桜Trickの感想 このアニメは百合じゃない
http://www.nicovideo.jp/watch/1390190571
百合やレズといった「うわさ」が飛び交っている本作品。見る前の予想では、のほほんとした学園日常ラブコメディに、「百合要素をほんのりトッピングさせました」といった感じ。だいたい、それくらいの気持ちでの視聴だった。
それで見てみると、予想の斜め45度手前くらい、ベクトルがひん曲がっていたんだ。なにせ、1話から全力疾走。「キス」完全フルスロットルという、まさかの仕様。
そんな1話の視聴を終えて、1つ違和感を覚えました。それは百合なんだけど、何かしっくりこない、その違和感。じゃあ、いったい何なのか。
それは、この作品が百合を隠れ蓑にした「キスアニメ」なんだ。これは、驚いた。普通であれば、「百合だからキスをしている」と思うかもしれない。
でもね、実はそうじゃないんだ。確かに、百合成分は含まれている。けれども、この作品での百合は、あくまで手段でしかない。
百合があるから「キス」するのではなく、「キス」をするために百合をするという、ある意味、画期的なアプローチを試みている。
「キス」とは、女の子とするもの。それ以外の概念なんて存在しない。そして、キスは全てにおいて優先される。キスをしない作品は、作品にあらず。
このアニメは、そう言っている。
たとえば、ユルくて百合している作品として「ゆるゆり」がある。そんな「ゆるゆり」が百合の入門書なら、「桜Trick」はキスの実用書だ。
勘違いしてはいけない。「桜Trick」のジャンルは、百合ではなく「キス」なのだ。
「ゆりゆり」に男子生徒は出てこない。百合なのだから、出てこないのは当然だ。
しかし「桜Trick」は違う。存在してはいるが、彼らは本編にいっさい絡まない。すべては、男女のいる学校でキスをするという「背徳感」を演出するためだけに存在しているだ。
キスのためにあえて残す。けれど、介入はいっさい許さない。その潔さは、もはや清々しささえも感じてしまう。
考えれば考えるほど、頭を抱えるアニメだ。
「キス好きの、キス好きによる、キス好きのために、百合をお借りしました」と言うのが本作品の位置づけだと、僕は考えました。
今後どうなるのかは分かりませんが、2話も見てみようと思います。
桜Trick 公式ホームページ http://www.tbs.co.jp/anime/sakura/
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