『人を動かす』という不朽の名著

デール・カーネギーの『人を動かす』を読んだので備忘録。

1937年に発売という、80年以上前の本で、自己啓発本の元祖とされている。最近の本を読んでも、確かにこの本の影響というか、趣旨が同じようなことがあるくらい、不朽の名著というやつだった。

犬になろう

本の趣旨としては、「人を動かすためには、人に好かれ、懐に入り込むこと」が大切、というようなことだった。(かなり雑)

面白かったのは、「犬はそのことを完璧に理解している」と言っていたこと。
つまり、相手に対して興味を持って、駆け寄り、何をしても喜ぶ。
そんな犬には、どんな人も笑顔を向けて、犬のために色々やってくれる。
「喜んで、いうことをきく」ようになるのである。

粋な逸話の数々

基本的には粋な逸話の数々で進められていた。
面白かったのはいくつかある。

カーネギーの義妹の息子は、大学生になり一人暮らしをはじめ、手紙を送っても決して返事を返さなかった。
カーネギーは「返事を送って欲しい」と書かずに返事が来るか賭けをした。

カーネギーは手紙の追伸に「君に5ドルの小遣いを送るよ」と書いてそのお金は手紙に同封しなかった。
すぐに返事が送られてきて、「叔父さん、お手紙ありがとう」と書いてあった。その後に何が書かれていたかは言うまでもない。

その人が何を求めているかを見抜き、そこに働きかけることで人は動く例。

ベテラン飛行士の飛行機を整備している若い整備士が、ある日間違えて違うオイルを飛行機に入れてしまった。ベテランの飛行士が、飛行の前に気づいたことで事なきを得たが、もし飛んでいたら事故が起きていたことは明白だった。
そこで、とんでもないミスを犯した若い整備士に、ベテランの飛行士は肩に手をやり、「君にこれからも、私の飛行機の整備をお願いしたい」と伝えた。
その若い整備士は二度とミスをしないよう、今まで以上に熱心に仕事をやり遂げた。

渋い...

特に印象的だったのは、冒頭のエピソード。

史上最悪の立てこもり事件を起こした重罪人が、裁判の場でなんども言ったセリフが「俺は悪くない、悪いのは社会だ」と言った、というエピソード。

世紀の大罪を犯した人でも、誰でも、「自分が悪い」とは思いたくないし、実際、ナチスの大量虐殺や歴史的事件を引き起こしたのは善良な市民であったことは多々ある。

結局、感情で人は動いているし、その善良な心や自尊心に働きかけることで、「人を動かす」ことができる。


先日、自宅の猫の首輪がボロボロになっていることに気づきました。サポートしていただいたら、猫の首輪にして、noteに投稿します。