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春剱~池ノ谷の内院へ~(池ノ谷右俣・中央ルンゼ)

4月15日。
立山黒部アルペンルートが華々しく開通を迎えた数日後、剱岳の奥深くでもう一つのマニアックな「開通」が行われた。
そう、冬の間、条例によって立ち入りを禁止されている「池ノ谷」だ。

スノーブリッジ。
「渡るのか、渡らないのか、どっちなんだい!?」(中山きんに君風に)

この時期だけ通れる池ノ谷の核心部「池ノ谷ゴルジュ」。
雪崩と土砂崩れの凄まじい渓相だ。(ここも通るか通らないかは自己責任で、色々危ないので)

この日は剣尾根末端まで。
池ノ谷左俣はデブリでいっぱい。

翌日。早朝から池ノ谷右俣へ入る。
先行の最強パーティーは、「奥壁」へ向かうようだ。
僕らは昨年同様、中央ルンゼへ。

昨年は6月上旬に来たので切れ切れの雪渓に苦労したが、今年は雪ばっちりで快適に進む。
剱はやっぱり、「雪」次第だな。

核心のF4は見事だったが、登ってみると氷質はかなり柔らかい。
抜け口はベルグラっぽい。

F4を超えてあと2か所、数メートルの氷が出てきた。
こんな奥地で滑落など許されないので、念のためランナーを設置して抜けた。
この後は、なんとなく稜線も近いかと思わせられたが、そこは「試練と憧れ」剱岳。
そうカンタンにはいきません。
難しくはないがとにかく長いフィナーレへのルンゼを、ふくらはぎ休ませながらなんとか頑張って、やっと剱尾根コルAに着いた時は感動した。
パートナーと二人、しばらく絶景を堪能する。

その後、コルAから懸垂下降1回で池ノ谷左俣の上部の雪渓へ。
そこから長いバックステップでの下降ののち、池ノ谷左俣へ降り立った。

今回は本当に天気周りに恵まれた。
個人的には、天気や雪の状態で敗退続きの冬のシーズンだったが、久しぶりに成果が上がって大満足の池ノ谷山行だった。
剱岳、今年もよろしく!!

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