説明した「善意」で動くヒロインたちがいるからこそ、成り立っている。

 何かあっても、①の「こころの声」で知らせてくれるのもポイントだ。

 安心という「見える」パーツが内包された構造。

 この「見える」というのが重要で、見えないものは伝わらない。だからこそ、この作品はきっちり見せてくれる。

 それが「ニセコイ」。

 だからこそ、僕は安心して見れたんです。これが3話まで見た感想でした。

まだ半分も進んでいませんが、さきで説明した「安心」を裏切るようなどんでん返しはこないと踏んでいます。

 そんなことを思いながら、続き。見ようと思います。

TVアニメ「ニセコイ」公式サイト http://www.nisekoi.jp/

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