ここが俺のいきる場所/川西翔太(岐阜へレンタル)

悔しかった…悔しかった…
戦力の差、そんなことは分かっていた。
それでも悔しかった、何もできなかった、ホームなのに…。
涙が止まらなかった。

J1へ昇格した大分トリニータからJ2でも下位FC岐阜への期限付き移籍
“個人残留”
途中出場が大半ながら土壇場を救うゴール、献身性に満ち溢れる中盤での運動量で躍進に寄与してきた。
4年ぶりのJ1をこのチームで戦いたい、大分で今の自分を試したい。
そんな中での個人残留。
それでも与えられたステージで求められるベストを尽くす、若いチームを引っ張っていこう。
そんな思いの中迎えた開幕。

結果がついてこないチーム、それでも出番はなかった。
かつての古巣はJ1で旋風を巻き起こしていた。
腐ってしまいそうだった、それでも腐らなかった。
『出番が来た時にしっかりやれるように腐らずにいよう。』

腐ってしまいそうだった時、仲間たちとそう言って支え合ってきた。
辛いリハビリを来る日も来る日も黙々と続けていた仲間
そうして掴んだ出番を奮い立たせてくれた先輩
結果が出なくても応援してくれるサポーター

監督交代という不本意ながらも得た出番
時間はかかったが連敗を止める2ゴールで結果を出した。
結果だけでなく、諦めずに走り続ける背中でチームを引っ張った。

だから、悔しかった、涙が止まらなかった。
時間は待ってくれない。
迎えた8月31日
FC岐阜に携わるすべての人に特別な8月28日
その右足は岐阜に2回の歓喜をもたらし、4戦ぶりの勝利を勝ち取った。
歓喜の空に指で“13”をつきあげた。
自分に最高のパスを出してくれるはずだった”背番号13”

シーズン残り11試合
最下位に沈んではいるが1つ上の背中はすぐそこに
背番号13のためにも今年のJ2残留は譲れない。
まずは来週、今度はホーム長良川の空に“13”をつきあげよう。


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