アニメ -となりの関くんの感想- 机の上の感動

http://www.nicovideo.jp/watch/1389286069

 原作を見ていない自分は、このアニメを見てちょっと驚いてしまった。

 何故かというと、この作品ってストーリーというストーリーがないのだ。あるのは、窓際の一番後ろの席にいる“関くん”が机の上でおりなす奇想天外なサボリ風景を、横にいる“横井さん”が実況するといった内容だけなんだ。

 しかも、サボリ方が明後日の方向に向かっている。

 とつぜん、机の上にドミノを並べたり、囲碁の碁石を使ってペルソナ戦を描いたりしてるのだ。あげく、将棋にいたっては謎の大河ドラマが始まり、最後はちょっぴり感動してしまう。

 関くんが机の上でおこなう摩訶不思議な世界は、見れば見るほど「何故か」楽しいし、「何故か」感動までしてしまう。

 いったい、この机の上では何が起こっているのか。

 自分は、この出来事と同じ感覚をどこかで感じたことがあった。

 それは、「動画」だ。

 ニコニコ動画やYouTubeの「動画」で、その感覚を味わったことがある。

 その動画では、ウサギが変形してロボットになったり、ハイポーション作ったり、縁髪の女の子が3DCGソフトで物語を紡いていたりする。

 この動画には、となりの関くんと同じ「何か」が含まれているんだ。でも、それっていったい何だろうと考えてみた。

 考えてみたら、この2つの中に潜むものの正体って、「遊び心」なのだと気づいたんだ。

 この2つって、言い方は悪いけど、手作り感満載だし。たとえ頭の中で考えても、実際にはやらないことばっかりだ。

 でもね。だからこそ、それを補って余りある「遊び心」がそれらには詰まっている。

 こういった動画を見て、こころが躍ったことってありませんか?

 この「遊び心」こそが“となりの関くんや動画”の面白さであり、楽しさだと思うんだ。

 「普段こんなことはできない」。でも、こころのどこかでそんな「何か」をしたいと思っている。

 僕たちは生活していると、しぜんと人の目を気にしてしまう。だからこそ、出る杭は打たれるように足並みをそろえちゃうよね。そのせいで、生活の中の「遊び心」がどんどんなくなってしまう。

 そんな失ってしまった「遊び心」を、関くんや動画たちが代わりにやってくれているんだ。

 この「遊び心」をちょこっとだけ見える位置から、横井さんが「僕たちと同じ目線」で見てくれている。

 僕たちが動画を見るように、横井さんは関くんの行動を見て、ときにツッコミ、ときに頷く。

 そして、ときに感動し、ときに関くんの机の上の物語に引き込まれていく。

 関くんの机の上は、そんな僕たちがこころの中に仕舞い込んだ「遊び心」そのものなんだ。

 だからこそ、僕たちはこころの底から「となりの関くん」という世界を楽しむことができる。

 そんなことを思いながら、アニメ「となりの関くん」を楽しんでいる自分でした。

アニメ「となりの関くん」公式サイト http://www.t-sekikun.jp/

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