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Helltakerほんやく後記

↓ここから下はHelltaker未プレイの方もあんしんしてお読みいただけます。

Helltaker、地獄より悪魔娘どもを連れし者。
石やアンデッド、針山をかいくぐりながら最高のハーレムをつくろう。
https://store.steampowered.com/app/1289310/Helltaker/
パズルが解けなくてもEscキーでスキップできるから脳筋もあんしんだ。
買い。無料。アートブックを買ったり、Patreonで支援しよう。
https://www.patreon.com/vanripper


↓ここから下はHelltaker既プレイの方向けのあれこれです。ネタバレもあるからまずはプレイ(しなさい)(無料で)


1.日本語化ファイルリリースまでの経緯とか

リリース日、蒸気上のオタクたちが地獄でイチャついているのを見て、決断的にインストール&プレイした。よかった……ビジュアルと小気味よい音楽もさることながら、ゲームの難易度上昇曲線も適当かつ適正で、「頑張ればクリアできる」ほどよい感じに収まっていた。あとRキーですぐリトライできるってのもよい(PCゲムオタクは本能的にRキーでリスタートできると本能的に理解しがち)

さっそくVanripper先生にほんやくの打診をした。わしは無料で公開しているものは無料で訳してもいいかなって生き物なので、そのへんに迷いはない。
先生は「土曜に翻訳できるようにするよ~(気さく)」と返信してくださったので、わしはキャラについてメモを作り、ジャッジメント・デイを不眠不休で待った。よく眠れた。(眠らないといい仕事はできない)

朝目が覚めると、トランスレーションなんとかがアプデで追加されていた。(ゲームのフォルダ内の「local」ってやつ)これを直接いじると外国語でも何でも実装できるすごいやつだ。蒸気空間ハブの「Translation」には既にドイツ語・ロシア語の訳が上がっていた。さすが前の戦争で猛獣戦車をつくった奴らは仕事が早い。わしもほんやく作業に取りかかった。

ほんやくファイルではどの台詞を誰が言っているのが分からないため、(台詞のほとんどが大文字のジャッジメントを除く。)英語版を動かしながら台詞をチェックして訳す。誰がどういう話し方をするかとかは、初回プレイ時に決めていたのでそんなに悩まなかった。問題は文字のレイアウトだ。日本語の文字サイズがやたら大きく、(1.5倍くらいはある)改行の位置を調整するのに苦労した。ちょっと文を調整したり、技術担当のEaiに半角スペースを挿し込む位置を教えてもらえたり……

そうこうしているうちに日本語化ファイルが完成した。作業時間は6時間ほどであろうか。ほとんどが改行位置の調整と、ラスボスの会話シーン作成で苦労した時間だった気がする。あとは適当なDrop箱にアップロドー(伝統的蒸気文法)して日本語化ファイルをリリースした。みんな訳を使ってくれてありがとう。原作の魅力をどこまで引き出せたかは分かりませんが、ベストをつくせたと思います。みんなも私家訳を作りたくなったら、localフォルダをいじろう。きわめて男らしい感じでテキストが格納されているぞ。


2.キャラについて

Helltakerのキャラはみんな魅力的。ほんやくにあたって、彼女たちには細心の注意を払った。ウカツな訳をすれば死 or Death...あっさりとDeadEnどってしまう。1.で書いたリリース時プレイのメモも同梱する。なにかの参考になるかもしれない。

パンデモニカ

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メモ: パンデモニカ,私,生真面目,疲労困憊悪魔
パンデモニカ嬢は迷うことなく訳せた。(文字通り)モンスター客の相手を毎日こなし、物腰は低いものの、卑屈ではなく、足元も掬われない……プロフェッショナルを意識した。エピローグでは主従が逆転しているように見えるけど、実はヘルテイカーは当初の契約を履行しているだけ。キャラクターの根幹を維持しながら関係性を変化させているところがすごく好きですね。ハイ。

モデウス

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メモ: モデウス,あたし,あざとい,すーぐ恋に落とそうとする,淫蕩悪魔
モデウスちゃんはあざとく、かわいい。蒸気スクリーンショットフォルダさいしょのスクショが彼女だった。一見すると恋に落ちがちの女の子だけど、実際は暴力行為を好むギャップもあって1粒で2倍おいしい。エピローグで恋について学んでいたので、きっとちゃんとした「ロマンス」を歩むことでしょう。相手はわからないけど。(このへんでカプ論争が起きそう)
興味、これが彼女の第一のテーマだった。最初のメモに淫蕩と書いたものの、二つ名にはもっと根本的な要素を強調したかった。だから、好色を選ぶことになったんですね。結果としていい感じに収まったような気がする。台詞にひらがなが多いのは可愛さを重点したのもあるけど、まだ発達の余地があるって意図もあるよ。かわいいね!

ケルベロス

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メモ: ケルベロス,ボク,きゃっきゃ,いたずらっ子,やっぱり同じ三つ子悪魔
三つ子悪魔のケルベロス。初プレイ時は三頭の番犬をよくもこんなに可愛くできるものかと感心した。アートブックにも書いてあるけど、彼女は3人で1人らしいので、台詞を3人で分けて喋っていると勝手に想像した。端的に言うとビシバシチャンプみたいな言葉の分け方ですね。いつか吹き替えの機会があればやってみたいところ。立ち絵が静止画なのにすごくのびのびして躍動感があってすごくいいですね。話はそれるけどVanRipper先生のDayStoneも動きの躍動感がすごいぜ。さっそく見て決断的ドネートー(しよう)

マリーナ

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メモ:マリナ,アタシ,諦観,オタクの精神を形にしたMA,実質作者
悪魔をPCシミュレーションゲームオタクにしようという発想がまともじゃない気がするけど、彼女は孤独なりにまともさを保とうとしているとも考えられる。ほとんどシミュゲーオタクを女体化したような存在だけど、今後も友だちはあまりできない気がする。彼女にとってゲームは時間つぶしではなく、人生、もとい悪魔生を賭ける重要ななにかなのだ。毒舌悪魔が二つ名だけど、つらい人当たりは彼女自身の対人関係の浅さから来ている。今後ヘルテイカーが上手く付き合ってやればこの異名も変わるのかもしれない。
当初は名前を「マリナ」にしていたけど、後述するズドラーダとの兼ね合いで名前に長音を入れた。姉妹の関係性を名前でも示唆する意味がある。

ズドラーダ

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メモ:ズドラダ,ウチ,不真面目,オタクに優しくないギャル.性悪悪魔
ズドラーダは本当にいたら友人にもしたくない悪魔だけど、なんやかんやで腐れ縁が続きそうな……そんな気がする。「性悪悪魔」の二つ名からしてそうだ。悪魔が性悪なのは分かり切ったことである。そのうえで二つ名にしているのだから相当だろう。あーやだやだ。……だから好きなんだけどね。訳してて一番楽しかったひとかもしれない。その場の気分であれこれするからぱっと見、一貫性が無いように見えるけど、他者には理解できない哲学を彼女なりに持っているような、そんな気がする。(ないかもしれないなぁ)頼めばえっちなこともしてくれそうだけど、気が変わったら0.2秒でMr. Sandmanしそう。そういう奔放な悪魔らしい悪魔だ。

アザゼル

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メモ: アザゼル,本官,自分,新人警官ふう,まじめ.インターン
ズドラーダの加入で一層混沌とした一行。アザゼルをここに入れたのは真面目な奴を入れてバランスをとろうとしたのかと邪知する。彼女は新人警官というか新人研究者というか、まだ世慣れしていない初々しさを意識した。サイコパス1期の常守ちゃんを更に堅物にした感じ。善意と好奇心で行動するけど、研究目的のためなら犠牲もいとわないあたり、伊達に地獄の深層にまで墜ちていないと思う。多分彼女はあのままなし崩し的に堕天するんだろうなぁ。不憫な子ねぇ。語尾が面白いことになったけど、結果として個性を際立たせることができたんじゃないでしょうか。実は画像のシーン、ダブルミーニングだけどお気づきになりました?ついでだけど、天国Endに出てくる上級天使、めっちゃ可愛いけどアートブックに載ってなくて泣いた……

ジャスティス

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メモ: ジャスティス,オレ,自由人,姉貴,デイナ・ゼイン
超人だけど、頂点を目指さずに気ままに隠居生活をEnjoyする……それが彼女のジャスティス。ジャスティスは誰からも愛される超人をイメージして訳した。ただし、彼女の奥底にあるものは誰も理解できないかもしれない、ちょっとミステリアスなところも兼ね備えている。メモに直球過ぎる人物名が踊っているのはそういうことなんだなぁ。レギュラーキャラじゃないけど、ちゃんと存在感を発揮してまたどこかへ行く……人気投票で上位にずっと食い込んでそうなひとだね。エピローグに自身の目を×××と言ってたけど、彼女ならそう言いそうな気がしません?これは商業翻訳じゃないからちょっと挑戦的な訳も使えていいですね。

ルシファー

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メモ: ルシファー,余か我,誠実,チョロそうでチョロくない
みんなだいすきルシファーちゃん。がっつりアニメしている登場シーンから威圧感ある話しぶりでいかにもなCEOの風格を醸し出している。けどその後のジャッジメント戦でかわいらしいギャップを出したり、エピローグでスーパー愛妻ぢからを発揮していて実に魅力的なキャラとなっている。彼女の一人称は悩んだけど、「余」を選択した。一応女王様みたいな立ち位置だしね。名前も「ルシフェル」とどっちがいいか考えたけど、音で「ルシファー」にした。かわいいからね。言葉選びに悩んだら口に出してみるのはけっこう有効な手段だと思うよ。
まったくの余談だけど、アートブックのポーズって元ネタがあるのかなぁ。なんとなくジガの命令者ちゃんのポーズを思い出した。ホントに余談だな。

ジャッジメント

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メモ: ジャッジメント,尊大,威圧的,堂々,検事総長
多くのプレイヤーたちを苦しめたラスボスのジャッジメントだけど、素の性格はけっこう丸いんじゃないかなぁと思いながら訳した。とにかく彼女の言葉は固く、壮言で、威圧的。全ての文字が大文字になってるぐらいだしね。だから翻訳にでてくる固有名詞も漢字ゴテゴテのつよそうなやつにした。「原罪執行装置起動!」とかね。よく考えると彼女の「カッコイイ単語」には矛盾が含まれている。ふつう「検事総長」には「最高」なんてつけないし、「原罪執行装置」も何を執行するのかが分からない。ちょっと薄っぺらい取って付けた言葉で着飾っているんですな。もっとも、この役職そのものがそういう性質を持っているのかもしれないけど。地獄の責め苦は裁量で行われるしね。(悪魔治主義)デレるとかわいいから、気になったキミはもう一度ラスボスに挑むといいぞ。だんだん楽勝になってくるから。

ベルゼブブ

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メモ: 吾輩,意味深,ナレーター,たくさんの異名、だけど誰も理解しない
隠しキャラのベルゼブブ嬢。ちゃんとパズルを解かないと会えないってのはなかなかいい塩梅だと思う。全部スキップしても女の子たちとは会えるものね。実はこれまでHelltakerたちが連れ去った女の子はみんな「夢の中で見た娘っ子」とは違う。みんなおっぱいをしっかり閉じているんだぜ。思わせぶりに見せてくれるのはベルちゃんだけだ。うっわ、えっろ。結構キャラの理解に苦労した。今も理解できていないかもしれない。あくまで一プレイヤーの意見です。意味深なことを吐いているけど、Helltakerを地獄にいざなったのはおそらく彼女で、どうにかして自分の友だちなり眷属にしたかったのではないだろうか。ゲーム終了時のセリフも、Helltakerを指すのか、自虐的に言っているのか、はたまたプレイヤーに向けているのか、わりと解釈の余地がある。もしかしたら今後その辺が描かれるかもしれないね。

ヘルテイカー

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メモ:んなもんいらん
作中で一番コミュ力あるひと。体力も筋力もあるし、パズルを解くだけの知力もあるから実はチート系主人公。訳に気をつけたのはただひとつ。「絶対に不快感を与えないこと。」彼に感情移入ができなくなったらおしまいだからね。結果として、彼のセリフ回しには満足している。いろんなシーンでいろんな面を出しているし、主人公の務めである話の推進力としても機能している。創作をするなら、参考にしてもいいやもしれない。

警察

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うしろの子がかわいい。

3.お腹がすいたのでこのへんで切り上げます

Helltaker……多くのオタクを狂わせたおそろしいゲムーだった……作者のVanripperサンには積極的Donate(しましょう)しよう。もし訳が気に入ったり、訳してほしい要望とかあったら、ツイタとかここのコメント欄とかに書いてください。拝見します。(実現できるかはケースバイケースです。何らかの形でご報告をしますぜ)

それではまたどこかでお会いしましょう!またね!

したのサポート欄に投げ銭していただければ次の翻訳の原資になります。投げていただけるといっぱい訳せて最強になれますぜ。

ほんやくに必要なあれこれの原資になります。よろしくネ