日本人の「性格的な傾向」について 2022/07/10
ー日本人の「性格的な傾向」について 2022/07/10
(5) 07-09 質素倹約を美徳とする伝統を持つからこそ政治家の責務は重い - YouTube
この動画で指摘されていることは明示的でない「日本人の性向」の最たるものであると理解している。「状況に合わせて共同体が上手く機能する」ことを志向(優先)し、其々に自らの「役割」を認識して担うというものである。
本来日本では、人間は基本的に対等であり公的でないところでは「無礼講」である。公的な立場では「役割」が優先され、それに相応しい能力が求められる。人々の目がある程度行き届く水準の規模の共同体であれば上手く機能するが、それ以上の大きな組織になると難しい問題を孕んでくる。
この問題をどのように解決してきたかというと、日本では「百姓(有能な血筋)」をもとに纏まり機能させてきたと言えるであろう。縄文海進もあり万年に及ぶ時間をかけて日本列島での純粋な「熟成期間」があり現日本人が生まれた。自然災害は多いが豊かな自然に争いより「生活の質の向上」に励んだ。
他者の侵略による「支配被支配の関係」ではなく、皆一緒に成長したことにより指導層にも支配的なものがなく、役割分担による共同体の質の向上を目指してきたといえる。日本は、自然発生的な形で各共同体が大きくなり、一部が覇権的な動きをするのではなく各共同体が纏る形で国家を形成した。
大陸&半島の力が増した時代に、日本へは各支族が移動してきた。その背景は大陸の各種の事情を反映したものであったが、その頃には日本が側にもそれなりの大きな体制(大和朝廷に繋がる体制)があり、大きな集団として渡ってきた者達には居住地他が与えられ氏族として組み込まれてゆく。
この観点から日本の歴史を捉えると、日本の西側で「天皇(後付けの名称)と民」の共同体が生まれ、稲作及び関連技術(鉄や青銅の技術)の拡大を通じて各共同体が纏り、豪族(百姓の延長)の分散統合体としての大和朝廷(天皇排出豪族が鼎となり)に結び付く。
大陸&半島の情勢の反映で「国としての纏り」が必然的に起り移動してきた氏族の影響もあり中央集権体制(官僚制)の「律令国家」への転身を図る。その後に大陸&半島の影響力が衰え、国内も本来の地域分散の在り様が再興されて武家が台頭する。律令国家以前の豪族の流れを汲む「幕府体制」が確立する。
幕府体制は、西側と違い本来の日本を色濃く残していた東側が主体になり「鎌倉幕府」が確立する。その際、日本は古くから在るものが残され「天皇と民」の在り様は継続され、武家による政体としての幕府体制となる。
この頃から「国体(天皇と民)」と「政体(百姓と民)」になり、再度「百姓」が指導層として役割を果たしてゆく。その百姓に「武士道」が確立してゆくことになる。この武士道が日本独自のものとなり、鎌倉ー>室町ー>江戸と深化してゆく。
この深化の過程で、所謂「清貧の思想」が醸成されてゆくことになる。日本列島の中で自立自存型の「循環型の生活様式」を発展させてゆくために、共同体としての性格が色濃く出る形のものになる。王政による反動(南北朝)もあるが、伝統的な大きな流れとして百姓による統治が日本の基本として継続してゆくことになる。
直近150年程は西欧近代科学技術文明との遭遇であり、「天皇と民」の国体は継続しながら近代国民国家へと変化してゆく。政治は百姓から「民」自体が担うことになるが、やはり長く続いてきた政体の在り様の影響は大きく、民が政治を担う意識が醸成されるにはまだまだの域にあると言える。
同時に、中甥集権の官僚制の悪弊も歴史的にあり、事勿れで明治維新以降の教育体制で育成された「官僚」による「権威主義」なり「選民思想」が醸成され、大きな錯誤を明治以来の過程で数度にわたり犯している。人間社会の現在の大きな転機にあって、今再び錯誤を犯さない為には国民は政治を自らのものとして覚醒する必要があろう。
直近30年間程の日本の内政の動きを的確に指摘している動画を参考の為に上げておく。
(5) 参院選直前に全国民が知っておくべき日本の賃金が上がらない理由 - YouTube
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