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鉛蓄電池

 鉛蓄電池は、負極に鉛Pb、正極に酸化鉛(Ⅳ)PbO2、電解液に希硫酸H2SO4を用いた電池です。起電力は約2.0Vと比較的大きく、自動車のバッテリーなどに用いられています。

 鉛蓄電池の構成は次のようになります。

            (-)Pb | H2SO4aq | PbO2 (+)

 放電時は、負極のPbが還元剤として働き、正極のPbO2が酸化剤として働きます。ともに、鉛(Ⅱ)イオンPb2+となりますが、硫酸イオンSO42-と結びつき、硫酸鉛(Ⅱ)PbSO4として付着します。PbSO4は水に溶けにくい白色の物質です。

 一般に、充電することでくり返して使えない電池を一次電池、くり返して使える電池を二次電池といいます。

 鉛蓄電池は二次電池です。外部直流電源によって充電すると、放電時の逆の反応が起こり、電極と電解液は元の状態にもどります。 

鉛蓄電池の反応と計算

 鉛蓄電池の放電で、2.0molの電子が流れたときの両極板と硫酸H2SO4、水H2Oの質量変化について、考えてみましょう。分子量H2O=18、原子量Pb=207、式量PbO2=239、PbSO4=303

 負極について、Pb⇒PbSO4で207gから303gとなっているので、96g増加です。正極について、PbO2⇒PbSO4で239gから303gとなっているので、64g増加です。H2SO4は両極の反応で合わせて2.0mol(196g)消費されています。

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