意味のない歌詞から急に哲学が出てくる瞬間にたまらなく興奮する

るらら ほにほに いつも かみあわない
2人の会話 コピー&ペーストすりゃ
ぐるぐる回るプラネット 地軸も きっと しゃきっとするよ
ふにふに みんな かみあわない
『片道きゃっちぼーる』

僕はaikoも西野カナも聴くが、アニソンもよく聴く。アニソンの中でも電波曲と言われる脳が溶けてしまうような曲が特に好き。

なぜかと聞かれれば、「意味のない歌詞から急に哲学が出てくる瞬間にたまらなく興奮する」からである。冒頭の『片道きゃっちぼーる』という曲なんか最高。(脳が溶けてしまう、は聴いてみて、なんとなく感じ取ってください)

『片道きゃっちぼーる』はとにかく、歌詞がよくわからない。
冒頭の歌詞はサビなのだが、Aメロもよくわからない。

「キライ」って言葉やたら使う人は嫌い あふれるパラドックス
テレパシーなら時も場所も軽く越えて 不毛な口ゲンカ

まぁなんとなくわかるけど…うん…

るらら ほにほに なぜか かみあわない
4年に一度のハッピーバースデイ
平均律で祝えば ピアノも きっと ぐにゃっとするよ

ピアノ…?なるほど…?
こんな感じで聴いていると、大サビで以下の歌詞が続く。

ほにほに 羽根の 整わない 君の折り紙 貸してみせてよ
全部ひらいてみたら ほんの小さなカドのほころび
ひとつだけ色の違うボタン 気に入らなくて捨ててしまったけど
 大人になったときに ズレた世界も愛しく思うよ

急に哲学が始まる。いや、今までの歌詞ももはや哲学に聞こえてくる。
小さなほころびが、全体の折り紙を整わなくさせている。これは現実社会でもある、小さなほころびが「ズレた世界」を作り出してしまう例である。

しかし、「大人になったとき」に、その「ズレた世界」も愛しく感じるのである。成熟した資本主義社会では、あらゆることが予定調和的に進む。大きな年功序列の仕組みは崩せないし、スーツを着なければいけないし、色の違うボタンなんてつけてられない。

あらゆることがきっちり設計されているからこそ、面白みがない世界になってしまっている。そうして大人はつまらなそうに、毎日、満員電車に詰め込まれる。大人になった時に、チグハグな「ズレた世界」が愛おしく感じる。
『片道きゃっちぼーる』の2番ではこんな歌詞もある。

世界中で流行るディスコミュニケーション
 赤い糸は いまはコンビニで安くて 
手に入れたら そのときから もうほどけない

話は戻るが、僕はこういう、急に哲学が出てくると興奮する。
「はにほにっ!」とか言ってたら、急に資本主義社会へのアンチテーゼがくる感じ。たまらない。

先日、自宅の猫の首輪がボロボロになっていることに気づきました。サポートしていただいたら、猫の首輪にして、noteに投稿します。