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「VRブラッドリコール」戦闘BGM振り返り


はじめに

本日7/27(土) 18:00から、「VRブラッドリコールVer.2.0」のクラウドファンディングが始まっています。

「VRブラッドリコール」は、シエラゲームス様制作のアナログゲーム「ブラッドリコール」を一般社団法人REARV様がVRで遊べるようにしたもので、VRChatで公開されておりVRChatのアカウントがあれば、誰でもプレイ可能になっています。

そして本クラウドファンディングは「VRブラッドリコール」に拡張「最期ノ詩」を実装するためのクラウドファンディングとなっており、その一環でブラッドリコールをモチーフにしたBGMの制作が決定致しました。
その上で、この度ブラッドリコールの「戦闘BGM」「日常BGM」を影虎。が担当させて頂くことになりました!

その上で、本日戦闘BGMの「Bloody Justice」が公開されました。

今回はその本楽曲に関して色々と書きたいこと・解説したいことがあったので、軽く書き起こして行きたいと思います。


楽曲に関して

楽曲のコンセプト

楽曲制作に先立ち、まずはゲーム概要・世界観の確認や、VRChat上で制作チームとのMTGを行いました。
その上で、以下のような点が強く印象に残りました。

  • 「想起血戦」ゲームである

  • ブラッドリコールは設定集・背後にあるストーリーに非常に重点を置いている

    • 故に、エモーショナルな方向性でも良さそうだという話が挙がった

  • クトゥルフ神話ベースの世界観で、過去の英雄の力を借りて邪神に立ち向かう

    • 「過去の英雄」が1900年代〜2020年代(????年代)と非常に幅広く、そのニュアンスをどう出すか?

  • ブラッドリコーラーが加わったり、時には倒れていく

  • 死闘の中で覚醒した主人公が、邪神との死闘に挑み勝利を掴み取る

これらを踏まえてリファレンスをベースにして、「オーケストラ中心の曲で、シンセサイザーはあまり全面に出さない」という方針で制作することにしました。

楽曲の細かい話

■イントロ
クワイアや金管楽器を前面に押し出したオーケストラサウンドで、緊迫感があって何か悍ましいことが起こりそうな雰囲気を強く出してみました。

■Aメロ〜サビまで
Aメロで一旦静かになります。前述の「楽曲のコンセプト」に当てはめるなら、1人のブラッドリコーラーがその場所に降り立ったイメージが近いです。サビでは伸びやかかつアグレッシブな弦楽器をメインに、綺麗なメロディーを前面に出してみました。
トラックの構成としては、シンセサイザー的な音は前面に出しておらず、リズムを刻みながら鳴っているコードのシンセが裏で鳴っているぐらいです。ドラムもあまり「打ち込み感」のある音ではなく「生のドラム感」がある音にしています。

■サビ終わり
またオーケストラサウンドに戻ります。ブラッドリコールはクトゥルフ神話ベースの話ではありますが、ここでは意図的に「日本」「炎」の2要素が感じられるようにしています。これはブラッドリコーラーの1人である廃滅の緋が没年1923年であることや、廃滅の緋が使用していた武器であるヒヒイロガネから着想を得ています。
当初は和楽器をアクセントで使うことも検討したのですが、そうするとあまりにも「和風」により過ぎてしまうのでそれは意図的に避けました。

■ブレイク
前半はクワイア・パイプオルガン・チューブラーベルをメインに使用しています。イメージとしては教会や、過去のブラッドリコーラーへの追悼です。

■ラストサビ
一回2/4拍子を挟んで転調します。ピアノとストリングスのユニゾンによる効果で、最初のサビよりも遥かに明るく希望がある雰囲気を出してみました。
ここもサビと同様にシンセサイザー的な音はかなり控えめですが、唯一裏でアルペジオ的なフレーズを鳴らしています。これによって現代感と楽曲そのものの明るさを加えていまして、今を生きる主人公の希望と決意が感じられるようになっているのではないかと思います。
ラスト8小節は最初のサビの後半部分を想起して、そのまま次のバトルへ……といったところで楽曲が終わります。


以上、解説兼振り返りでした。

最後に

改めまして、冒頭でも説明した通り本日7/27(土) 18:00から「VRブラッドリコールVer.2.0」のクラウドファンディングが始まっています。
8/26(月) 24:00までの開催となっておりますので、ご興味のある方は是非VRChatでブラッドリコールを遊んだり、クラウドファンディングの内容にも目を通して見て下さい!


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