アニメ -未確認で進行形の感想-

http://www.nicovideo.jp/watch/1389262573

今期ノーマークでの「未確認で進行形」。まったりとした4コマアニメなんだろうか。そんなことを思いながらの視聴でした。
 というのも、疑問に思ったところがあったからなんです。


 それが何かというと、実は「タイトル」なんだ。


 視聴前に、原作が4コマ漫画なのは知っていました。だけど、それにしてもなんだか変てこなネーミングだなと思ったんですね。


 1話を見た時は、許嫁である「夜ノ森 小紅」と「三峰 白夜」。2人の恋が“未確認で進行形”なのかなと、考えていました。
しかし、何話か見ていると、どうやら「それ」とは違う事が分かったんです。


 なんと、三峰家の人たちは、人間とは「ちょっと違った者たち」らしいのだ。


 なるほど。そこの関係性が“未確認で進行形”なのか。


 この納得と同時に、頭のなかに1つ思い浮かんだことがある。
 それは、この三峰家という存在が、「ファンタジー」であるということだ。


 物語でよく使われるファンタジー。このファンタジーって、実はくせ者なんだ。
 この要素の使い方を間違えると、作品に引っかかりが出来てしまう。これを僕は「ほころび」って呼んでいる。


 たとえば、「重力のない世界」があったとしよう。


 もし、この世界で人々が自由に飛び回っていたら、ちょっと不思議です。
 何故かというと、仮に重力がなくても、モノが動き回るには「推進力」が必要になるからだ。


 この推進力の説明が無いと、見る側にとっておかしな部分、「ほころび」になってしまいます。「ほころび」を取りのぞく説明がないと、見る側が混乱してしまうんですね。


 こういった「ほころび」を含んだモノ。それが、ファンタジーなんです。
 そんな「ファンタジー」が含まれている“未確認で進行形”。これを見ていて驚いたことがありました。


 それは、このファンタジーをメインに扱っていないところ。


 普通であれば、このファンタジーを面白さの中心にそえて、物語を進行させます。


 ファンタジーをメインであつかう場合、かならずそれを説明する必要があるんだ。それを怠ると、「ほころび」が出てしまい、どうしても見る側のノイズになってしまう。
 だからこそ、この「ほころび」の部分は大丈夫だよと、見る側に言ってあげる配慮が必要なんですね。


 けれど、この作品は違ったんだ。


“未確認で進行形”は、ファンタジーを関連性の説明に使う事で、「ほころび」を回避しています。
 この作品の面白さの軸はファンタジーではなく、「小紅」と「白夜」、彼らを取り巻く人たちとの関連性にある。


 三峰家の人たちは、この作品における「ファンタジー」です。


 ここで重要なのは、彼らの関係性をつなぎ、補強するために、ファンタジー要素が使われていること。
 彼らの馴れ初めと、この2人でなければならない理由を、ファンタジーを使って説明しているんですね。


 だからこそ、“未確認で進行形”は、「小紅」と「白夜」たちの恋愛。そして、彼らの家族、「紅緒」や「真白」たちとの“関係性”を楽しむことができるんですね。


 物語の軸をファンタジーにしないからこそ、ここから先は考えなくてもいいんだよと、大丈夫なんだよと、言ってくれている。
 ここが、この作品の面白さの一つだと考えています。


 現在6話まで放送中と、ちょうど半分まで終えた「未確認で進行形」。


 残り半分も楽しんでいこうと思います。


『未確認で進行形』TVアニメ公式サイト http://mikakunin.jp/

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