アニメ -のんのんびよりの感想- 仮面の中の楽しさ
http://www.nicovideo.jp/watch/1381804974
2013年秋に放送された「のんのんびより」。
「宮内れんげ」とユカイな仲間たちがおりなす、スローライフ学園生活。
どこまでも続く、終わりそうで終わらない日常生活を淡々と描いている。
そんな「のんのんびより」の楽しさを1つ紹介したい。
それは、「会話のギャップ」。
この作品の軸は、「宮内れんげ」、小学校1年生で特徴的な訛り方をする女の子だ。
彼女は好奇心旺盛で、いろんな人たちに疑問を投げかける。
この会話の“あいだ”に生まれる「やりとり」こそ、この作品の楽しさなんだ。
主な登場人物として「越谷兄妹」や「加賀山楓」がいる。
彼らは彼らで、色んな会話をする。まじめだったり、ふざけたり。
そんな彼らと「宮内れんげ」には決定的に違う点がある。
それは「年齢」だ。
この作品で、「宮内れんげ」の年齢がいちばん小さい。
では、この年齢によってなにが違っているのか。
それは、とあるモノが含まれているかどうかなんだ。
含まれているかどうかの違い。この違いを、「建前」と人は呼ぶ。
彼らは、「宮内れんげ」と違って、成長している。
この成長という部分。この部分が「建前」という形で、会話の中に入り込んでいるんだ。
「建前」は、特別なものじゃない。僕たちの日常生活でも存在している。
それが、「宮内れんげ」と会話のキャッチボールをする時だけ、いつもと違う世界が広がっている。
「宮内れんげ」をのぞく登場人物たちの“会話”のキャッチボール。
そして、「宮内れんげ」との“会話”のキャッチボール。
この2つのギャップこそが「のんのんびより」の楽しさなんだ。
なぜ、この部分が楽しいのか。
「宮内れんげ」をのぞく登場人物たちの会話では、みんなお互いの空間を守るために、“建前”という名の仮面をつけている。
村という社会でも、みんなこの仮面をつけて生活しているんだ。
この仮面があるからこそ、僕たちは「自分と相手」を傷つけずにすんでいる。
もしかしたら、仮面を脱いでも傷つけないかもしれない。そして、傷つかないかもしれない。
でも、かもしれないの「かも」がぬぐえない限り、僕たちは仮面を脱ぐことができないんだ。
これは悪いことじゃない。誰だって同じなんだ。
だからこそ、彼らと「宮内れんげ」の会話に心を動かされる。
彼女は小学校1年生なので、まだ仮面をつけていない。だけど、もう手には仮面を持っている。
そんな彼女だからこそ、彼らは「仮面」を脱ぎ捨てて、会話することができるんだ。
彼女が、喜び、怒り、哀しんで、楽しむ。
「宮内れんげ」の今この瞬間の疑問や楽しさを、共有すること。
これが「のんのんびより」の楽しさに繋がっている。
それと同時に、仮面を脱ぐ勇気をちょこっと貰えるんだ。
僕たちがつけている「仮面」。これは絶対に必要なもの。
でもね。365日、仮面をつけていたら、ちょっと息苦しい毎日になってしまう。
だから、たまには外してみてもいいと思うんです。
そんな物語が描かれる「のんのんびより」。
たまには“仮面”、外してみませんか。
TVアニメ『のんのんびより』公式サイト http://www.nonnontv.com/
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