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オシメルチニブ

オシメルチニブに新しい適応【2022.8】

オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)に新しい適応「EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法」が承認された。
今までは、手術不能又は再発のみの適応だったが、術後アジュバントにも使用できるようになった。

今回の承認は、病理病期I B〜ⅢAを対象とした試験結果によるものであるが、本邦では病理病期Ⅱ~ⅢA期の患者のみが組み入れられた。(ADAURA試験)
また、術後補助療法の場合は投与期間は36ヶ月までとなっている。
エルロチニブ(RADIANT試験)でもDFS(無増悪生存期間)は立派な結果が出ていたが、OSには有意差がなく、2021ガイドラインでも推奨度決定不能とされていた。オシメルチニブでのOSの有意差についてはまだ記載がない。(2022.10現在)

注意する副作用としては、QT延長間質性肺炎が挙げられる。
また皮膚障害、爪障害、消化器障害、口内炎などのEGFR-TKI特有の副作用も高頻度で現れる。

タグリッソ錠添付文書より

T790M変異とは

EGFR-TKI治療で耐性を獲得した後に主に現れる変異。
EGFR-TKI未治療時での陽性率は1%程度だが、治療歴のある患者では約半数に見られる。
半数と言われるとcommon mutationの中にいれても良いのでは?と思ってしまったが、耐性獲得後に主に出現してくる遺伝子変異という点がミソ。
common mutationとされているのは、Del19L858Rである。
また、T790M変異に対応できるオシメルチニブに、さらに耐性を出現させる変異としてC797S変異がある。


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