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藤川メソッドへの思い

「うつ消しごはん」を読んだきっかけは、還暦を越え、極度に心身が弱り、鬱病ではないだろうが、それに近い状態になったことだ。ここ何年も過激な仕事をこなして、いずれこの反動は来ると思っていたが、当時はついに来たかという思いだった。

本当に苦しかった。しかしそのことを人に相談することもできない。布団の中でうめくしかなかった。そんな時、食欲が極度に落ち、食べられなくなった。どうすればいいか?その時たいした理由はなかったが、ただ無理をせず、そ現状を受け入れ食べないようにした。本当の鬱病に苦しむ人からすれば、そんな開き直りができるなら、病気とはいえないと言われそうだが、自分としては本当に死ぬほど苦しかった。

しかし、そうすると不思議なことに少し楽になった。しっかり食べることが元気の源と考えていた私には不思議だった。いったいなぜだ。またこれ以上に改善するにはどうしたらいいか。そうしてネットを探すうちにたどり着いたのが「うつ消しごはん」だった。レビューに書かれた人の声は、神から救いを与えられた人々の声、そんな感じだった。そして救いを求めているそのひとりが自分。もう読むしかなかった。幸い電子化されているので、すぐに読める。早速購入し読み始めた。

衝撃だった。タンパク質とビタミン、ミネラルの不足。心の問題は体内においては栄養の問題として現れるという指摘だった。だったら病院に行くこともなく、改善はできる。プロテインといくつかのサプリ、これを購入して食するようになると、改善は進み苦しみは緩和されていった。さらに改善のみならず、近年低下していた意欲まで戻ってきた。

私はその衝撃ゆえ、藤川先生に会ってみたいと考え、そして会っていただいた。その内容は、批判者も多いので、あえて書かないが、私には信頼するに十分な内容が聞けた。帰り、駅まで奥様に送っていただき、車中いろいろなお話が聞けたが、その内容も素晴らしいものだった。

また、藤川さんの考えを実践指導されるトレーナーの話も聞きに行った。またネット上での実践者の情報交換も調べてみた。自分なりのビタミンの摂取への勉強もしてみた。すると、藤川先生がイケイケのように見えて、考えられる問題を念頭に慎重に助言されていることにも気がついた。

この元気の回復は、私の仕事に対する構えを変え、別の人生を歩み始めたと言えるほどに変化は大きいものになっていった。

一方、この「うつ消しごはん」には私の仕事上、無視できないことが書かれていた。それは発達や学習に障害を抱えた子どもたちも、同様の方法で改善できるという。これこそ衝撃だった。私はTwitterで「うつ消しごはん」を紹介した。

そこからが信じられない展開となった。否定、批判、非難の大炎上大会となったのだ。当初は戸惑いしかなかった。しかも、今もこの件についてつぶやけば炎上する。どうも科学的にはっきりしない方法を推奨するなとのことらしい。

ただ、どうもそれが不思議でしかない。というのも藤川先生の提言は、科学的に立証されているビタミンの効用を生かすために、その処方を提案されているだけだ。あえて尖ったところを見るなら、精神的な病理を栄養によって改善しようということだろうか。

当然、食事についても言及がある。糖質を減らし、タンパク質をしっかり摂ろうということ。単純にビタミンサプリをガンガン飲みなさいというものでもない。私には無理のない自然な提言と思える。

ただ薬に頼らなくてもいい、医者いらずというのが批判の的になるのだろうか。

藤川先生は、プロテインやサプリについても、誰でも簡単に入手できるものしか推奨されない。一部批判にあったような、個人の利益を目的とされてない。あまりに的外れな批判も多い。

私はこうした批判者からのリプはブロックさせてもらっている。というのも、先方は私の言ってることを読むのは嫌だろうから批判してくる。それなら私の文章が目に入らなくなるのは、先方にとっても気分を害さない点でいいはずである。また私としても、批判する人には提案がないことがほとんどなので、読むには値しない。つまり、お互いにメリットがある。言葉のイメージからすると、ブロックとは人間関係を拒否するもののようにように思われがちだが、私は人間関係を円滑にする知恵と思う。

でも藤川さんのメソッドをめぐる動きって、市民権を得るまでの百ます計算によく似ている。要は、新しい提案が市民に定着するまでは、従来の考えでやっていた人たちを刺激し、否定されたと感じさせてしまうのだろう。

そういう点で、時間や紆余曲折はあるけれど、藤川先生や百ます計算に限らず、議論とは別次元で、事実に即し、時間の経過の中で社会に浸透していくのではないかと思う。

私としては、藤川さんの提言をきっかけとして、精神のみならず、現代に現れてきた人間のいろいろな病理や教育の課題を、栄養や食物の観点から考察していきたい。


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