人間社会と日本:転-01

ー 人間社会と日本:転-01

人間社会は留まるところを知らず常に動いている。大きな転機を迎えていることをこれまで記述してきた。大きく捉えれば、西欧近代科学技術文明の転機である。それと重なるように第二次世界大戦(日本は大東亜戦争である)の戦後体制において「けじめ」が付けられたこともあるが「曖昧さ」が残されたものもあり、結果としてそこに生まれ引き摺られてきた「わだかまり」に、最終的な「けじめ」を付ける動きが始まっていると捉えることができる情勢になりつつあるのではないか。つまり、既に世に知られている第二次世界大戦に至る経緯と結果が、時間軸の経過で新たに発掘された客観的な事実(米国ではヴェノナ文書で方やソ連ではミトロヒン文書の解析等が進み開示されて)の掘り起こしと検証により、当時の「事実の屹立(これまでの理解の再構築)」が生じてきていると言える。

人間社会は、本来の歴史(捏造されたものではなく事実に基づくもの)を取り戻すための見直しを行い始めていると言える。それなくして的確な将来を人間社会は描けないし構築できないであろう。これまで放置されてきた「曖昧さ」に対して「事実の屹立」による「けじめ(嘘は許容されない)」がつけられる動きに繋がりつつあると言えるであろう。この観点で、文明の転機と文明の内部に起因して特定勢力により遂行されてきた「巨大構図の戦略的動き」への的確なけじめと始末に、人間社会は向かい始めている。先駆ける勢力が新たな動きをはじめていること、問題を解決せず欲望のままに拗らせてきた勢力の始末の動きが始まりかけていることが、「重ね合わさっている状況」が今の情勢であろうと理解する。

人間社会では、嘘や捏造や恣意性の上に「構築された構造(実に巧妙なものであっても)」は、「自然に裏打ちされた人間性」という根源的なものがある限りにおいて、時間軸の経過による環境の変化と共に最終的には「納まり」が着かなくなり「本来の在り様」に立ち戻ってゆくことになると推察する。このことの例証は「自然科学の世界」である。そこでは冷徹な真理(人間は神ではないので未だ全てを発見し理解していない)のみが世界を治めているという認識が、人々に共有されているであろう。この考えに一番近いものが、「日本的なるもの(*1)」を体現している日本精神であろうと推察する。ゆえに、自然が真理に従い創発し継続するように、日本は一時的な困難に遭遇しても、同じく「困難を新たな変異で克服(しらすで事態を共有して皆で合意形成を行い次なる相を確立して更なる進化を遂げ続ける:動的平衡と動的変化を自然に行う)」して、日本は連綿と継続し永続してきている。

*1:「日本的なるもの」の簡潔な表現の一つは、神道にある「中今(なかいま)」という言葉に見られる。換言すれば「生きている今を中心にして、引き継いできた長い伝統と慣習を理解し踏まえて、将来の行く末に思いを馳せて伝統と慣習に変異を加えながら確かなものとして次代に繋げられるようにする」という連続性や継続性を視野に入れたものである。故に、「大化の改新」や「明治維新」が可能になると理解できる。政治的には「保守と革新を高い次元で融合」したものが「中今」であると捉えることができる。日本に軸足のある者達は、所謂西欧流の「保守」ではなく「中今」と理解することが必要であろう。但し「天皇と民(一君万民)」の「しらす」を基本とした国体はそれに代替しうるものが「これまでも無くどこにも無く」て、数千年の時を重ねつつも護持しており、今では日本そのものといえる域にある。然るに、天皇を担い支えてきた皇室(皇族)に、GHQの企みが奏功し今は危機にあると言える。ここは、人間社会の大きな転機も踏まえて日本の在り様を再考し再構築する時期でもあり、合わせて皇室(皇族)の在り様も再建(変える無くす方向ではなくより充実し日本の弥栄に繋げるように)することであろう。

西欧近代科学技術文明が欧州から人間社会へ拡張してゆく段階で、それまでに抱えたこの文明の「不均衡を齎す要素」に目を向けた「思念的行動」が力を持ち始める。つまり、共産主義又は社会主義のイデオロギーを前提にした「社会改革」である。日本は、これまで理解してきたように明治維新から西欧近代科学技術文明に対峙し受容してきたわけではなく、戦国時代末期から遭遇してこの文明の推進勢力の違いを認識して「間合いを計りながら」対峙し受容してきている。日本は西欧近代科学技術文明の本質を理解し、彼我の差も確り認識して明治維新で自身の革新に努めた。それが出来たのは非西欧社会では未だに日本だけである。第一次世界大戦と第二次世界大戦は、「近代化の敷衍」の在り様の混乱と「日本的なアプローチ」が取れずに「思念的行動」に安易に堕落した勢力が台頭してゆく動きであったと再認識できる。第二次世界大戦は「共産主義世界革命勢力」によって「仕組まれた」ものであり、結果として共産主義勢力の「勝利」に繋がったと言える。現在もそうであるが「思念的行動」では現実を変えることはできず、結果的に前近代が形を変えて権威主義的に存続することにならざるを得ない。例証はソ連であり失敗に終わる。然るに、不均衡を生み出すことに長けているグローバリスト勢力は、ソ連に対しても中共に対してもそれらの強権体質を利用することで富の回収を図るために「奇妙な連携(利用)」を行ってゆく。中共は欧米先進国を真似て経済的に発展し民主化の機会に到達した時に、人民を弾圧してグローバリストとの連携を選び、権力と富の独占に腐心する「中華帝国」に堕落しが、欲望の目的は達成して人間社会に歪に台頭した。こうした中共の台頭に当たって「歴史の捏造」が行われ「中共の正当性」のプロパガンダが積極的に行われてきた。天安門事件以後に中共の歴史の捏造の主要な対象になり多大な迷惑を日本は被ってきている。人間社会での各勢力の動きには時間軸の推移により「環境変化」も起こり「浮き沈み」が生じてくる。中共には、その規模や強大さで中々翳りの時期が予測できなかったが、習近平の情勢を踏まえない強権的な在り方が人間社会の環境変化も伴い、中共の翳りに繋がり始めている。ソ連の崩壊で東欧では「歴史の見直し」が始められている。その刺激もあり東アジアでは第二次世界大戦後の歴史の見直しがこれから始まり、その圧力が中共に影響を及ぼし、ソ連のような自身による崩壊ではなく「歴史の見直し」の過程で其々の地域が「目覚め」て人間社会の支援を得て支那(中共)が再編されてゆくと理解する。最初は、やはり「台湾問題」からであろうと思量する。この過程で、日本は最重要な当事者である。当時の「事実の屹立」を受けた動きを強める必要があるであろう。台湾問題は歴史的にも日本は他人事ではなく、十分に中共に対抗できる「事実の屹立」に繋がる情報を有してもいる。

歪に台頭した中共が「歴史の捏造」を繰り返して周辺地域に「横暴」を重ねてきているが、第二次世界大戦後の歴史の捏造の最大で最後のものであると言える。必然的に「中共の所業」に人間社会の目が行く様になってきていると言い換えることが出来るであろう。つまり、支那(中共)による歴史の捏造は「支那が歴史的に培ってきた慣習」でもあり、このことが支那内に留まっている分には彼等の問題であり当事者で解決するように放置でよいであろうが、ここまで明かな歴史の歪曲を行い周辺地域及び人間社会に迷惑を及ぼしている「中共による所業」をこのまま見過ごすことは許されないであろう。既に、支配下に収めた満州・内モンゴル・チベット・新疆ウィグル等の周辺地域から、一国二制度の約束を破り「香港を力で吸収」し、更に最終到達点である「台湾の併合」へと中共は動き出している。政治的経済的な影響力の行使では、既に人間社会全体にも中共の影が及んでもいる。

習近平は、直近で辛亥革命(1911年)の記念日に台湾の併合を宣言している。これは中共(発足が1921年)が習近平の頭も洗脳し始めている例証である。辛亥革命は、孫文らの勢力(後の国民党)により「清朝」を倒した際の事象である。歴史的経緯により国民党を形式的に受け継ぐ台湾政府が記念日(双十節(*2))として扱うのは理解されるが、1911年時点では「存在」していない中共には何の関係ない行事であり、中共による台湾併合の理由にするなど歴史捏造の最たるものであると言える。

*2:辛亥革命で清朝が崩壊し、新たに孫文らにより「中華民国」が成立するが、この時の中華民国の領土は「本来の支那(支那大陸の中原部分)」であり所謂周辺地域(清朝の全領土)はその対象にはなっていない。中華民国を受け継ぐ(暴力革命で倒した)と言明している中共が清朝の最大統治範囲を領土としていることの矛盾がここに示されている。台湾は、日清戦争で日本に清朝より割譲されており、清朝崩壊後に成立した中華民国の一部ではないことは明かであり、中華民国を倒して成り代わる中共が台湾を中共の一部との宣言もまた矛盾している。蒋介石(中華民国)は、中共との戦いで敗走し台湾に逃れた。更に、中共が台湾を「攻撃」しようとした際に、日本は「白団」を極秘裏に台湾に派遣し反撃して中共が台湾を併合することを防いだ経緯がある。今この時の米国と中共との関係等も明かにされなければならないであろう。また、日本はサンフランシスコ条約で台湾を放棄させられているが、その後の紆余曲折があり施政権は中華民国の実行支配で移動しているが、領土権の帰属は正式には確定していないと言えるであろう。真に台湾が「独立(人間社会が第二次大戦後の歴史を正確に理解した時)」した際に確定されることになるのではないかと理解する。日本には台湾に大きな責任があることがこれらのことより理解できるであろう。

現在の中共は、中共内部の利権集団としての幹部宗族間の権力闘争が激化しており、経済の在り様を理解しない習近平の指導で「毛沢東路線の文化大革命擬き」を復活し進行させるという「危機的状況」にあると言える。人間社会から中共が「忌避」される圧力が増々高まってきており、経済的にも分離の方向が促進されてきている。その影響もあり異様に巨大に拡大し20年程継続している「支那特有の不動産投機」が流石に終焉を迎える事態を今招いている。更に、所謂世界第二位の経済大国であり常識的には想定出来ない大規模停電等(石炭火力の削減と振興した再エネの不安定さや豪からの政治的な石炭輸入禁止措置等の複合事由による)による電力不足が露呈しており、支那(中共)の経済活動に大きな支障が生じてきているであろう。その他にも支那各地の「大規模洪水災害」の頻発等による社会の混乱等や、2年が経過する中共ウイルスのパンデミックの国内における影響等も手伝い、支那(中共)はかなり「厳しい状況」にあると思われる。隠蔽体質の中共が自ら情報を開示する訳もないが、SNS等や各種の周辺情報から判断できるであろう。

日本は支那(中共)とこれまで関係が深いわけであり、各種の情報源から収集分析(危険を最小限にしつつインテリジェンス機能を向上させて)し、「支那(中共)の実体と実態」を掌握することである。共産主義国ソ連の崩壊過程とは大きく異なる様相を描くであろうと思われる中共の崩壊を推察できるであろう。支那の歴史的な易姓革命における「動き」に関しても、長い歴史的関係で日本には知識が蓄積されているであろう。こうしたことを総動員して「支那(中共)の此処から先の様相を推測」してゆくことである。

支那(中共)の現在の様相では、現在の権力者である習近平に権力が集中しており、彼の強権的なこれまでの政策の反作用として「逆回転現象」が生じてきており、中共における「偉大な先達」の自己保身の手法である「毛沢東路線」を採用しなければならない事態を招いている。典型的なものが「文化大革命擬き」の政策である。エンタメから教育に更にはマスコミの党機関化にまで「習近平の個人崇拝式の権威主義」が及び始めている。経済に関しても先に挙げた「支那特有の不動産投機構造の逆回転」「原発と再エネの奨励と火力発電削減による広域停電等のエネルギー不足」「一帯一路政策の進捗の停止や頓挫」「自国内での中共ウイルスの影響」「頻発する規模の大きい洪水災害とその影響」等の現象が、支那(中共)に苦境を齎しており、それらの動きが段々と勢いを増してきているであろう。

米国大統領選挙に「介入(此処までの監査より推測される)」して、中共は自己に都合の良いJRB政権の誕生に加担したが、米国の情勢はDJT政権の政策が深く浸透しておりJRB政権に期待される対支那(中共)への融和政策を引き出せずに「戦狼外交」に舵を切り、人間社会から自ら「忌避」される様相を強めている。歴史を捏造してまで人民を洗脳して拡張してきた中共の在り様から、対内的に「強さを固持する」ために、ここにきて一層積極的にプロパガンダを行っている。権力闘争の一貫で元司法部長の傳政華の失脚や元公安省次官の孫力軍のこの時点での追放や、朝鮮戦争時の紅色愛国反米の映画「長津湖」等のプロパガンダを行わざるを得ないという事態を招いている。更に人民の視線を外に向けるために台湾併合の姿勢(軍事的な威嚇も交えている)を強めざるを得ない状況に「追い込まれている」と言えるのではないか。直近の台湾のCPTPP(対支那(中共)向けのものであり中共にとって加盟は不可能なものであるが出来る出来ないは無視して)への加盟申請の動きを捉えて、自ら先に申請を行う等の揺動作戦も行使してきている。新たなAUKUSの動きやEUの台湾への傾斜等の急激な変化の様相が生まれてきており、中共にとってはかなり厳しい情勢なってきているであろう。

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